2022.07.03 コラム
【テンプレート付】カスタマージャーニーの作り方を再確認!
店舗からインターネット、SNSなどあらゆる経路で商品が購入できる中、顧客が商品購入に至るプロセスである「カスタマージャーニー」の設計が重要度を増しています。そこで今回はカスタマージャーニーの作り方について、テンプレートとともに解説します。
カスタマージャーニーとは?
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスの購入に至るプロセスを一連の旅に例えた概念のことです。
カスタマージャーニーは、企業が設定した顧客モデルである「ペルソナ」を参考に、顧客の行動パターンやニーズ、嗜好性などのデータと組み合わせて作成されます。
そして、カスタマージャーニーを可視化したものを「カスタマージャーニーマップ」と呼び、ペルソナの行動や感情、商品への接点などがマップ上に落とし込まれています。
このカスタマージャーニーマップが綿密に設定されていれば、より顧客の購買行動に寄り添ったマーケティングが可能です。
カスタマージャーニーマップは、顧客がどのような理由から商品やサービスを検討し、どういった行動で購入に至るかを時系列順に可視化したものと言えるでしょう。
カスタマージャーニーの作成メリット
ここでは、カスタマージャーニーを作成するメリットについて解説します。
・顧客視点に立った商品やサービスを提供できる
・顧客の購買行動を可視化できる
・社内の認識を統一できる
◎顧客視点に立った商品やサービス提供
カスタマージャーニーを作成することで、顧客が購入に至るまでの体験を可視化できるため、顧客視点での商品やサービスを提供がしやすくなります。
逆に顧客視点に立たない、なんとなくのマーケティング活動では期待した成果が出ないのはもちろん、顧客からの信頼も集めにくいでしょう。
例えば、ECサイトでの商品購入を考えた場合、自社のECサイトを立ち上げるだけでは不十分です。
ユーザーは、商品に関連するWEBサイトやSNS、WEB広告などさまざまな媒体で情報収集をしてからECサイトでの商品購入に至るため、こうしたユーザーの購買経路を俯瞰することで、ECサイトに盛り込むべき機能も見えてきます。
◎顧客の購買行動を可視化できる
カスタマージャーニーの作成は、顧客の購買行動を可視化でき、購買プロセスの詳細な理解に役立ってくれます。
カスタマージャーニーを作成しない場合、WEBサイトのログなどの細かいデータから購買プロセスを把握するしかありません。しかし、それでは断片的にしか把握できず、全体を通してどのような流れで顧客が行動するかを把握するのは非常に難しいでしょう。
カスタマージャーニーでは、ペルソナの行動や感情、商品への接点などを時系列で整理し、一連の体験として可視化できるため、顧客行動をより深く理解しやすく、問題点があれば改善もしやすくなります。
◎社内の認識を統一できる
カスタマージャーニーの作成は、顧客行動に関する社内認識の統一にも役立ってくれます。
カスタマージャーニーの作成では、マーケティング部門だけではなく、営業や開発部門など複数の部署が連携をして購買プロセスを明確にしていきます。
複数の部署でペルソナの体験を共有することで、ペルソナの購買行動に関する共通の認識を持てるようになり、部署をまたいで実行する必要のある施策の立案・実行がやりやすくなるでしょう。
また、社内認識を統一することで企業として一貫したメッセージを発信しやすく、ブランド力の向上にもつながります。
CJマップの作り方・手順を解説
ここでは、カスタマージャーニーマップの作り方・手順について解説します。
具体的には以下の流れで進めていきます。
1、ペルソナの設定
2、ゴールを設定する
3、顧客の行動情報を収集する
4、顧客行動のもととなる感情を洗い出す
5、マッピングする
1.ペルソナの設定
まずは、ペルソナの設定から始めます。
カスタマージャーニーではペルソナの購買行動を可視化することを目的としているため、ペルソナが設定されていないとカスタマージャーニーの作成自体が難しいでしょう。
ペルソナとは、企業が商品やサービスの販売対象とする顧客像のことで、年齢や性別、住所、職業など細かい条件を指定して設定します。
カスタマージャーニーではペルソナの具体的な購買プロセスを見ていく必要があるため、あまり広範囲のペルソナを定義しないよう注意しましょう。
2.ゴールを設定する
次にゴールの設定を行います。
ゴールの設定も非常に重要で、設定したゴールによりマップの形も大きく変わってくるためです。
例えば、「顧客の継続してリピートしてくれる状態とする」ことがゴールの場合、長期間にわたるカスタマージャーニーを描く必要があります。
もしくは、「キャンペーンによる会員登録」をゴールとした場合、1週間単位などの短期間のカスタマージャーニーを描く場合もあるでしょう。
このように、設定したゴールにより、カスタマージャーニーの期間や購買プロセスの数なども変わってくるため、何をゴールとするのかを明確にします。
