ネット通販で15万円の商品を売る4つの工夫
トイレ、蛇口などの住宅設備機器をネット販売する『サンリフレプラザ』。2001年から運営しているECサイトは、初期の頃は半年に1回、最近でも1〜2年に1回の割合で大幅なリニューアルによって進化してきた。 『サンリフレプラザ』での買い物は、トイレを便器ごと換える場合、商品代金+工事代金を合わせると15万円近くかかることも珍しくない。便座をウォシュレットに変更するだけでも、5〜6万円はかかる。他社に比べて圧倒的な低価格を実現しているとはいえ、「ネットからモノを買う」商材のなかでは高額の部類に入る。『サンリフレプラザ』の運営会社、ケイシス株式会社の代表取締役である栗原 将氏は力説する。 「だからこそ、サイト上で、リフォームについて詳しく知らないお客さまに向けて、いかに分かりやすくその仕組みを伝えるか、いかに安心感を与えられるかが求められるんです」 「サイトは、常に現在進行形。至らないことの方が圧倒的に多い」と話す栗原氏だが、2011年度は『日本オンラインショッピング大賞』の「中規模部門最優秀賞」を受賞するなど、その功績は高く評価されている。さまざまな工夫を凝らしている『サンリフレプラザ』のポイントを見ていこう。
ポイント1 料金体系は、視覚的にも分かりやすく
リフォームで不安になる要素のひとつは、「事前に料金が分からない」こと。『サンリフレプラザ』では、料金体系を明確にしたことは前回述べた通りだが、サイト上では、視覚的にも分かりやすく見せる工夫をしている。
「トイレリフォーム工事費」のように、商品代金+設置に伴う工事代金が明確に示され、さらに、床や壁紙の張り替えなどの内装工事もオプションで追加できることがひと目で分かる。 また、商品代金と設置に伴う工事代金の具体例も掲載している。 「とにかく、お客さまがリフォームした際の料金がイメージできる工夫は、随所に入れていきました。
ポイント2 写真による見積システムを導入し、訪問見積を不要に
見積のためだけに、スタッフが消費者の自宅を訪問するのは、消費者にとっては煩わしく、ケイシスにとっては時間も人手も足りない。どちらにとっても、良いことが何もないうえに費用がかさむ。 そこで工夫したのが写真での見積システムだ。自宅のトイレがどうなっているのか、排水部分はどうか? 写真を送ってもらうことで、消費者の欲しい商品が、設置できるか否か示すことにしたのだ。 「デジカメではなく携帯電話で写真を撮って送ってくださってもOKです。写真の添付方法が分からない、パソコン操作が苦手だという人は、フリーダイヤルで尋ねていただける体制も整えています」 その他、見積システム内には、床や壁、天井などの内装工事を依頼できる「オプション」欄を設け、それぞれいくらかかるのかを明確に表記して、安心して気軽に見積依頼ができるようにした。
ポイント3 「施工事例集」「お客様の声」を用意し“信頼できるお店”を強調
『サンリフレプラザ』を利用する決め手のひとつになるのが、実際に同社を利用した人の「施工事例」と「お客様の声」のページだろう。 「施工事例は現在3765件、お客さまの声は1584件掲載しています。これらを設置したことより、『このお店に頼めば安心だ』と思ってもらえることは多いです」
ポイント4 スタッフブログ、施工スタッフ紹介で社員の顔を前面に
初めて利用する人が不安にならないように、意識的に「社員の顔」を登場させることも心がけている。顔の見えないECサイトでは効果的な方法で、スタッフのブログと施工スタッフを紹介するページがある。 「スタッフブログは毎日更新し、製品やスタッフの紹介、あるいは、日々の様子などをアップしています。少しでもお客さまに親近感を持っていただけたらという気持ちで続けています」
施工スタッフの紹介ページを設けたのは、消費者の不安を少しでも取り除きたいという気持ちからだ。 「お客さまのご自宅に直接うかがって、実際に工事をするのは施工スタッフです。ですから、施工スタッフをサイトで紹介するのはもちろん、工事日が決まった段階で、お客さまに誰がお訪ねするのか事前にお伝えするようにしています。これは、お客さまの不安の払拭に役立っていると思います。
商品別のサイトへシフト
『サンリフレプラザ』のサイトは、外注には出さず社内の制作スタッフがすべて作っている。 「1ページのある個所だけでも何十回もやりとりをしながら作っているので、外注に出すのはまず無理です。社内でサイトの制作スタッフを抱えているからこそ、会社が訴えたいこと、お客さまにお伝えしたいことを的確に形にできる面もあると思っています」 現在、考えているのは、トイレ、蛇口などそれぞれの商品別のサイトを立ち上げていくことだ。 「10年以上かけて作り込んできたサイトですが、あれも入れたい、これも伝えたいと思うあまり、かえって煩雑になった部分があります。商品別サイトを新たに立ち上げれば、よりシンプルになるし、お客さまにとって欲しい情報だけを入手できることにもつながります」 ところで同店の商品は、その特性上、ネット上だけでやりとりが完結しないことが多い。消費者から問い合わせがくる、または、こちらから連絡する、あるいは、実際の工事にあたって、どのような点に気をつけているのだろうか。これらについては次回、お伝えしよう。(続く)「
(出典:ASCII.jp - Web Professional)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― サンリフレプラザ http://www.sunrefre.jp/ 運営会社:ケイシス株式会社 従業員数:50名 オープン:2001年 年商 :16億2000万円(2011年9月度) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ★成功ネットショップ:『サンリフレプラザ』(1) ★成功ネットショップ:『サンリフレプラザ』(3) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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