2022.09.01 通販会社
チャットボット8つの効果とは?CVRアップにつながった施策も紹介
人工知能の進化やAIの自然言語処理能力が向上したことにより、年々注目が高まるチャットボット。導入することでどれだけの効果が得られるかご存じでしょうか?
現在では多くの企業が導入をし、マーケティングには欠かせないツールとなっているチャットボット。本記事ではチャットボットを導入することで得られる効果、CVR改善につながった実際の施策など、チャットボット導入を検討するWebサイト運営者にとって最も気になる部分を専門家の監修のもと詳しく解説していきます。
下記資料ではチャットボットでCVRをアップした成功事例を紹介しています。是非参考にしてみて下さい。
チャットボットとは
「チャットボット(Chatbot)とは「チャット」と「ボット」を掛け合わせた言葉で、テキストや音声によって自動的に会話を行なうプログラムのことを指します。
人工知能・AIの自然言語処理能力が向上したことにより、webサービスにおいても様々なシーンでチャットボットが導入されています。
例えば、「お申込みはこちらです」「質問はありませんか?」など、web上での仮想スタッフとして商品説明や顧客への案内が可能になる点がチャットボット活用のメリットです。
一方通行で冷たいイメージのあるwebサービスですが、チャットボットはお客様とコンシェルジェのように、ユーザーと企業との関係性を強化するコミュニケーションツールとして、その活用が期待されています。
チャットボットの種類
チャットボットは、ユーザーからのお問い合わせに対し、過去の質問記録をAIが解析し答えてくれる仕組みのもの。また、いくつかのアクションの選択肢を挙げてユーザーに答えてもらう仕組みのもの。さらにこれらを両方足した仕組みのものなどがあります。
チャットボットは大きく分けて2種類が存在し、AI解析によって最適な回答をユーザーに返すタイプを「AI型」、選択肢を挙げて答えてもらうタイプを「シナリオ型」と呼んでいます。
AI型
AI型は、事前入力されてある回答データや、ユーザーの利用から蓄積されたデータをAIが解析し、その問い合わせに対し、最適な回答が表示もしくは音声での説明がされるタイプのチャットボットです。
例として、美容院の予約代行サービスなどにおいて、ユーザーが希望する美容院や日時を入力すると、チャットボットが空き状況を確認し、結果を瞬時にチャットで教えてくれます。
テキストタイプもありますが、音声の場合は自然な会話が可能なため、普段、人と人とが話す会話に近いコミュニケーションを実現できます。また、AI型は学習経験が蓄積されるため、時間経過とともに幅広いジャンルの質問にも対応できるようになります。
シナリオ型
シナリオ型は、トークスクリプトのように事前に用意しておいたシナリオに沿って、ユーザーに対して数種類の選択肢を提示し、得たい情報を選択してもらうタイプのチャットボットを指します。
例えば、ユーザーからの問い合わせに対し、「FAQ」が記載されているページに誘導するなど、これまで人力で行なっていたカスタマーサポート業務を代わりに行なうといった目的で使われることが多いです。
また、ECサイトにおいて、商品の返品方法や定期購入方法など、よくある定型的な質問に対して代行回答させることもできます。
シナリオ型のチャットボットの場合、ユーザーからの問い合わせを複数予測して、事前に回答を作成しておく必要があります。
チャットボット導入で得られる8つの効果とは
インターネットの普及に伴い、現在では様々なwebサービスやECサイトが存在していますが、各々のニーズにあわせて、チャットボットの導入も多くの企業で実現されています。
「自社でもチャットボットを導入したいけど、本当に効果があるのだろうか?」
そう考えている方も少なくないことでしょう。ここでは、チャットボット導入で得られる8つの効果について、具体的に解説します。
- 業務効率化ができる
- 24時間365日の問い合わせ対応が可能に
- データ活用によるサービスの質向上
- 問い合わせ対応の効率化
- 人的コストの削減
- 顧客満足度の向上
- サイトの離脱率を下げられる
- 売上アップにつながる
業務効率化ができる
これまでは、ユーザーからの質問や問い合わせに対し、カスタマーサポート職のスタッフが対人対応するか、「よくある質問」「FAQ」としてあらかじめ予測された質問に対しての答えを準備し、web上などで記載して対応を行なう必要がありました。
