(株)富士経済が5月31日発表した『H・Bフーズの国内市場』のまとめによると、コロナ禍による健康意識の高まりなどで続伸。生活の変化でストレスを抱えた消費者の需要を取り込んで、大幅な伸長となり、2021年の市場は前年比3.4%増の2兆5507億円を見込んだ。
生活習慣病予防、免疫対策、ストレス緩和・睡眠サポートなどが伸長
H・Bフーズは、健康(Health)維持増進・回復目的や美容(Beauty)目的で飲食する食品で、何らかの効能・効果(機能性)を期待できる食品、および期待されるイメージをもつ食品。医薬品・医薬部外品扱いのものは非対象で、健康志向食品(明らか食品・ドリンク類)と機能志向食品(サプリメント)を対象とした。調査は21年12月~22年3月に実施した。
それによると、20年は前年から需要が大きく変化した訴求効能が多数みられた。外出自粛による肝機能改善や美容効果、喉の不快感除去、オーラルケアなどが大幅減となった一方、消費者の健康意識の高まりやコロナ太り対策などから整腸効果やスポーツサポート、生活習慣病予防、免疫対策、ストレス緩和・睡眠サポートなどが伸び、市場はほぼ横ばいとなった。
22年は5.6%増の2兆6057億円と予測
21年は、外出自粛がある程度緩和され、肝機能改善やオーラルケアなどで需要が若干回復しているほか、健康意識の高まり、コロナ太り対策需要は依然として高く、生活習慣病予防や栄養バランス、ストレス緩和・睡眠サポート、スポーツサポートなどは続伸するとみられ、市場は前年比3.4%増を見込んだ。併せて、22年は同5.6%増の2兆6057億円と予測した。
「生活習慣病予防」は、高齢者人口の増加に加え、糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病予防への意識の高まりなどから市場は拡大。20年はCVSや自販機のドリンク類が苦戦したが、健康意識の高まりやコロナ太り解消需要を取り込み、市場は拡大した。
21年は、「お~いお茶 濃い茶」(伊藤園)など脂肪対策訴求食品や、コレステロールや内臓脂肪、血圧、血糖など健康数値対策商品が好調となり、市場は続伸が予想される。21年は20年比7.0%増の4360億円、22年は同10.1%増の4487億円を見込んだ。
「ストレス緩和」は21年が82%増、22年は2.2倍の320億円の見込み
「ストレス緩和」は、GABAやテアニン、乳酸菌などを成分に含み、ストレスの緩和や低減を訴求した商品が対象。20年は「Yakult1000」(ヤクルト本社)が好調で市場は拡大。21年も「Yakult1000」の続伸や新商品投入もあり、市場は前年を上回る伸びになるとみられる。生活の変化でストレスを抱えた消費者の需要を取り込んでいる商品が多く、今後も市場拡大が期待される。21年は20年比82.0%増の273億円、22年は同2.2倍の320億円を見込んだ。
「睡眠サポート」はグリシンやテアニン、GABA、乳酸菌などを成分に含み、睡眠の質の向上・改善などを訴求した商品が対象。一般用医薬品とも競合し、食品領域における訴求の難しさが課題となっているが、睡眠に悩む消費者は増加しているため、今後も市場拡大が期待される。21年は20年と同様の134億円、22年は20年比4.5%増の140億円を予想した。
「ダイエット・ボディメイク」は、検査サービスでダイエットサポートアプリ「FiNC」(FiNC Technologies)が、パーソナルサプリメントでは「DHC ダイエッ ト対策キット対応型サプリ」(ディーエイチシー)が市場をけん引。20年~21年はサービスを終了する企業がみられたことなどから、市場はマイナスが続いたが、22年はパーソナルプロテインの好調により、市場は二桁増が予想される。21年は20年比5.9%減、22年は同11.8%増の19億円を見込んだ。
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