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2023.01.15 コラム

AISASはAIDMAとどう違う?成功事例もあわせて徹底解説

 インターネット社会におけるユーザーの購買行動を表すモデルAISAS。これまで活用されてきたAIDMAと同様、マーケティング戦略において欠かせないフレームワークです。そこで今回はAISASの概要とAIDMAとの違い、成功事例もあわせてご紹介します。


AISASとは?購買行動のステップを解説

 AISASはユーザーの購買行動の流れをインターネットが普及した現代に合わせて体系化したマーケティグのフレームワークモデルです。以下の言葉の頭文字をとって名付けられています。

注意:Attention                      
興味:Interest                      
検索:Search                      
行動:Action                      
共有:Share

以下より各ステップを詳しく解説していきます。


①注意:Attention

 1つめのステップであるAttentionは、ユーザーに商品やサービスを知ってもらう段階です。商品やサービスを開発しても、まずはユーザーに知ってもらえないと購入に至りません。そのため検索エンジンにリスティング広告を出稿したり、SEOをねらったコンテンツを制作したりなど、できるだけ多くのユーザーの目に触れる機会を作ります。

 また、明確なターゲット層がある場合には、SNSやインフルエンサーによるPRを活用するなど、届けたいユーザーに合わせて発信方法を選びましょう。

②興味:Interest

 2つめのステップInterestは、ユーザーに商品やサービスに対して興味をもってもらえるよう図る段階です。ここではLPを制作したり、SNS広告を配信してWebサイトに誘導したりなどの方法が有効です。

 また、商品のアピールだけでなくブランドの世界観やコンセプトなどもユーザーにイメージしてもらえるよう工夫しましょう。「使用してみたい」「気になるから調べてみたい」とユーザーに興味や関心をもってもらえるよう図ることがポイントです。


③検索:Search

 3つめのステップであるSearchは、ユーザーが初めて自発的に商品やサービスについて働きかける段階です。ユーザーは興味をもった商品の口コミや、他社製品との比較などの情報を検索し、商品のメリットやデメリットを確認します。それらの情報をもとに、ユーザは実際に商品を購入するかどうか判断するのです。そのため企業としては、商品のアピールだけでなく、口コミや他社と差別化できる点など、ユーザーが商品を購入したいと思えるような情報をあらかじめ掲載しておくことが重要になります。


④行動:Action

 4つめのステップはユーザーが実際に購入という行動を起こす段階であるActionです。ここで注意しておきたいのが、実際に購入を決断したユーザーを迷わせないようにすることです。Webサイト上の購入ボタンがわかりにくかったり、購入できるオフライン店舗がどこにあるか調べられなかったりすると、一度購入を決断したとしても意思が揺らぐ可能性があります。そのため、Webサイトでは導線設計の工夫、オフライン店舗であればPOP UPの展開など、ユーザーが購入しやすい環境をつくることが重要です。


⑤共有:Share

 最後のステップはユーザーがSNSや知人に対して情報を共有するShareです。商品やサービスを購入したユーザーがSNSやブログなどで共有した使用感などの口コミは、他のユーザーが購入を検討する際の判断材料になります。

 近年SNSの口コミで商品の購入を決めたり、企業の広告よりも口コミの方を信頼したりする人が増えていることから、購入したユーザーが共有した情報によって今後の売れ行きやブランドイメージが左右されるのです。そういった意味では、この共有がAISASモデルの一番の特徴といっても過言ではありません。

AISASとAIDMAの違いは?

 つぎに、AISASとセットで取り上げられることの多いAIDMAについて解説していきます。どちらもマーケティング施策を立案する際の重要なモデルですが、使い分けることで効果を発揮するので違いを詳しく見ていきましょう。

AIDMAとは?

