Shopify Japan(株)は16日、新型コロナウイルスの感染が世界中で猛威を振るう中、4月下旬に新たにEmailマーケティングツール「Shopifyメール」の無償提供を開始すると発表した。これに併せ、「巣ごもり需要」が高まっているShopify事業者を紹介している。
Shopifyメール機能を無料提供
新型コロナウイルスの感染拡大で、日本では4月上旬に緊急事態宣言が発令され、多くが外出自粛下にある。実店舗がある小売業は突然の売上低下に苦しんでいるのが現状だ。
今回、新たに加えるShopifyメール機能は、マーケティングツールとして、Shopifyの管理画面上から顧客に対してメールマガジンやニュースレターの配信を可能とし、より多くの潜在顧客にネットショップでの消費を促す有効な手段だという。有料での提供を予定していたが、現在の世界的な状況を考慮し、すべてのプランを無料で提供する。
Shopifyの調べによると、外出制限や緊急事態宣言を受け、週末だけでなく平日も家で過ごす人が増えたことから、裁縫道具をはじめ趣味や身体を動かすための商品など、「おうち時間」で活用できる商品・サービスの売上が好調だという。Shopifyは「巣ごもり需要」でネットショップの売上が堅調とし、「Shopify事業者事例6選」を紹介している。
「Shopify事業者事例6選」を紹介
退屈なおうち時間を楽しむ編み物を扱う『amirisu』
編み物製品を扱う同社は、東京と京都の2店舗を休業。ECのみでの販売を余儀なくされている。そこで、Instagramを用い、会員限定のライブ配信を誰でも見られるようにした。編み物をしながら何気ない会話をする動画は、日常を取り戻したい視聴者に受け、Shopifyのインスタグラムとのショップリンク機能の活用もあって売上は落ちることなくキープできている。
■『amirisu』
巣ごもり太りを解消!お家でできるエクササイズ用品を扱う『BODY BOSS』
自宅でジムにいるかのようなエクササイズができる商品を扱う同社は、「巣ごもり太り」を解消できると人気。すでに4月の売上は前月比400%となり、在庫切れ。自粛規制の強さや感染者数の多い地域の購入者が増えている。同社ではパーソナルトレーナーと管理栄養士のサポート付き筋トレと食事を組み合わせたサブスクサービスも展開している。
■『BODY BOSS』
実店舗のクローズを受けECでの販売を強化する珈琲専門店『Fuglen Coffee』
ノルウェーでのバリスタ経験を培ったオーナーが率いる珈琲専門店。東京・浅草と富ヶ谷にある実店舗が短縮営業などでダメージを負っているものの、都知事が外出自粛の会見をした3月25日以降、Shopifyを活用したECストアで売り上げを急増させている。
■『Fuglen Coffee』
おしゃれなホームグッズを広く展開する『KINTO』
ライフスタイルグッズを扱う同社は、3月末時点でEC売上は前月より約12%増加。外出自粛の影響でマグカップなどコーヒー関連アイテムが好調で、前月比で約31%増えた。植物と鉢をセットにして利用者へ直送するブランド「MOLLIS」も売上を伸ばしている。
■『KINTO』
保存食・非常食としての需要が高まっているレトルト販売の『ゴーゴーカレー』
金沢カレーブームの火付け役として知られる同社では、店舗で提供しているカレーをレトルトで販売。不要不急の外出自粛を求められている消費者にとって、保存食・非常食としても有効であることから需要が高く、好調にな売り上げを伸ばしている。
■『ゴーゴーカレー』
オリジナルクラフトビールをECで届ける『京都醸造』
95%の売上を卸業として樽販売で成立していたが、レストランなどの相次ぐ休業などで大打撃を受け、3月からECサイトをShopifyで立ち上げた。今後は自社酒場やビールフェスティバルでのみ提供していたグッズの販売や、サブスクサービスでの販売形式も導入する予定。
■『京都醸造』
Shopifyでは、4月下旬提供開始予定の「Shopifyメール機能」の提供とともに、事業者向けにさまざまなサポートを実施している。無料体験期間を通常時の14日から90日に変更する小売業向けサポートや、「ギフトカード機能」のすべてを提供、店頭受取機能「カーブサイド・ピックアップ」など。同社では、これらのサポートを介して、新型コロナウイルスの脅威に対し、事業者と一丸になって乗り越えていきたいとしている。
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