3.顧客の行動情報を収集する
続いて、顧客の行動情報を収集します。
アンケート調査などの定量調査やインタビューなどの定性調査など、社内に存在するあらゆる顧客情報をピックアップします。
過去の商談の記録やカスタマーサポートの対応履歴などの情報もカスタマージャーニー作成の参考となるため、集められる情報はできる限り集めましょう。
そして、収集した情報をフェーズごとに整理しておくことで、マップの作成を効率的にできます。
4.顧客行動のもととなる感情を洗い出す
顧客情報を収集したら、顧客行動のもととなる感情も洗い出しましょう。
ポイントとしては、ポジティブな面だけでなくネガティブな面も洗い出していくことです。
こうした感情面を洗い出すことで、よりユーザーが共感しやすい価値を商品やサービスを通して提供するのに役立ちます。
5.マッピングする
最後に、収集した顧客情報や行動に伴う感情をマッピングしていきます。
集めた情報を時系列順に並べて記載し情報を整理しながら、一連の体験としてストーリー化していきましょう。
わかりやすくするためにも、図やイラストを適宜用いることをおすすめします。
CJマップ作成時のポイント
ここでは、カスタマージャーニーマップ作成時のポイントについて解説します。
・最初から作り込みすぎない
・データをもとに現実的なマップを作成する
・常に最新情報を取り入れアップデートする
◇最初から作り込みすぎない
カスタマージャーニーマップは、最初からあまり作り込みすぎないようにしましょう。
カスタマージャーニーマップは、一連の顧客体験を作り上げるのに多くの情報収集が必要で、作成に多くの手間や時間がかかります。
そのため、最初から完璧にマップを仕上げようとすると膨大な時間がかかって諦めてしまったり、途中の状況変化に対応できないなどの問題が発生してしまいます。
カスタマージャーニーマップを作る際は、まずはある程度の完成度で作り上げ、定期的にブラッシュアップさせていくのがおすすめです。
こうすることで、作成の初期段階で挫折してしまうリスクを避けられ、かつ市場の変化などにも柔軟に対応しやすいでしょう。
◇データをもとに現実的なマップを作成
マップ作成の際は、データをもとに現実的なマップを作成した方が良いでしょう。
なぜかというと、作成者の主観的な目線が入ってしまうことで、顧客目線に立ちづらい上に、「こうなったらいいな」という願望も反映されてしまい、事実からかけ離れたマップになってしまいやすいからです。
カスタマージャーニーはマーケティング活動での活用を目的とする場合が多く、事実と離れたマップの場合、利用価値も半減してしまいます。
あくまで客観的な調査データに基づき、事実ベースでマッピングしていくことが大切です。
◇常に最新情報を取り入れアップデート
マップでは常に最新情報を取り入れてアップデートしておきましょう。
市場環境などは常に変化しているため、顧客行動も同じく変化し続けており、マップを最新のものにしていなければ現実と離れたものとなってしまいます。
そうなると、マップの利用価値がなくなってしまい、マーケティング活動が誤った方向に向かう可能性もあるのです。
半年や1年といったペース、もしくは大きなキャンペーンなどイベントがある際にカスタマージャーニーマップを定期的に見直した方が良いでしょう。
おすすめCJマップのテンプレートを紹介
最後に、おすすめのカスタマージャーニーマップのテンプレートを紹介します。
■15VISION
「15VISION」は石川県にある会社で、さまざまなデザインツールを提供している会社です。
カスタマージャーニーマップのテンプレートも作成しており、見やすいシンプルなデザインのテンプレートとなっています。
ペルソナの設定欄も設けられているため、使いやすさに優れたマップです。
■bizocean
「bizocean」は、さまざまなビジネスシーンで活用できるテンプレートを提供しているサイトです。
カスタマージャーニーマップのテンプレートも提供しており、マップ内に記入できる項目が比較的多めに設定されています。
カスタマージャーニーマップ以外にもさまざまな種類のテンプレートを作成しているので、ビジネス上の書類作成には重宝するサイトと言えるでしょう。
「bizocean」:https://www.bizocean.jp/doc/detail/533307/
まとめ
カスタマージャーニーは、一連の購買プロセスを把握し、マーケティング活動を効率化させるのに欠かせないものです。
カスタマージャーニー作成には非常に多くの情報が必要となるため、最初から作り込みすぎずに、常にブラッシュアップして完成度を高めていくのが効率的です。
今回の内容を参考に、自社の目的に合ったカスタマージャーニーを作成し、マーケティング活動の効率化を図りましょう。
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