しかし、チャットボットは頻度の高い質問や問い合わせに対し自動応答してくれるため、対人対応の必要がなくなります。
つまり、カスタマーサポート業務の一部が軽減されるので、これまで手薄だった業務や他の業務に人や時間を割くことができるので、業務効率化が期待できます。
また、社内用の問い合わせとしても導入できるので、問い合わせ時間が減り、質問者の業務効率化も図ることができます。そのため、チャットボット導入は全社的な業務効率化をもたらせてくれます。
24時間365日の問い合わせ対応が可能に
チャットボットを導入することにより、24時間365日、いつでもユーザーからの問い合わせに対応が可能になります。
従来のカスタマーサポートでは、夜間や休日などスタッフを配置することが難しい時間帯もありました。
しかし、スタッフがいないときでもチャットボットが自動的にユーザー対応してくれるので、疑問や不安も解消されることで顧客満足度向上も期待できます。
人件費を増やすことなく効果的な対応ができるというのは、チャットボットの大きな魅力といえるでしょう。
なかでも、ECサイトの場合、ユーザーは自分がゆっくりと落ち着いて閲覧できる夜間や休日にアクセスが集中するため、自動回答してくれるチャットボットを設置しておくことは業績向上につながる可能性が高くなります。
データ活用によるサービスの質向上
ユーザーからの問い合わせに対し、どのような問い合わせにどう答えたかをチャットボットはデータとして自動蓄積してくれます。そして、蓄積されたデータをもとに、ユーザーは自社や商品・サービスに対し、どのような不満や要望、疑問があるのかを分析し、改善策を講じることも可能になります。
カスタマーサポートスタッフによる人力で、電話やメールの問い合わせをデータ化することも可能ですが、時間と労力がかかり、要点のみの蓄積で精一杯となってしまうため、ユーザーの真のニーズ&ウォンツを分析できないこともあります。
チャットボットを導入することにより、ユーザーニーズの把握、商品やサービスの改善のためのビッグデータを得やすくなります。
問い合わせ対応の効率化
チャットボットを導入することにより、1日に何度も寄せられる定型的な問い合わせに自動的な回答が可能になります。
そのため、問い合わせに対応するスタッフ数が減るので人件費を抑えられ、新たな人材雇用などの必要もなくなります。
問い合わせ対応業務をチャットボットに任せられることによって、これまでできなかった他の業務や新たな業務にも時間を割くことが可能になります。
また、定型的な問い合わせであっても、これまでその回答は対応する担当者によってバラつきが生じていました。しかし、チャットボットであれば、あらかじめ質問と回答を登録しておけるので、問い合わせに対する回答を統一することもできます。
人的コストの削減
ユーザーからの問い合わせに対しスタッフが対応した場合、同じ質問であっても対応する担当者によって回答内容や対応時間が異なります。そのため、対応に大きな個人差や問題があると、ユーザーとのトラブルに発展してしまう恐れもあります。
定型的な質問と回答に関してはチャットボットで対応し、特殊な問い合わせに関してはスタッフが対応することで、不要な負担を減らしながら、チャットボットでは対応できないことにしっかり応えられるため効率が上がります。
業務効率化が向上すれば他の業務を進めることもでき、労働生産性もアップしながら残業時間を減らすことができます。そのため、人的コストの削減につなげることも可能です。
顧客満足度の向上
「カスタマーサポートに電話したけど、電話がなかなかつながらなかった」「ECサイトで問い合わせしたけど、回答に数日間待たされてしまった」など、電話やメールの問い合わせでかかっていた待ち時間を削減できることも、チャットボット導入の大きな魅力です。
Web上におけるコミュニケーションツールは、リアルタイムで瞬時に相手と会話ができるため、「何分も待たされる」「何日も待たされる」など、コミュニケーションのスピードが遅いとそれだけで顧客満足度が低下してしまう可能性があります。
チャットボットが設けられていれば、スピード感もあり瞬時に欲しい回答が得られるため、待ち時間がなくなり、顧客満足度も向上します。
サイトの離脱率を下げられる
WebサービスやECサイトでは特に、ユーザーは疑問や不安をすぐに解決できないと、離脱してしまう可能性が上がります。
