クラウドソーシングサービス「クラウドワークス」を運営する(株)クラウドワークスが30日公表した「ECサイト開設および運営に関する発注傾向(1~6月)」に関する調査によると、ECサイト構築に対するニーズは、「withコロナ」のフェーズに入り150%の増。法人の活用が顕著で、個人はサイト運用での発注が増加傾向にあることが分かった。
コロナ前後でEC関連の案件が増加
withコロナに入り、ネットショッピングの多用など、非対面での購買が可能なECサイトは一層の注目を集めている。販売側にとっても、複数の顧客接点を確保できることで導入が進む中、同社では以前からECサイト関連の発注増加傾向が見受けられていた。動向を探るため、1~3月(beforeコロナ)と4~6月(withコロナ)による比較調査を試みた。
ECサイトにまつわる仕事カテゴリとして代表的な「ECサイト構築」「ECサイト運営」「商品登録・撮影」を調査。beforeコロナと比較すると、withコロナではすべての仕事で発注増が見られた。さらにクラウドワークス上での発注者を「法人発注者(企業)」と「個人発注者」に分類すると、発注内容に違いがあることが分かった。
法人発注者は、各仕事カテゴリを偏りなく利用していることから、開設から運営までの全工程に課題感を感じている。しかしbeforeコロナ・withコロナの期間別に比較すると「ECサイト構築」の割合が大きく増加。beforeコロナは27.5%、withコロナは37.0%だった。
通販事業者の直発注が6割
さらに、ECサイト構築の発注者のうち6割が事業会社のため、従来ECサイト構築を発注していたと想定される制作会社などを介さずに、事業会社自ら機動的に発注したいという意向が見られた。背景としては、「必要な部分だけの機能追加や改修を依頼しやすい」というクラウドソーシングの強みが寄与していると考えられる。
「複数のECサイトのうち一つのサイトに関し、特定ページのみデザインをリニューアルしたい」「ECサイトのスマホ版トップページのみをリニューアルしたく、レイアウト・デザインは自社で対応するためコーディング対応をしてほしい」などの声があった。完成品への追加機能や特定工程に関する依頼のような、「痒いところに手が届く」クラウドソーシングの使い方が、法人発注者の持つニーズと合致しているようだ。
クラウド活用でスピードアップ?
これらのことから、「先行きが不透明な中、スモールスタートを可能とするスピード感」「多様な仕事分類があるため、ピンポイントな課題解決」という総合型クラウドソーシングサービスの強みが、法人発注者が持つ課題解決で生まれた増加傾向だと考えられる。
一方、個人発注者は「ECサイト運営」での利用が多く、サイト構築よりもサイト運営を継続させていくことへの課題感を持っていることが分かる。ECサイトでの想定外の売上増に伴い、在庫管理や運営そのものへの負担も増加し、個人で請け負う範囲を超える仕事量となったことから、外部人材活用による生産性向上を図っていることも一因として挙げられる。
ECコンサルのクラウドソーシングも
ECサイト関連発注のうち、新しいクラウドソーシングの活用法として、「ECコンサル」が増加傾向にあった。発注総数増加率はbeforeコロナが114.7%、withコロナは143.6%と伸長した。
利用例は、「アクセス分析・商品分析の上、自社サイトの課題を探りたい」「サイト立ち上げを含む利益拡大方法のコンサルを」など。非対面型販売の需要増に伴うECサイトの増加に伴って競争が激化する中、外部人材の活用で新たな知見が生み出す利益を考える企業の増加が見受けられる。こうした活用方法も生まれていることから、新しい生活様式にマッチすることをめざす企業にとって、クラウドソーシングは注目の外部活用手段といえるとしている。
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