2022.11.02 コラム
コンプライアンス違反の事例まとめ!国内企業から海外企業の事例も
コンプライアンスとは法令遵守を表す言葉で社会的な規範にも従って企業活動を行うことです。コンプライアンスを違反をした企業は社会的な信用を失い、倒産に追い込まれる場合もあります。どのような違反事例があるのか知り、未然に防止するよう対策を立てましょう。(2022年7月初出/2022年11月改稿)
コンプライアンスとは?
コンプライアンスとは企業が法律や倫理に背かず順守することを指します。企業に対するコンプライアンスの問題は年々厳しくなっており、一度事件や事例となる出来事が生じると、企業イメージや株価が暴落し破綻に追い込まれるというケースもあります。
実際に起きたコンプライアンスの違反事例を参考に、企業の在り方や働き方などを見つめ直し、未然に防げるよう対策を立てましょう。
コンプライアンス違反事例
コンプライアンスの違反事例を従業員によるもの、国内企業、国外企業の事例に分けてご紹介します。
一例は下記となります。
- ・ハラスメント(セクハラ・パワハラなど)
- ・データ持ち出し
- ・不正受給
- ・虚偽報告
- ・出資法違反
- ・身体的・経済的被害の発生
国内事例(従業員)
▲ハラスメント
ハラスメントにはセクシャルハラスメント、パワーハラスメント、モラルハラスメントなどがあります。ハラスメントで心身に不調をきたし、職場に出勤できない、業務能力が低下する、他の従業員まで伝染し職場環境が健全じゃなくなる、最悪の場合は自殺にもつながるなどがあり、これはコンプライアンス違反の一つです。
人格を否定するような発言、暴言はパワハラです。また、仕事量を増やしたり押し付けるなどもパワハラに該当します。
受け取る側がどう感じるかでハラスメントになり得るので、日頃からハラスメント研修や相談窓口を設けることも対策として立てておきましょう。
▲データ持ち出し
営業情報や個人情報といった業務用のデータを、社外に持ち出すことはコンプライアンス違反です。
業務時間内にタスクをこなせずUSBにデータをコピーして自宅で作業する場合、インターネットを介して情報が流出する恐れがあります。
また、従業員がデータを持ち出し他の企業に漏えいすることもあります。
▲不正受給
偽った申告で不正受給するとコンプライアンス違反になります。助成金や補助金の不正受給や、診療報酬不正受給などあらゆるケースがあります。
事例として、株式会社「エヌ・ビー・ラボ」は埼玉県で経営していた訪問介護事業所で介護報酬を水増し請求していたことなどが発覚。介護保険施設の指定取り消しと、施設を全て他社に引き継ぎ負債約14億円を残して破産申立を行いました。
このようなコンプライアンス違反は最悪の場合詐欺罪となり懲役10年の刑罰を受けます。
その他にも熊本県の病院では8,000万円以上の診療報酬を不正受給していたことが発覚し不正受給分の返還処分になりました。
▲SNSでの不適切な投稿
現在、急速に増加しているのがSNSでの不適切な投稿によるコンプライアンス違反です。
SNS全盛の現在、SNS運用は欠かすことが出来ません。宣伝効果やイメージアップなどにも活用できるツールである一方で、たった1件のSNS投稿によって、企業のイメージ低下につながるケースも少なくありません。
例えば飲食店アルバイトによる不適切な画像が出回り、店舗が一時休業もしくは閉店に追い込まれる例がありました。しかし個人のSNSはもちろんのこと、企業自身のSNSアカウントの運用によっても問題に転じることも多くみられます。
そのため、企業におけるSNSポリシーの策定や、SNS研修などを行い、従業員ひとりひとりが高い意識を維持できるような環境づくり必要といえるでしょう。
国内事例(企業)
▲ライブドア(現在:(株)LDH)
2004年に起きた「ライブドア」の虚偽報告事件は、当時急激に成長している企業として注目を集めていた「ライブドア」が、9月期の決算時に3億円の経営赤字だったところを53億円経営黒字として粉飾決算をしました。
結果的に当時社長だった堀江貴文社長を含めて4人が逮捕。多くの一般投資家を欺きライブドア関連会社の株価は暴落し、日本経済に甚大な影響を与えました。
▲ベネッセコーポレーション
「ベネッセコーポレーション」は2014年に個人情報流出事件が発覚しました。会社の派遣従業員がデータを持ち出し売却し、ベネッセは大幅な赤字に転落しました。
個人情報の持ち出しはどの企業でも起こりうるケースで、メディアの持ち出し禁止やパソコンのウイルス感染対策などを日頃から徹底することが重要です。
▲ストライプインターナショナル
