コロナ禍に見舞われて2年目となる2021年上半期。20年の特需の反動がみられる中で売れ続けているものとは――。(株)インテージは6月30日、運営するマーケティングの明日が見えるサイト「知るGallery」で、『上半期の売れたものランキング』を発表した。「健康系」「セルフケア」といったキーワードや、昨年の反動ともいえるカテゴリーが上位に並んだ。
2位は前年比160%で『プロテイン粉末』
20年の日用消費財市場は、コロナ禍の影響を大きく受けた。その後、市場はどうなっているのか。全国約6000店舗から収集している小売店販売データを用いて集計した。
それによると、1位は『麦芽飲料』だった。SNSなどを中心に貧血や体力増強にいいことが話題となり、昨年後半から需要が急拡大。前年比208%となった。2位は『プロテイン粉末』で、前年比160%の伸び。コロナ禍の中で美容や健康の面で注目度が上がり、女性を中心に購入率も上昇。19年の同期比でも2倍以上になるなど、一気に市場を拡大した。
20年上半期は衛生用品が上位独占
ちなみに20年上半期の順位は、1位・マスク、2位・うがい薬、3位・殺菌消毒剤と、衛生用品が上位を独占。コロナ禍2年目に入り、前年比の伸びが落ち着いてきた中でさらに伸びるのは、やはり「健康系」――。
3位は『玩具メーカー菓子』で153%。「鬼滅の刃」関連の商品を中心に好調を持続している。2年前比の販売金額も205%で、拡大が進んだ。4位の『血圧計』、5位の『ヘアートリートメント』は、セルフケア需要が支えた。5位までは、昨年上半期に売り上げを伸ばし、さらに今年も売り上げを伸ばしていたカテゴリーだが、6位以降には、昨年同時期に新型コロナウィルス感染拡大の影響で売上を落とし、今年に入って売上が回復したカテゴリーが複数入っている。
在宅勤務の増加で『サポーター』に腰痛対策特需
6位の『テーピング』や12位の『サポーター』は、外出だけでなく、部活などの運動も制限された影響で落ち込んだが、それらが一部戻ったことや、在宅勤務の増加による腰痛などへの需要などもあり伸びた。8位の『鼻炎治療剤』は昨年、外出自粛に加え花粉が少なかったことで2割近く減っていたが、今年は一昨年に近い売り上げに戻ってきた。
9位の『しわ取り剤』は、ウイルス除去の効果を訴求する新商品の寄与もあって増加。11位の『ビタミンB1剤』は、インバウンド需要の減少などで数字を落としていたが、オンライン業務で増えた腰や目などの疲労回復を訴求した効果などもあり伸長した。
これらのカテゴリーの月別の前年比では、昨年2月末に小中高の一斉休校が発表されるなど、感染拡大が進んだ3月から売り上げを落とし、その反動で今年3月に回復している。
コロナ禍で30~40代女性のストレス増加が顕著に
7位の『栄養バランス食品』は、昨年の1回目の緊急事態宣言時と比べて外出や出勤の動きが増えたことで、小腹満たしの需要も増えたと思われる。10位の『女性用保健薬』は、女性のストレス増加が背景にあると推察される。コロナ禍のストレスが30、40代を筆頭に、特に女性が多く感じていることは、自社の調査結果からも確認できるという。
14位の『ビール』(発泡酒・新ジャンルを含まない)は、昨年10月の酒税法改正により値下げが行われたことが追い風となり、特に糖質ゼロと健康に配慮した新商品が好調で前年比111%。15位の『ノンアルコール飲料』は、レモンチューハイなどの新商品が人気で、家飲みでも健康に配慮してアルコールの摂取を控える動きがあるようだ。
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