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2022.11.05 コラム

会社の業務効率化を成功させる取り組みポイントとは…2分類の具体例つき

 業務効率化の取り組みとは、会社の利益最大化に貢献する重要な項目の1つです。今回は作業時間を節約するポイントなど、企業の取り組み事例や成功事例を交えながらやり方を解説します。業務改善のための課題や問題点を解決するアイデアやネタ、ハック、思考法も紹介いたします。(2021年4月初出/2022年11月改稿)
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業務効率化・業務改善の方法と考え方

 「業務効率化」とは、会社で取り組んでいる業務から不要な作業を取り除き、社内の生産性を上げる取り組みのことです。また社内ですでにナレッジとして蓄えているデータ(顧客情報など)を一元管理し、今後の戦略に役立てる「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」の推進も不可避となるでしょう。

 目先の生産性だけに囚われると、長期的な効率性を逸してしまうことにもなりかねません。例えば、経済産業省が指摘する「2025年の壁」。これはシステム運用や保守に携わる人たちの定年退職がおおよそ2025年ごろという意味で、これまでに蓄えたデータの活用法をいかに考えておくかが重要だと言えます。まずは長期的な戦略について社内で意思疎通を行い、そのための戦術として、業務効率化を進めていきましょう。近眼的な施策ではなく、従業員のエンゲージメントやリテンションを高めることもKPIに入ってくるはずです。

 上記のようなスタンスで業務効率化に取り組めば、一人ひとりの働き方が改善され、結果として会社の業績向上にも期待ができます。

 業務効率化をするうえで、大切なのは「戦略的に進める」ということです。以下のように「作業型」「思考型」に分別し、効率化の目的を考えてみましょう。

1. 現状を把握する

  • 行なっている業務はなにか
  • 発生しているコスト(人員・時間・お金)はどのくらいか

2.問題点をリスト化する

  • 人員不足や過密なスケジュールで残業しなければ業務が回らない(ムリ)
  • 本来は必要ない作業がある(ムダ)
  • 特定の人に作業の負担がかかっている(ムラ)

3. 目的を明確にする

  • 手動で行なっている作業を自動に変えて、作業負担を減らしたい(作業型)
  • 人にしかできない業務を把握・整理し、残業時間をなくすよう効率化を図る(思考型)

4. 必要な体制を整える

  • 自動化できるようなツールを利用してみる
  • 部分的な業務を切り出すようなアウトソーシングを検討してみる
 はじめは準備や効果を得られるまでに時間はかかりますが、適切に取り組むことで会社の利益や労働環境の改善に繋がるはずです。

作業型業務を効率化するアイデア


 作業型業務を効率化するためには、管理している書類の電子化や、従業員が手動で行なっている作業を自動化に変えることが得策です。労働時間や物資などのコスト削減に大きく貢献するためです。それだけではなく、人の手を加えることによるミスが減り、品質向上にも期待ができます。

 以下のアイデア例から得られるメリットをみていきましょう。

【紙の書類を電子化する】

・書類に押印する手間が省ける
  • 書類に押印する手間が省ける
  • 会社のPCから印刷をしなくて済む(印刷自体不要になる)
  • メールで書類を送れるため、郵送が不要になる
  • 収入印紙を使わないで済ませられる
  • ・・・など
▽参考記事:「助ネコWeb領収書」ーウェブ化すれば経費削減・節税にも効く!
特に諸経費の削減による効果は計り知れない。領収書をウェブ化すればペーパーレス化による印刷資源のコストカットができ、郵送料金も抑制できる。そしてインパクトが大きいのは「収入印紙」にかかるコストを削減でき、節税に役立てることができることだ。印紙税法上、事業者は5万円以上の紙媒体の領収書に収入印紙を貼ることが義務となっている。ただ、電子文書はそもそも貼り付ける場所がなく、電子の収入印紙が存在しないため、収入印紙は不要....

【ツールを導入して作業を自動化する】

  • 会計ツールを導入することで、請求書などの品質が保たれる(経費関連のミスが減る)
  • ネットバンキングを利用することで、入出金管理の手間がなくなる
  • クラウド型署名ツールを取り入れることで、メール一本で契約を締結できる
  • ・・・など
 無駄な作業を毎日続けていれば相当な時間を費やすことになりますが、秒・分単位であっても少しずつ改善していくことで、人的コストや経済的コストの削減に繋がります。

 出社しないとできなかった作業は、オフィス以外でも完結できるようになるなど、幅広い働きかたを導くことができるのです。
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思考型の業務効率化の課題と問題点

 思考型の業務改善の問題点は、自動化が難しい職種もあるということです。

 例えば営業やカスタマーサポートなどの職種は、企業と顧客を繋ぐ重要な役割を担っているため、人とのコミュニケーションを重要視していることが多いでしょう。担当顧客を受け持っている営業であれば、自分しか担えない作業があるなど、業務を平準化するのが困難です。

