AI与信管理サービスを提供するアラームボックス(株)が16日発表した『インターネット上で悪評・クレーム多い上位10業種』の集計結果によると、通販事業の配送・梱包に関するクレームやコロナ対策への不満が多く、商品やサービスに関わる内容だけでなく、企業体質を原因とするクレームも多いことが明らかになった。
「通販事業」では配送や梱包に関するクレームが目立つ結果に
モニタリングしていた企業1万4123社を対象に、2021年にSNSなどのインターネット上で投稿された各企業に関連する口コミや評判から抽出した。業種別では、「通販事業」「コロナ対応」「不当な顧客体験」に関連する悪評やクレームが多く発生していた。
「通販事業」では、特に配送や梱包に関するクレームが目立った。通販関連での顧客体験の投稿が多く見られる一方、これらの情報を活用しきれず、適切な改善策を実施できていない企業は、継続的に同じ内容のクレームが発生していると考えられる。
「コロナ禍での企業対応」では、宿泊業と航空運送業で多かった。三密回避や消毒対策、キャンセル時の対応など、前代未聞の状況下でも、顧客対応を間違えるとクレームが集中する。即時性の高いネット情報を活用し、迅速な改善策を取ることが必要不可欠もいえる。
通販会社は多店舗展開で消費者との接点が多く、クレーム増加につながる傾向も
「商品やサービス、企業体質」に関わる悪評・クレームでは、無店舗小売業(通販事業)での過剰な広告出稿、賃貸保証業での悪質な取り立てや電話、単価の高い商材を扱う業態での押し売りなど、顧客に対する行き過ぎた行動に関わる内容が目立った。
上位10業種の1位は「無店舗小売業」(1社あたりの平均悪評・クレーム数は3.76件)~主に通販事業で、クレームが多かったのは総合通販を行う企業。取扱品目が多く、複数の店舗(楽天、Yahoo!ショッピング、Amazon、自社サイトなど)を運営していることが多く、消費者との接点も増えるため、クレームの増加に繋がる傾向が見てとれる。
また、美容品の通販でクレームが多かった企業は、過去に行政処分を受けている、過剰な広告に対して企業自身がアフィリエイターに勧告する事態になっているなど、商品以外での悪評が目立った。
脱毛サロンやエステサロンなど予約が取れないエステティック業もクレームに
2位は「補助的金融業」(3.63件)で賃貸保証、投資運用プラットフォーム提供、両替業など~多かったのは賃貸保証事業を営む会社で、一部の社員や企業の行動に集中していた/3位は「その他の小売業」(3.03件)で飲食、衣服、機械、百貨店、スーパーを除いた小売業~多くの小売業が通販事業にも進出しており、通販事業を手掛けている企業のほうが、店舗のみの販売をしている企業よりも、クレームが増える傾向にあった。
4位は「洗濯・理容・美容・浴場業」(2.80件)でサロン運営、クリーニング店、銭湯など~クレームが多いのは脱毛サロンやエステサロンなど、「予約が取れない」エステティック業だった/5位は「宿泊業」(2.77件)でホテル、旅館、学生寮など~三密の回避や消毒の不十分さなど、コロナ禍の対応に関連するクレームが多く発生していた。
6位は「航空運送業・水運業・鉄道業」(2.24件)で航空会社、クルーズ船、鉄道など~航空運送業でのコロナに関連するキャンセル事情にクレームが集中していた/7位は「銀行業」(2.23件)で都市銀行、地方銀行、ネットバンクなど~近年はネットバンクが台頭しているほか、各銀行でもデジタル化が進んでいることを背景として、アプリやネット上の手続きに関する機能面での悪評が散見された。
8位は「道路旅客運送業」でタクシー、ハイヤー、路線・貸切バスなど(2.19件)~タクシー会社で、個人の特定に繋がるクレームが特徴的だった/9位は「通信業」(2.05件)で携帯キャリア、ネット回線サービス、プロバイダ代理販売店など~「格安スマホ」の一部で、未だ安定したサービス提供に至っていない実態があった/10位は「不動産取引業」(2.01件)で不動産代理業・仲介業、建物売買業など~営業手法、住宅の質の悪さへのクレームが多かった。
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