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総務省は11月21日、「デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会」を開催し、今年5月に公布された情報流通プラットフォーム対処法に基づき、個人を誹謗中傷する投稿や違法広告の配信を防止するために、SNSなどのプラットフォーム運営事業者が設ける実施基準に関する「違法情報ガイドライン（案）」を示した。 （大規模プラットフォーム運営事業者の指定（省令案） ▽関連記事 総務省、情報流通プラットフォーム対処法の省令・ガイドラインを検討開始 総務省の検討会、通信サービスでも最終確認画面への記載やダークパターンへの対応を提言 申出者への通知は「7日」 同法は、大規模プラットフォーム事業者に対し、SNS上の個人を誹謗中傷する投稿、指定薬物や健康食品の誇大な効果といった違法広告への迅速な対応を求めている。削除を申し出るための窓口・手続きの公表、申出者への通知、削除基準の公表などを義務づけた。 詳細については、政省令やガイドラインで示す。この日の会合では、申出者へ通知する期間を「7日」とする案が示され、各委員から支持する意見が寄せられた。 また、国への取り組み状況の報告が求められる大規模プラットフォーム運営事業者として、平均月間発信者数（閲覧者含む）が900万人以上、または平均月間延べ発信者数（投稿者数）が180万人以上の事業者を対象とする案を示した。各委員から異論は出なかった。 指定薬物や医薬品のような健康食品の広告も対象 同法は、大規模プラットフォーム運営事業者に対し、違法・有害情報の送信防止措置の実施基準を設けて、公表するよう求めている。違法・有害情報の範囲などについては、ガイドラインを策定して例示する。 総務省が示した違法情報ガイドライン（案）では、他人の権利を侵害する情報の送信防止義務について、対象となる権利・利益に、名誉権、プライバシー、肖像権、著作権、商標権などを挙げた。 その他の送信防止義務の対象情報としては、わいせつ画像や児童ポルノをはじめ、麻薬や指定薬物（疑いのあるものも含む）の広告、医薬品であるかのような誤認を与える健康食品の広告などを挙げた。このほか、景品表示法で禁止する不当表示や、特定商取引法で禁止する誇大広告といった消費者取引に関する表示も含まれる。 これらの違法・有害情報について、プラットフォーム運営事業者が流通していることを知りながら放置し、情報流通に関与したとみなされる場合には、送信防止措置を講ずる刑事法上の義務を負い、これに違反すると刑事責任を追及される可能性があるとしている。 （木村 祐作）