社長のセクハラ事件が発覚したのがアースミュージック&エコロジーでも知られる「ストライプインターナショナル」です。2020年に当時代表取締役社長兼CEOだった石川康晴氏が、複数の女性社員にセクハラを働き辞任しました。
▲ニュートンプレス
2017年、株式会社「ニュートンプレス」は出資法違反で問題となりました。
デジタル教材の開発で資金繰りが困難になり、金融機関ら債権者と協議するだけにとどまらず、雑誌の定期購読者らから違法に資金を募ったとして罪に問われました。
参照:東京商工リサーチ(https://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20170220_01.html)
▲電通
2015年に広告業界大手の「電通」で従業員の過労死自殺があり大きな話題となりました。月間所定時間外労働130時間という過酷な労働環境で従業員が過労自殺を図ったとされています。
大手企業だけにブランドイメージは大幅に下がり、「働き方改革」が進められている中で起きた不祥事として大々的に報道されました。計4人の従業員に対して違法残業をさせたとして、東京簡易裁判所は労働基準法違反という判決を下しました。
▲フーズ・フォーラス
飲食店で起きたコンプライアンス違反事例で挙げられるのは、株式会社「フーズフォーラス」による集団食中毒です。
焼肉チェーン「焼肉酒家えびす」でユッケを食べた顧客が、次々と体調不良を訴え集団食中毒として報道されました。原因となったのは「腸管出血性大腸菌O-157」です。
衛生管理がしっかり行われていなかったことや、使うべきでない部位を提供したことでこのような問題が発生しました。焼肉酒家えびすは結果的に倒産を免れることができない事態となりました。
海外企業事例
▲フォード
米国のモーター会社「フォードモーター」は裁判所から税関違反の判決を受け、300万ドルに加えて利息と未払いの義務で184,495ドルを支払いました。
価格が暫定的であり調整の対象であることを税関に通知しなかったこと、エンジニアリングの変更により値上げが必要であるとの情報を受け取った際、すぐに税関に通知しなかったことが問題となりました。
裁判所は税関に技術的変更を通知しなかったことは、合衆国法典第19編に基づく重大な不作為および義務違反であると判断。多額の罰金を払うことを命じました。
▲トレックレザー
「トレックレザー」社の事例は、会社のすべてのメンバーが税関コンプライアンスを順守しなければならないことを教えてくれます。
アメリカ合衆国税関・国境警備局(CBP)はトレックレザー社と社長に対し、実際に商品に支払われた価格に布地の費用を含めなかったことを指摘しました。
この事件は、トレックレザーとその社長であるシャダッドプリ氏が関与したもので、シャダッドプリ氏は記載事項を提出するCBPブローカーに虚偽の請求書を提出することに関与していました。
▲ドイツ銀行
金融機関は、個人や国民経済の経済的安全を維持するだけでなく、マネーロンダラー、テロリスト、麻薬の売人、その他の犯罪者を支援する取引をさせないようにさまざまなコンプライアンス要件の対象となります。
2017年英国の金融行動監視機構(FCA)は英国の金融システムを潜在的な金融犯罪にさらしたとして、ドイツ銀行に1億6,300万ポンドの罰金を科しました。
▲シティグループとゴールドマンサックス
米国の金融システムの崩壊を引き起こし、世界的な景気後退を引き起こしたサブプライム住宅ローン危機は、危機の中心にある不安定な金融商品を作成および販売した企業に対していくつかの重大な罰金をもたらしました。
その際シティグループは2億8500万ドルの罰金を支払い、ゴールドマンサックスは5億5000万ドルを支払いました。
コンプライアンス違反を防ぐために
コンプライアンスの違反にはあらゆるケースがあります。まずは事前に対策を講じることを徹底し、実際に違反してしまった場合の対処方法なども社内で共有しておきましょう。
もっとも重要なのは、コンプライアンス違反を防ぐためのツールを導入することです。社内での取り組みを考えてみましょう。
▽ツールでコンプラチェック
▽ツールでコンプラチェック
ツールでコンプライアンス遵守状況をチェックするという方法もあります。
また取引先が反社会勢力(反社)ではないか、なども大事なコンプライアンスチェックです。
そのほか、電話の際に社員が不適切な発言をしていないかもチェックすることもコンプライアンス遵守のための対策となります。参考ください。
コンプライアンスに関連する記事
まずは情報収集から始めたいという方向けにコンプライアンスに関する記事をまとめています。以下のリンクからご確認ください。
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