2022.09.12 コラム
【成功/失敗の事例付】ダイナミックプライシングとは?EC自動反映法/アルゴリズム/課題まで紹介
Q1.ダイナミックプライシングとは?
ダイナミックプライシングとは、需要と供給のバランスに合わせて、会社の売上を最大化できる最適な価格設定を探すマーケティング手法です。
一般的なマーケティングでは、需要や供給に合わせず、商品の仕入れ値や原価を基準に価格設定をします。
一方、ダイナミックプライシングでは、商品を販売する時期(消費者ニーズ)などに応じて価格設定を行うものです。
例えば、シーズンによって航空費やホテルの宿泊料金の変動が起こるのも、旅行会社などがダイナミックプライシングを活用している一例です。以前、JRが鉄道運賃体系にダイナミックプライシングの導入検討を開始するとし、話題になりましたね。
季節や社会情勢の影響を受ける旅行・ホテル業界は需要と供給の予測がしやすく、消費者ニーズに適した価格を設定できるため、ダイナミックプライシングの導入が進みました。
さらに、近年はIT技術の発達により、ダイナミックプライシングの導入が難しい業界でも積極的に取り入れられています。
特に電子データの活用が活発になり、Webサイトへのアクセス分析や行動分析を行うことで、比較的簡単に消費者のニーズを判断できるようになりました。
会社の売上を最大化できる価格設定が行えるため、多くの企業から注目を集めているダイナミックプライシングは、エンタテイメントやメーカーといった分野でも活用されていくと予想されています。
▽活用事例…エンタメ・旅行など
Q2.価格変動のアルゴリズムは?
ダイナミックプライシングによるアルゴリズムは、サービスによってさまざまです。
先ほど例にした航空サイトでは、搭乗日が近づくにつれて値段があがる仕組みでしたが、前述した夏フェスや講演会などチケット形式の場合は、開催日が近づくにつれて値段が下がる傾向があります。また、物販系では扇風機やストーブなど、シーズン商品にダイナミックプライシングのアルゴリズムを導入しているケースが多いでしょう。型番商品のECにおいては、「価格ドットコム」などのようなECモールなどで販売されている商品価格をシステムを使って網羅的に解析し最安値を常に自動更新する、という手法もあるようです。
そのほかにも、季節によって需要が高まる商品の値段を下げることで、ユーザーの購買意欲を高める方法があります。
長期休みやボーナスのタイミングに合わせて、キャンペーンを行うサイトも多いです。ただし、商品やサービスの性質によって効果の高いアルゴリズムが異なることに注意しましょう。
ダイナミックプライシングの導入はツールによって実現できます。
現在は多種多様なツールが提供されていますが、自社サービスに適したオリジナルツールを開発することがおすすめです。
例えば、「株式会社ダイナミックプライシングテクノロジー」では、ダイナミックプライシングに関するコンサルティングから、システム開発まで幅広く対応してくれます。
AI技術を活用したシステムにより、サービスの利用時期や利用ユーザーの割合・頻度など、さまざまな数値データから自動で需要と供給を割り出してくれる点は魅力的です。
実績も豊富で、「リラクゼーション」や「映画館」などのエンタテイメント分野だけでなく、「不動産」や「派遣会社」などのビジネス分野でも活用できるシステムを提供しています。
Q3.失敗しないための課題/失敗例は?
数多くのメリットがあるダイナミックプライシングですが、課題点もいくつかあります。
1つ目は、顧客離れの危険性がある点です。
ダイナミックプライシングの特徴として、需要と供給に合わせた価格設定を行います。
企業視点では、その時に適した価格設定をしていると考えますが、顧客視点ではタイミングによっては、以前よりも値上がりしたと感じてしまうことが考えられます。結果、サービスの利用を辞めてしまうケースも起こりえます。
たとえば、以前は1000円で利用できたサービスがいつの間にか2000円になっていたとします。旅行サイトなどでは、サイトの訪問回数によって価格を変動させるというプライシングを採用するものもあります。初回訪問時をもっとも割引率が高い設定とすると、ユーザーからすると再訪しただけ価格が上がっていきます。こうした仕組みを不快に感じたり、再訪する間に比較検討中の別サイトの方が安い結果になってしまうとCVできたものもできなくなる可能性もあります。
顧客からすると需要と供給の指標を意識することがないため、単純に値段が上がったと感じることがほとんどです。そのため、顧客に不信感を与えないような施策が必要になります。
2つ目は、ダイナミックプライシングのシステム導入に関する投資コストが高い点です。
ダイナミックプライシングは扱うサービスによって利用するアルゴリズムが異なるため、自社専用のシステムを開発する必要があります。
AI技術を活用する場合は、ディープラーニングに必要な情報収集や学習など時間がかかるため、実際の運用が遅れることが多いです。
導入から実際の運用までどのくらいの期間とコストがかかるのか把握し、どのようなスケジュールで進めるのか予め計画することが大切です。
ダイナミックプライシングの仕組み
想定 | 定価が100円のAが、6点売れる = 600円の売上 |
---|---|
DP | 80円に値下げする = 8点売れる = 640円の売上 |
結果 | 40円の売上増 |
想定 | 定価が100円のAが、2点売れる = 200円の売上 |
---|---|
DP | 60円に値下げする = 6点売れる = 360円の売上 |
結果 | 160円の売上増 |
想定 | 定価が100円のAが、14点売れる = 1400円の売上 |
---|---|
DP | 120円に値上げする = 12点売れる = 1440円の売上 |
結果 | 40円の売上増 |
合計240円の売上増
ECのダイナミックプライシングは自動化可
- ・ポイント
- ・送料
- ・配送速度
- ・ポイント類
- ・競合店数
- ・販売店数
調査業務を自動化し効率化できます。収集したデータを活用して、自社の価格が安すぎれば値上げ、高すぎれば値下げを自動で行い、適正価格の更新を毎日効率よく行うことが可能となるのです。
☆成功事例:自動値決めでモール売上3倍
- ・Amazonとヤフー店あわせて売上3倍に!(インテリア家具EC・A社)
- ・Amazon店の売上が2倍!(美容コスメEC・R社)
- ・価格自動更新で売上の伸びが半端ない(家電EC・N社)
- ・売上130%伸長。コスト削減もでき利益性も改善(DIY工具EC・A社)
ダイナミックプライシングについてまとめ
メリット・デメリットをまとめるとこのようになります。
メリット | ・売上を最大化できる
・自動値付けにより人件費が削減できる |
---|---|
デメリット | ・顧客離れの危険性がある
・システム導入に関する投資コストが高い |
メリット | ・時期によってお得に購入できる |
---|---|
デメリット | ・値段の変動が起こる |
プライシングに関するお役立ち資料
▽参考資料「プライスサーチ」
特徴1 | 安心して任せられるデータ精度の高さ |
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特徴2 | 運用しやすいツール設計 |
---|
特徴3 | 手厚い運用サポート |
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