2022.07.31 コラム
ブランド戦略とは?ブランディングとの違いやフレームワークも紹介!
ブランドを消費者に認知・共感してもらい、独自の価値提供で競合と差別化するにはブランド戦略が重要です。今回はブランド戦略についてブランディングとの違いやフレームワークも含めて紹介します。ブランド戦略を自社に取り入れたい方はぜひ参考にしてください。
ブランド戦略とは?
ブランド戦略とは、ブランドを消費者に広く認知してもらいブランド価値を高める戦略を指します。
具体的には消費者に自社の商品やサービスに対して共通のイメージを持ってもらえるような施策を立案するのがブランド戦略の内容です。
ブランド戦略を正しく行えれば認知度の向上など多くのメリットがありますが、逆に誤ったブランド戦略は本来の意図とは違う形で自社イメージが浸透する可能性があります。
そのため正しいブランド戦略を行えるよう適切な手順で戦略立案に取り組むことが重要です。
ブランディングとはどう違う?
ブランド戦略と似た言葉に「ブランディング」があります。ブランディングとは消費者に企業や商品の共通イメージを認識させる活動のことです。
ブランド戦略は活動方針を決めることであるため、
「ブランド戦略=方針」
「ブランディング=実際の活動」
という違いがあります。
ブランド戦略を立てるメリット
ここではブランド戦略を立てるメリットについて以下4点を解説します。
・認知度の向上
・ビジネスの拡大がしやすい
・価格競争になりにくい
・コスト削減につながる
メリットをしっかりと把握した上でブランド戦略の立案に取り組みましょう。
◎認知度の向上
ブランド戦略を立てて実行することで、自社の商品やサービスの認知度向上が図れます。
消費者からの認知度が向上することで商品やサービスの売上向上も期待できるでしょう。
例えばSNSで商品やサービスに関する投稿を頻繁に目にすれば、無意識に興味を持ち商品やサービスに対する信頼感も上がります。
ブランド戦略を実行することで消費者との接触回数が増え、消費者の警戒心を取り除き行為を抱かせること(単純接触効果)ができ、結果として売り上げのアップにつながるのです。
◎ビジネスの拡大がしやすい
ビジネス拡大がしやすいのもブランド戦略のメリットです。
ブランドが確立することで企業自体への信頼度が高くなり、新しい製品や新規事業でもブランドへの信頼を活用し顧客獲得が見込めます。
ブランド戦略により結果として事業機械の拡大につながり、さらなる企業成長が見込めるでしょう。
◎価格競争になりにくい
ブランド戦略が成功すれば価格競争を避けられます。
ブランド戦略によるブランディングが浸透すれば消費者のブランドに対する思い入れが強くなり、自社の商品やサービス他の競合と比較されることなく購入してもらえるでしょう。
競合商品やサービスと比較されずに購入されるため、価格競争にも巻き込まれにくく高い価格を維持できます。
またブランドのファンを生み出せるため、高いリピート率が期待でき安定した売上の確保につながるのも大きなメリットです。
◎コスト削減につながる
ブランド戦略はコスト削減にもつながります。
ブランド戦略が成功すれば自社製品やサービスのファンが生まれ安定した売上が確保できます。既存顧客からのリピートで売上が上がり、新規顧客獲得にかかる広告宣伝費などの削減が可能です。
さらにブランドの信頼度も向上するため、資金調達のコストも削減できるでしょう。ブランドの信頼度が向上すれば、金融機関等も安定した経営状況であると判断されやすく融資を受けられる確率が高くなるからです。
このようにブランド戦略は長期的なコストを下げる効果があります。
ブランド戦略を立てる手順
ここではブランド戦略を立てる手順を紹介します。
・目的・目標の明確化
・自社ブランドのターゲットを選定
・ターゲットに提供する価値を決める
・ブランドコンセプトの設定
・ブランドをPRする
ブランド戦略を立てる際は上記手順を参考にしましょう。
▽目的・目標の明確化
まずは始めにブランド戦略の目的・目標を明確にします。ブランド戦略は長期間実施されるもので、社内で目的・目標を共有できているかどうかが成功のポイントです。
目的・目標設定のためには自社の課題を把握する必要があります。経営陣はもちろん、従業員や取引先などへアンケートやヒアリングすることも有効です。課題把握の精度を高めるには、外部の専門機関に依頼するのも良いでしょう。
▽自社ブランドのターゲットを選定
続いて自社ブランドのターゲットを選定します。ターゲット選定には自社の課題と強みを把握することで、どのような消費者に貢献できるかが明確になるでしょう。
自社ブランドのターゲットをペルソナとして細かく条件設定すれば、選定すべきターゲットが明確になるだけでなく社内での共通認識も持ちやすくなります。
▽ターゲットに提供する価値を決める
ターゲット選定を終えたら、ターゲットに提供する価値を決めます。商品やサービスが長期的に支持されるには、ユーザーに価値を提供し続けることが大切です。