 AIDMAとは、AISASと同様にユーザーの購買行動を表すモデルで、以下の言葉の頭文字をとって表されています。

注意:Attention                      
興味:Interest                      
欲求:Desire                      
記憶:Memory                      
行動:Action

 AIDMAでは、ユーザーが商品やサービスを購入するステップまでをひとつの流れとしています。AISASのように他のユーザーに対して情報を共有しません。そのため、AIDMAはテレビや新聞、雑誌などのメディアがメインだった時代を反映しているといえます。ユーザーはCMや雑誌などで気になる商品を見つけると興味を抱き、欲しいと思うようになります。その後、欲しいと思った記憶を広告配信などによって再度思い出し、購入という行動に至ります。ひとりのユーザーで購買行動が完結し、他のユーザーには影響を及ぼさない点が特徴です。


AISASが活用されるようになった背景

 ではAISASが活用されるようになった背景を見ていきましょう。AISASはAIDMAモデルに検索と共有をプラスしたモデルです。AISASではユーザーはインターネットで自ら商品やサービスについて検索し、購入したあとに使用感などの口コミをSNS上などで共有します。そのため、AISASはAIDMAをインターネットが普及した時代にあてはめたモデルといえます。

 AISASとAIDMAは似た流れをもつフレームワークですが、自社の商材やターゲット層に合わせて使い分けるといいでしょう。たとえばオフライン店舗でしか取り扱いのない商品であればAIDMA、Webサイトでの販売が主流の場合はAISASを活用するといったように、ターゲット層や扱う商材によって使い分けてください。

AISASの成功事例を紹介

 ここまで、AISASモデルの概要について詳しく解説してきました。最後に、AISASを活用して成功した企業事例をご紹介します。ぜひ実際の事例にAISASモデルを当てはめて考えてみてください。


スターバックス

 コーヒーショップ大手チェーンのスターバックスで、AISASを活用した事例を見ていきましょう。

①Attention:注意

 スターバックスではSNSを情報発信のメインとしています。友人が投稿した新商品などをみて、実際に試してみたいと思ったことのある方も多いはずです。実は同社は広告費をほとんどかけておらず、TwitterやInstagramなどSNSでの情報発信で商品を宣伝しています。

②Interest:興味

 ユーザーはSNSの投稿や友人からの口コミによって、商品に興味をもつようになります。ここで同社はユーザーの興味を惹きつけるよう、季節ごとに話題性のあるメニューを提供するなどの工夫をしています。

③Search:検索

 ユーザーはSNSのハッシュタグ検索などで商品を検索し、情報を収集します。おしゃれな投稿をみたユーザーは、より商品を試してみたいと思うようになります。

④Action:行動

 自分も新商品を試したいと思ったユーザーが店舗を訪れます。季節ごとに期間限定のメニューが多いため、ユーザーはすぐに来店したくなるのです。

⑤Share:共有

 スターバックスには、季節限定の新商品やおしゃれな店内など、SNSに投稿したくなる要素が詰まっています。それらの投稿をみた新規のユーザーも店舗に来店したいと思うようになります。

 スターバックスではこのように①〜⑤のステップが繰り返されることで、広告費をかけずとも、自然と新規顧客を獲得できる仕組みになっているのです。

まとめ

 今回はAISASモデルの概要と、AIDMAモデルとの違い、成功事例について解説しました。ポイントは以下の通りです。

・AISASとは?

 AISASはユーザーの購買行動の流れをインターネットが普及した現代に合わせて体系化したマーケティグのモデルです。以下の言葉の頭文字をとって名付けられています。
注意:Attention                      
興味:Interest                      
検索:Search                      
行動:Action                      
共有:Share

・AISASとAIDMAの違いは?

 AISASはAIDMAをインターネットが普及した時代にあてはめたモデルといえます。両モデルは商材やターゲット層に合わせて使い分けましょう。

 最後に、AISASはあくまでも購買行動の流れを表すモデルだという点を念頭に置いておいてください。重要なのは、これらのモデルを活用して達成したい目的を明確にしておくことです。そのため、すぐにAISASで考えるのではなく、まずは商品やサービスで達成したい目的、売上の目標など最終的なゴールをよく検討してください。その後、マーケティング施策を立案する際に活用できるAISASやAIDMAモデルを、自社の商品やサービスにあてはめて検討してみましょう。

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