後払い決済サービス「メルペイスマート払い」を運営する(株)メルペイが11日発表した『消費と支払手段に関する調査』のまとめによると、拡大する後払い決済サービス利用の背景には、「いま購入したい」という消費動向と、支払いをあとからコントロールする「フレキシブル消費」の存在がうかがえる結果となった。
後払い決済サービスの利用経験は31%、若年層ほど利用率が高い傾向に
コロナ禍によるEC化の伸長と、SNSやフリマサービスの利用拡大などで、消費行動にも変化が生じている。これに伴って支払手段も多様化しており、従来のクレジットカードなどに加え、国内外でBNPL(Buy Now, Pay Later)・後払い決済サービスと呼ばれる新しい支払手段の利用が広がっている。調査は9月25日~26日、全国の18~59歳男女800人に聞いた。後払い決済サービスとは、「メルペイスマート払い」「Paidy」「ZOZOツケ払い」などをいう。
それによると、後払い決済サービスの利用経験があるのは31.1%。特に若年層ほど利用率が高くなる傾向があり、20代35.6%、30代33.8%、40代30.0%、50代16.9%だった。利用者の平均月間利用金額は、直近半年間の3月~9月は「1万円まで」が9.0%減少、「1万円~3万円」「3万円~5万円」「5万円~10万円」は増加傾向にあった。また、サービス利用者のうち70.3%は、クレジットカードを保有していることも分かった。
欲しいモノやサービスは「SNS」で出会う率が20~30代で49%
20~30代の回答を抽出した消費と支払手段によると、モノ・サービス(3000円未満)の購入を決断するまでの時間について、54.4%が「30分以内」と答え、22.8%は「5分以内」。購入シーンでは、「自分が欲しいと感じる時」(67.2%)という考えが多くを占めた。「いち早く利用したい」(42.8%)、「時間が経つと欲しいものが購入できなくなるかも知れない」(40.5%)と、「いま購入したい」という時間軸を意識した回答が理由の上位になっていた。
欲しいモノやサービスとは「SNS」で出会うと答えた割合は、40~50代の21.6%に対して20~30代は49.4%だった。「SNS」「ECサイト」「ネット上のフリマ/オークション」で探す理由としては、「いつでも探すことができる」(60.2%)、「モノ・サービスの種類が豊富」(53.0%)という回答が上位で、オンライン上の情報が購買行動を喚起していることが明らかになった。
後払い決済を利用する理由1位が「支払いタイミングを調整できる」
支払手段の利用状況について。クレジットカードの利用に関しては、20~30代の後払い決済サービス利用者の49.5%が「ついお金を使いすぎてしまう」、24.3%が「利用金額を把握しにくい」と、支払いの管理に対する課題感が浮き彫りに。一方で、後払い決済サービスを利用する理由としては、60.9%が「支払うタイミングを調整できる」、34.8%が「利用金額を把握しやすい」、30.4%が「支払いの見通しを立てやすい」というメリットを挙げていた。
普段の家計管理で「家計簿やノートに記録している」「スマホアプリを利用している」など、収支を把握するための工夫を行っている割合は、後払い決済サービス利用者の71.4%。非利用者の55.0%に比べて高いことが分かった。このことから、家計管理意識の高い層が後払い決済サービスを利用していることが考えられる。
コロナ禍でZ世代の若者を分析した「若者たちのニューノーマル」(日経BP刊)の近著がある世代・トレンド評論家の牛窪恵さんは、「タムパ(タイムパフォーマンス・時間対効果)重視の若い世代は、『手数料=フレキシブル消費を可能にする必要コスト』と捉える傾向もある。また、アプリで管理できる後払い決済サービスの多くは、支払いのタイミングを選べる上、月々の収支をクレジットカードのサイトより素早く把握できる点も魅力のようだ」と分析している。
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