 このように思考型業務の課題は属人化しやすいという点にあります。

 完全に自動化・脱属人化するのは難しいですが、一部の業務を担当業務から外して誰もが作業を担えるように共通化することや、半自動化をして思考労力を減らすことも可能です。従業員の業務の透明度を上げることは、効率化だけではなく、コンプライアンスの改善にも繋がります。

 ほかにも、営業資料をはじめ「皆が知っておくべき情報」をテンプレ化することで、コミュニケーション・コストが省けます。顧客の属性に合わせて必要な箇所の変更だけで済みます。

 また、必要な作業手順はあらかじめマニュアル化させ、社内の誰もが理解できるようにすることも大切です。突発的な休みが発生したときに、代わりの人が対応できるようになるメリットや、人によって偏っている作業量や品質が平準化されるメリットがあります。

 自動化できそうな作業とむずかしい作業を切り分け、はじめやすいものから自動化を進めていくことが大切です。

システムやツールの導入もやり方の1つ


 ここまで紹介したのは業務効率化の一般的な考え方ですが、すぐには自動化や電子化を取り入れられなくても、今あるリソースで工夫することで、業務改善に良い効果をもたらします。

 例としては以下のような施策が考えられます。
  • 印刷する機会が多い部署の近くにプリンターを設置する
  • 一人で集中した作業ができるようスペース確保を推進する
  • 社内での書類回付はフォルダへ格納する
  • ・・・など
 また、システムやツールを活用することもおすすめです。自動返信可能なコミュニケーションツールや、請求書が自動生成される会計管理ツールなど、業務効率化を促進させるものはたくさん存在します。

 社内での労働環境を見直しつつ、必要に応じたツールやサービスを導入することで、より早く効率化の実現を目指すことができます。

成功事例を持つ会社の施策とは


 テレワーク推進により在宅勤務を導入する会社が増えてきましたが、効率化できているのかは疑問視されているところ。しかし、社内でテレワークできる作業とそうでない作業の線引きを行ったうえで、作業の取り決めを行えば、テレワークでも十分な成果を残すことができます。

 成功事例として、通勤手当やオフィスの管理費などのコスト削減があげられます。ほかにも、「オンラインでの朝礼」「タスク型作業」「作業報告」を取り入れることで、コミュニケーションの活性化と個々の生産性向上に繋がると考えられています。テレワークの実施は、通勤時間の削減によって子育てへの時間が増えるなど、柔軟な働きかたができるようになり、従業員にとってもメリットが大きいため、最近ではオフィス勤務と在宅勤務をうまく組み合わせた「ハイブリッド・ワーク」の実践を進める企業が登場してきています。

 くわえて、システムを導入することによって良い影響を与える可能性もあります。個々の作業や作業にかかっている時間などをリアルタイムで共有できる「進捗管理ツール」を導入する方法を参考例としてあげます。

進捗管理ツールの一般的な機能は以下です。
  • 作業内容、件数、時間の共有
  • 作業の振り分け依頼
  • 作業の応援承認
  • ・・・など
 「今誰が何の作業をどのくらい持っているのか」をチーム全体で把握すること可能になり、作業を多く抱えている人が、余裕のありそうな人へ作業を振り分けることができます。チーム全体で進捗状況を可視化できると、担当制となりがちな作業でも業務が平準化され、社内全体の勤務時間あるいは残業時間を減らすことができます。

健康経営と生産性

 業務効率化を考えるうえで、忘れてはいけないのがあくまで「人」に主眼を置くべきということです。仕組みとして機能していても、それを担う人材が何かしらの問題を抱えている限り、組織として成果を上げることは難しいでしょう。

 そのような観点からいま注目されているのが「プレゼンティズム」です。従業員が出勤しているにも関わらず、メンタルヘルスなどの何らかの問題を抱えているために、業務中の生産性が上がらないことを指します。アブセンティズム(従業員が就労困難な状態)に比べて、可視化しづらいため、健康経営を主導する企業においてはこのプレゼンティズムの解消が喫緊の課題になっています。

 業務上の最適化を図ることは大切なのですが、それを担う従業員たちが何か問題を抱えていないかを考えることも必要とされるでしょう。DXにおいて、日本ではツールの導入に注目が集まりますが、DXを推めることで、従業員のウェルビーイング向上にもつながってなければいけません。


業務効率化についてまとめ


 業務効率化を成功させるためには、それなりの準備が必要ですが、改善に向けての順序と目的を明確にすることで、より早い段階で効果を感じることができます。

 効率化のための実践において、まずは作業型業務と思考型業務に分別することが鍵です。そのうえで、社内環境の改善や、電子化・自動化できるシステムを利用する方法を選んでいくのがいいでしょう。

会社のビジネス推進のためだけではなく、働きやすさを求める従業員のためを考えることで、業務効率化はさらに推進しやすくなるはずです。

業務効率化に関するお役立ち資料の紹介


下記ページでは、ダウンロード可能な役立つ資料をまとめています。
・業務効率化

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業務効率化に関するお役立ち記事紹介


 下記ページでは、効率化に関する紹介記事を多数掲載しています。


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