こんにちは!通販通信・スタートアップECコンサルタントの久保泰隆です。この連載では「ネット通販(EC)を始めたい!」と考えてはいるけれど、「知識がない」「ノウハウがない」「どうしたらいいかわからない」「何から手をつけたらいいかわからない」という企業や担当者の方のために、ECについての講座をお届けしています!
▽連載記事
第1回:通販・ECを始めるために必要なこと
とにかくリピート通販をやりたい!成功させたい!
リピート通販、単品通販、定期購入の違いは何?
独自ドメイン(自社サイト)でリピート通販を展開していくためには、自社の商品特性などを踏まえた上で最適な「ショッピングカートシステム」を導入する必要があります。リピート通販特化型のカートというものもありますので、今回はそれについて説明をしていきます!
・・・と、その前に「リピート通販、単品通販、定期購入、サブスクリプションといろんな言葉があるけどイマイチよくわかってない」という読者のために、簡単に言葉の解説から始めたいと思います。
「リピート通販」「定期購入」「単品通販」「サブスクリプション・コマース」——言葉は違いますが、基本的には同じ意味です。特定の商材を月単位などで定期的に買ってもらう販売方法です。一般的に、商材は健康食品と化粧品で通販を展開する場合が多いです。食品の頒布会(毎月のおすすめ商品をセットにして送付)を手掛けるような企業もいます。
健康食品や美容液一種類を毎月繰り返し購入してもらうことから、「単品通販」などとも呼ばれています。筋力アップをサポートする健康食品で例えてみましょう。一袋90粒入りで、一日の摂取目安量が3粒とします。そうすると1カ月で1袋を飲み切りますよね。それを毎月買ってもらうので、「定期購入」なのです。
リピートに特化したカートって何?
リピート通販に特化したカートとは何でしょうか。その前に、「カートシステム」にはどんなものがあるかをまず把握しておきましょう。ざっくり言うと「パッケージ型」「オープンソソース型」「クラウドASP型」「低価格ASP型」の4分類にできます。それぞれの型について、簡単に解説します。
パッケージ型
→独自性の高いECサイトを構築できる。自社独自のシステムを構築できるが、システムのバージョンアップを自社でやる必要もあり、初期導入コストが高額になる。年商規模が大きく、独自の仕組みを必要とするECサイトなどに導入される。
オープンソース型
→考え方としては基本的に「パッケージ型」と同じ。システムを構築するためのソースコードを広く公開している「オープンソース」を活用しているため、「パッケージ型」よりは安価にシステムを構築できる。自社独自にシステムをカスタマイズしたい中規模のECサイトなどに導入される。
クラウド型ASP(※)
→システムを自社で構築・保持するのではなく、月額料金性などでウェブ経由によってシステムをレンタルするというもの。スタートアップから中規模な事業者までが導入する。システム提供者側が機能を時流に合わせてどんどん拡充していくため、自社でシステムの機能拡充を行ったりはしない。
低価格ASP(※)
→考え方としては「クラウド型ASP」と同じ。導入費用や利用料金をかなり安価に設定しているため、機能面にはかなり制限がある。インスタントECと呼ばれる「BASE」や「STORE.jp」も低価格ASPに分類される。
※ASP=Application Service Provider(アプリケーション・サービス・プロバイダ)の略称。ウェブ上でアプリケーションを提供するサービスの提供者(事業者)のことを言う。提供されるソフトウェアやサービスのことをASPサービス(この記事でいうとカートシステム)と言うが、ASPなどと略して呼ぶ。通販用語としては、Affiliate Service Provider(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)もASPと呼ぶ。こちらは、アフィリエイト広告(成功報酬型広告)を配信するサービスを提供する事業者をさす。
さて、この4分類の中でリピート通販を始めたい人に最適なのは「クラウド型ASP」か「低価格ASP」と言うことになりますね。リピート特化型カートは「クラウド型ASP」が多くを占めます。「リピート通販特化型カート」とはリピート通販を展開するのに最低限必要な機能が盛り込まれているものです。例えば「定期購入管理機能」「広告効果測定機能」や「顧客分析機能」「顧客対応履歴管理機能」「カート内アップセル機能」「ステップメール機能」などなどです。
リピート通販を始めたい人が選ぶべきカート3選
では、具体的にはどんなものがあるのでしょうか? そこで、通販通信編集部による「リピート通販を始めたい人が選ぶべき」、カートシステム3選をご紹介します!
■「リピスト」
基本機能が充実。特に販売機能、広告分析機能に優れ、売り上げが上がってくればグレードを上げて継続的に利用できます。初心者から上級者まで利用できるカートシステムです。
・利用料金 初期費用:9800円~、月額料金:0円~。
■「たまごリピート」
基本機能と共に、オプション機能も多彩で充実したショップ作りができそうです。料金は比較的割高で、売り上げが上がるまでは費用負担が大きいかもしれません。
・利用料金 初期費用:7万9800円~、月額料金:4万9800円~。
■侍カート
定期購入の管理をしやすいサイト作りができます。会員の方にポイントサービスをしたり、セール販売をしたりすることができます。
・利用料金 初期費用:2万円~、月額料金:9800円~。
さて、どんなカートを選ぶべきでしょうか。前回もお話ししたように、「戦略」から考えましょう。戦略とは「ターゲット」と「ターゲットに提供できる価値」を掛け合わせて考えていけば、導き出すことができるのです。売りたい商品の特性から性別や年代層と言ったターゲット像はなんとなく見えていますよね?
例えば、ターゲットを「若い女性」、カート機能で提供したい価値として「スマホで簡単に購入完了まで進ませてあげたい」などが考えられるのではないでしょうか。戦略は「若い女性が入力やクリックの手間を最小限に抑えたECサイトでたくさん商品を販売する」となるのではないでしょうか。
戦略を強固にするためには「競合分析」をしよう!
ここで「う~ん・・・」となったそこのあなた!「ターゲット」や「提供できる価値」を明確にするお手伝いもして差し上げましょう!簡単な方法があります。ライバル企業の分析です。ライバル企業がどんなシステムでリピート通販を展開しているのかが少し見えると、戦略は立てやすくなるはずです。
そのためには、どんな会社が各カートシステムを使っているのかを調べてみましょう。「カート名」と「導入事例」「導入店舗」と行ったワードを組み合わせて検索してみてください。カートを提供するシステム会社が自ら公開している記事コンテンツや、関連メディアの記事がいくつかヒットするはずです。かなり参考になりますし、あなたがやりたいことが見えてくることがあるはずです。
例えば・・・「競合がやっていること(決済方法など)は最低限用意したい」「競合がやっていないサービス(決済方法など)を付加して差別化したい」「健康食品1品で年商○億円を達成したあの会社のようになりたい!」などなど、やりたい方向性が見えてくるはずです。そうすると、戦略が立てられるようになり、なんとなく選ぶべきカートも見えてきますよね。
やりたいことを実現するには、各カートの機能面を確認しましょう。その上で、使える予算なども加味していけば、御社が選ぶべき最適なカートが何であるか、見えてくるはずです!
次回は、独自ドメインでアパレルECを立ち上げたい方向けにカートシステムの紹介をします!
(久保 泰隆)
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