2022.03.05 コラム
マーケティングオートメーション(MA)の意味を正しく理解していますか? CRM・SFAとの違いも解説!
マーケティングオートメーション(MA)はマーケティング活動を自動化することで効率よく利益を図る目的で導入されます。その機能や特徴について正しい知識を持ち、最適なツールを導入しましょう。本記事では導入のメリットや注意点について解説します。
マーケティングオートメーション(MA)とは
「マーケティングオートメーション(Marketing Automation)」とは、マーケティング分野において収集した膨大なデータ処理や管理などの定型的な作業を自動化し、人的コストを抑えて業務を効率化することを目的としたツールまたはソフトウェアのことです。従来マーケティングは「新規顧客の開拓」を目的として、さまざまな施策や分析を繰り返していました。マーケティングオートメーションを活用することで、顧客開拓の仕組化を図ることができるようになります。
マーケティングオートメーションの市場規模は年々増加傾向にあります。導入している企業や導入を検討している企業が増加しており、他のツールとの連携などの環境も以前より整ってきています。そのため、どのツールを導入するかの選択肢が増えると同時に、自社に最適なツール選びを行う必要性が高まっており、マーケティングオートメーションの活用に向けた正しい知識を、社内全体で身に付けておくことが重要となります。
マーケティングオートメーション主な機能
マーケティングオートメーションの主な機能について説明していきます。基本的に新規顧客を獲得するためには、見込み顧客の育成が重要となります。確度の低いユーザーを徐々に受注までつなげていく必要があり、マーケティングオートメーションにはその過程をフォローしていく機能が搭載されています。
主な機能は以下の5つに分類することができます。
・リードジェネレーション
・リード管理
・リードナーチャリング
・リードクオリフィケーション
・オートメーション(自動化)
◇リードジェネレーション
リードジェネレーションとは新規のリードを獲得するための機能です。自社製品のことを知らないユーザーの認知を獲得するための機能や、一度サイトを訪れるなどして、すでに認知されているユーザーにアプローチしてリードを獲得する機能があります。
SNSを活用して認知拡大を図ったり、サイトを訪れたユーザーに対してリターゲティング広告を配信したりするなどして、より多くのリード獲得を図ります。
◇リード管理
獲得したリードを管理する機能です。獲得したリードの情報をツール内のデータベースに登録し、必要に応じてセグメントをしたり、顧客を属性別に分類、また費用になったリードを削除したりするなどの機能があります。
リードフォームなどから獲得した情報を自動的にデータベースに登録することができるので、人の手によってデータを移行する手間を省くことができます。
◇リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、獲得したリードに対して様々な方法でアプローチしていく機能です。具体的にはDMや電話営業、リターゲティング広告やプッシュ通知などを活用して購買行動につなげていきます。
より効果的にリードナーチャリングを行うためには、顧客の属性や検討期間などの情報を把握し、最適なタイミングでのアプローチを図ることが大切です。
◇リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションとは、すべてのリードの中から成約に繋がる可能性の高いリードを抽出し、営業活動に活用するための機能です。マーケティングオートメーションツールにはユーザーの行動履歴や属性情報をもとに成約確度をスコアリングする機能が搭載されています。
営業をする際により確度の高いユーザーからアプローチすることができるため、営業効率を改善することが期待できます。
◇オートメーション
オートメーションとはマーケティングに関わる業務を自動化する機能です。決められたルールに従って、適切なタイミングと方法でユーザーにアプローチするためにデータを分析し、マーケティング業務を最適化していくことができます。
例えば「フォーム離脱から1週間以内のユーザーにDMを送信する」など、セグメント条件に合わせて、より効果的な施策を実施することが可能です。
MA導入のメリット
マーケティングオートメーションを導入するメリットはどのようなものがあるでしょうか。マーケティングオートメーションの機能を活用して得られるメリットについて解説します。
◎効率的な営業活動を可能にする
営業活動を効率よく行うためには、より確度の高いユーザーから順にアプローチすることが必要です。確度の高いユーザーにアプローチをすることで受注率を高めることができるでしょう。
マーケティングオートメーションを導入することで、それらの情報が可視化され、購入意欲によって顧客アプローチの優先度を決定することができます。"
◎過去の見込み顧客にアプローチできる
過去にアプローチして獲得できなかった見込み顧客へのアプローチを効率的に行うことができます。マーケティングオートメーションを活用して実施した施策により、メールなどを通じて取得した状況を可視化し、以前よりも購入意欲が高まっているユーザーを分析することが可能です。
見落としがちなユーザーの行動や傾向をマーケティングオートメーションで把握することで、見込み顧客の取りこぼしを防ぐことができるでしょう。
◎データ一元管理でマーケ効率改善
マーケティングに取り組む場合、複数のツールを活用することが多く、データがそれぞれに分散してしまいがちです。マーケティングオートメーションにより、それらのデータを一元管理することができ、マーケティング効率の改善が期待できます。
