楽天グループ(株)は、運営するポイントプログラム「楽天ポイント」の消費税処理を課税から不課税へ、進呈ルールについても、消費税をポイント進呈対象金額に含まない形へ変更すると発表した。実施は2022年4月1日を予定している。「楽天ポイント」はこれまで、クーポン券としての取引からスタートしている関係から、消費税対象のサービスとなっていたが、現状、通貨に消費税はかからず、他のポイントサービスも非課税になっていることから、新たに非課税化の対応を取った。
「楽天ポイント」が支払いツールとしても発展
「楽天ポイント」は、インターネット・ショッピングモール「楽天市場」で使えるポイントとして02年にサービスを開始。現在では、さまざまな楽天グループサービスや提携サービスで、貯めたり使ったりできるポイントへと進化している。「楽天経済圏」での共通販促ツールとしてだけでなく、支払いツールとしても発展してきた。一方で、消費税率の変更や軽減税率の導入により、事業者の消費税対応が煩雑化するとともに負担が増加している。
こうした状況を踏まえ、今後、楽天としてポイントが消費税の影響を受けない安定的なポイントプログラムとして利用できるよう、消費税制の変更にも柔軟に対応できる形へ変更することを決めた。国税庁は、ポイントの税務処理方法を整理する一環で、負担金を消費税の課税対象としない方法を提示していた。
ポイント原資分は課税対象外の仕入れに
「楽天ポイント」の不課税化により、同社と各取引先それぞれが負担するポイント原資分について、課税対象外仕入れ(不課税)として処理することになる。また、変更に伴い、取引先向けに発行する請求書・支払通知書の変更や、「楽天ポイント」の進呈・利用における取引先との精算に係る契約・規約などの変更を行う。
加盟店との契約で結ぶ「楽天ポイント」の多くは、加盟店が支払う負担金で賄われている。楽天は、国税当局の見解を踏まえ、負担金に消費税がかからない取引に変える。変更措置は加盟店側にとって、消費税の控除ができなくなり、負担が増える可能性がある。
ポイント進呈ルールの対象サービスは「楽天市場」「楽天トラベル」など18サービス
変更の影響については、取引先やユーザーへの案内を、各サービスの取引先向けサイトや「楽天ポイントクラブ」の特設サイト、メールなどで開始している。来年4月からの変更となるが、取引先やユーザーに十分な事前説明を行った上での実施となるよう、継続的にコミュニケーションを図っていきたいとしている。
ポイント進呈ルール(進呈対象金額)の変更対象となるサービスは、「楽天市場」「楽天トラベル」「Vacation STAY」「RAXY」「J-LEAGUE ONLINE STORE」「楽天マガジン」「楽天西友ネットスーパー」「楽天Car」「楽天ぐるなびデリバリー」「楽天ぐるなびテイクアウト」「楽天ビューティ」「楽天イーグルス」「楽天コレクション」「楽天チケット」「楽天モバイル(ドコモ回線・au回線)」「楽天シニア」「楽天エナジー(楽天でんき・楽天ガス)」「Rakuten Super English」。
楽天ユーザーにとっては、「楽天ポイント」は税込価格の〇〇%として換算されるため、ポイントの付与が消費税分低くなる。楽天は「非課税となるタイミングでは、何らかのキャンペーンを検討している」と話した。
■『楽天ポイントクラブ特設サイト』
https://point.rakuten.co.jp/doc/announcement/20211001/
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