ターゲットが抱える課題に対して、どのような価値を提供すれば課題解決につながるかを把握し、商品やサービスが貢献できる部分を明確にしましょう。
提供する価値を決める場合は、自社の経営理念やビジョンに沿うようにすることも大切です。
▽ブランドコンセプトの設定
続いてブランドコンセプトの設定を行います。
ブランドコンセプトとは、ブランドイメージやブランドが達成すべきこと、顧客に提供する価値などを1つの世界観として表したものです。商品の機能だけでブランドコンセプトを設定すると顧客からの共感が得られないため、ブランドの存在理由やストーリー性をコンセプトに含めて設定することが鍵となるでしょう。
これらを踏まえ、顧客の共感を得られるブランドコンセプトを設定します。
ブランドをPRする
ブランドコンセプトが決まればいよいよブランドをPRします。
どのような手段がブランドPRを最大化できるか考えましょう。PR手法としてSNSや広告、イベント活動など多くの種類がありますが、ターゲットがよく利用する媒体やサービスにアプローチすることで効果的にブランドPRできます。
ブランドイメージやターゲットにマッチした媒体・ツールでPRするだけでなく、言葉遣いなど適切なトーンやマナーで表現することも重要です。
ブランド戦略に役立つフレームワーク
ここではブランド戦略に役立つフレームワークを紹介します。
・PEST分析
・3C分析
・SWOT分析
☆PEST分析
PEST分析とは、政治・経済・社会・技術などの外部環境が自社に与える影響を把握し予測する手法で、経営・マーケティング戦略の立案によく使用されるフレームワークです。
こうした外部環境は売上や利益に直結しないケースが多いため疎かにされがちですが、分析を怠ると時代の変化に対応できず企業の存続が難しくなる場合もあります。
PEST分析では以下4つの環境変化や影響の把握・予測を行います。
・政治(Politics):法律改正、政府の動向など
・経済(Economic):景気、インフレ・デフレなど
・社会(Society):人口推移や教育・文化など
・技術(Technology):技術革新、特許など"
☆3C分析
3C分析とは、自社(Company)・競合(Competitor)・顧客(Customer)の3要素を分析し、それぞれの強みや弱みを明確にして成功要因を把握する手法のこと。
具体的には以下の項目を明確にします。
・自社(Company):企業理念・ビジョン、ビジネスの強み・弱みなど
・競合(Competitor):競合他社のシェア・特徴・ポジション、競合他社の動向など
・顧客(Customer):顧客ニーズ、顧客行動など
☆SWOT分析
SWOT分析とは、自社の強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4要素を分析し、自社の強みの活かし方や改善点を把握する手法のことです。
外部環境(機会、脅威)と内部環境(強み、弱み)の双方を1つのフレームワークで分析でき、客観的に全体の状況を捉えられます。
また3C分析やPEST分析と組み合わせることで、より具体的な情報をもとにした分析も可能です。
ブランド戦略における重要な考え方
ブランド戦略では適切な戦略を立案し効果的な手法を用いてブランドPRを進めることが重要です。
しかし、上記以外にもどのような考え方でブランド戦略を実行するかも重要となるでしょう。 ベストセラー作家であるサイモン・シネックがTEDカンファレンスにおいて「Start with why」という講義を行なっていますが、成功するリーダーや組織は以下の考えを持つと話しています。
「多くの人々はWhat(何を)→How(どのように)→Why(なぜ)の順番で考え行動するが、成功するリーダーや組織はWhy(なぜ)→How(どのように)→What(何を)の順番で考える」
【参考】TED「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」
多くの企業は商品の機能などWhat(何を)を全面にPRしますが、消費者は「なぜこの商品を作ったのか」というWhyに心を動かされブランドのファンとなっていきます。
そのためブランド戦略ではブランドのストーリーを最初に消費者に伝え、最後に商品が提供できる価値を伝えることがファンを増やす上で重要です。
ブランド戦略でもWhy(なぜ)→How(どのように)→What(何を)の順番を意識し施策を実行したほうが良いでしょう。
まとめ
ブランド戦略は認知度の向上や価格競争を避けられるなど多くのメリットがあります。
ただし、正しくブランド戦略を構築しないと誤ったブランドイメージが消費者に伝わってしまい、企業の売上や利益の向上に貢献できません。自社内で明確なビジョンと計画を持ったうえで施策を進めていきましょう。
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