また複数のデータを紐づけることで、今まで見えていなかった情報が可視化されるため、新しい施策やターゲットの開拓につながることがあります。
CRMやSFAとの違い
マーケティングオートメーションについて調べていると「CRM」や「SFA」といった用語がよく見られます。いずれもマーケティングに関わる言葉となるため混同されがちですが、それぞれ異なる機能を持っているため、特徴や役割について把握しておきましょう。
・MA:リード(見込み顧客)の育成、選別のプロセス
・SFA:商談開始から購買・成約までのプロセス
・CRM:既存顧客との関係維持・向上のプロセス
□CRMとMAの違い
CRMとは、顧客情報を管理し、従業員やサービスとどのような接点があったのかを記録していくツールのことです。主に顧客の属性情報や対応履歴、顧客が購入した製品などが記録されていきます。
マーケティングオートメーションもCRMと同じように顧客情報を管理する機能がありますが、CRMは顧客情報の蓄積や管理を得意とするのに対し、マーケティングオートメーションは蓄積したデータを営業活動に活かしていくことを得意としています。
そのためCRMとマーケティングオートメーションは異なるメリットや特徴を持っており、それぞれの利点を上手く活用していくことが重要です。
□SFAとMAの違い
SFAとは営業活動のサポートを目的としたシステムのことを指します。CRMの一部と捉えられることもありますが、営業活動の記録・管理や顧客情報を管理することに特化しています。
マーケティングオートメーションと似たような機能を持ちますが、マーケティングオートメーションによって購入意欲を高めた見込み顧客に営業を行う際に、SFAに営業活動を記録しつつ、それらの営業活動をサポートする関係性にあります。そのため機能は似ていますが、活用するフローが異なるということを覚えておきましょう。
MA導入の流れ
マーケティングオートメーション導入に向けて、主に4つのフローが考えられます。以下のポイントについて解説していきます。
・現状の課題の把握
・導入ツールの選定
・設計とフローの構築
・他部署との連携
◆課題の洗い出し
現状の課題の洗い出しを最初に行います。そして課題解決のために何が必要なのかを考え、導入する最適なツールを選定していきましょう。
◆導入ツールの選定
導入ツールの選定は、自社の課題をより効果的に解決できるツールを選ぶ必要があります。他社が導入して成果を改善したからと言って、自社でも同じような効果があるとは限りません。また費用面もツールによって差がありますが、どのくらいの費用対効果が想定されるのかを事前にシミュレーションすることも大切です。
◆各種設計とフローの構築
導入ツールが決まったら、どのようにマーケティングオートメーションを活用していくのかを検討します。ターゲット(ペルソナ)の設計や提供するコンテンツ、アプローチに必要な素材などを作成し、マーケティング戦略を構築していきます。
◆他部署との連携
マーケティングオートメーションを活用した戦略や施策は、1つの部署だけで実施できないものが多いです。マーケティング事業部だけではなく、営業部や管理部などの従業員と細かく連携することでより高い効果を出すことができます。
他部署との連携により中長期的に質の高い効果検証を行うことができますので、各部署への情報共有は費用に大切になります。
MA導入前にしておくべきこと
マーケティングオートメーションを導入する前の注意点として、以下の内容を事前に確認しておきましょう。
①自社の現状と課題を明確にしておく
これまでの自社のマーケティングにおける現状や課題について明確にしておきましょう。
それぞれの過程においてどのような成果が出ていて、そのためにどのような施策に取り組んできたのかを洗い出し、改善すべきポイントやマーケティングオートメーションを導入することで役立てられる領域について分析しておくと、スムーズに導入後の施策に取り組むことができます。"
②自社リソースを確保しておく
マーケティングオートメーションの導入度に社内リソースが足りておらず、思ったような施策が実行できなかったというケースも少なくありません。そのため事前に社内リソースの確保と担当者のスキルなど、ツール導入後のタスクの振り分けを加味した現状把握が必要です。
③サポートについて把握しておく
導入するマーケティングオートメーションを運営している会社のサポート体制についても事前に調査しておくようにしましょう。導入後のトラブルなどが発生する可能性もあるため、どの範囲まで運営元がサポート対応してくれるかを把握しておくことはとても重要です。
中にはサポートを含むコンサルティング費用が発生するツールもあるため、事前に運営会社にヒアリングを行ったり、導入企業のレビューや口コミを調査したりしておくと良いです。
MAについてまとめ
マーケティングオートメーションを導入する際には、マーケティングオートメーションの機能やスペックを重視することも大切ですが、自社の課題分析やリソースの確保などの事前準備も重要となります。
なんとなく効果が出そう、といった理由で導入してしまうと思ったように使いこなすことができず、成果が出る前に解約となってしまうケースもあります。
マーケティングオートメーションは上手く活用することで企業の売上に大きく貢献しますので、ぜひ最適なツールを見つけ出し営業活動に役立ててください。"
MAに関連する資料
当サイト「通販通信ECMO」では、マーケティングオートメーションに関する資料を多数掲載しています。ぜひご確認ください。
MAに関連する記事
まずは情報収集から始めたいという方向けにマーケティングオートメーションに関する記事をまとめています。以下のリンクからご確認ください。
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