しかし、チャットボットが導入されていれば、ユーザーにすぐに回答できるため離脱率を下げるうえでも効果的です。そればかりでなく、ユーザーの購入行動といった機会損失も回避できるため、商品受注やサービスの申込みといった、売上に直結するアクションにもつなげてもらいやすくなります。
チャットボットはまるでコンシェルジェのように顧客対応をしてくれるため、問い合わせ対応から商品受注や資料請求につながるシナリオを作成することで、コンバージョン率の改善も図ることができます。
売上アップにつながる
ここまで解説してきたように、チャットボットはこれまでのスタッフ対応では難しかった、夜間や休日でもユーザーの要求に休みなく応じることができるため、販売機会の損失を回避することが可能になります。
また、チャットボットは、最初は気軽なユーザーからの問い合わせであったとしても、次の購買行動へとつなげるシナリオを構築することで接客員のような働きをしてくれるため、途中離脱を阻止しながら、最終的に売上アップにつなげることが可能になります。
また、チャットボットは瞬時に的確な回答を行なうことで、ユーザーの顧客満足度も上がることからリピート客増加も期待できるので、ライフタイムバリュー(LTV)の向上にも貢献してくれるでしょう。
下記資料ではチャットボットでCVRをアップした成功事例を紹介しています。是非参考にしてみて下さい。
チャットボット導入で気を付けるポイント
チャット導入には、ここまで見てきたように「業務効率化の向上」「24時間365日の問い合わせ対応が可能」「応対品質の向上」「人的コストの削減」「顧客満足度の向上」「サイト離脱率の阻止」「売上アップ」などのメリットがあります。
しかし、導入する際には、予想していた効果が出ないといった失敗を回避できるよう、おさえなければならない注意点がいくつかあります。具体的に見ていくことにしましょう。
全てを自動化できるわけではない
チャットボットは、ユーザーからのいかなる質問に対しても、AIの自然言語処理で対応できると思われがちですが、全てを自動化できるわけではありません。
複雑で思考や返答が多岐に渡るような質問や、要点がいくつあるような長い文章には、的確に答えられないケースもあります。
特に前述の「シナリオ型」チャットボットでは、事前に予想される質問や回答を登録しておく必要がありますが、予測から外れた質問が寄せられた場合、チャットボットは自動で答えられないのです。
このような場合は、チャットボットが定型的な質問に対応しながら、難解な質問は有人対応しなければいけません。つまり、チャットボットでの対応と、有人対応が望まれるものとを区分しながら、利用する必要があるのです。
複数の質問を同時に対応できない
チャットボットは、事前入力された質問など、単一の質問には答えられますが、複数の質問を同時に答えることはできません。
ユーザーは一つずつ質問を選びながら、その質問が解決したらまた別の質問といったように、順を追って質問をしていく必要があります。
例えば、アパレルのECサイト内で「商品の色柄」「サイズ」「返品方法」など複数について質問したい場合でも、同時に質問ができないため、一つ一つ順番に質問をしていかなければなりません。
そのため、ユーザーが一度に多くの質問を持っている場合は、会話していくのが不便で苦痛に感じるかもしれません。このような場合は、カスタマーサポートによる有人対応の方が、顧客満足度が高まることもあります。
導入までに時間がかかる
チャットボットを導入するまでには、初期設定の登録や自社サイトに求められるカスタマイズを進めなければなりません。
例えば、「AI型」の場合はよくある質問と回答などを、事前に登録する必要があります。また、「シナリオ型」の場合は、トークスクリプトのような、あらかじめ予想される質問や回答、展開などを設計しておく必要があります。
このような準備には、時間や労力、担当するスタッフの確保が条件となりますが、チャットボット導入をスムーズに進めるためには、準備期間やコスト、人員配置などを考えながら、スケジューリングすることが大切になります。
チャットボットは様々なメーカーから複数リリースされていますが、初めて導入する場合はサポート体制が整ったものを選ぶようにしましょう。
チャットボットツールを有効活用するには
ここまで見てきたように、チャットボットは全てを自動化できず、複数の質問を同時に対応できず、導入までに時間がかかるといった注意すべきポイントがあります。
導入してから「こんなはずではなかった」と思わないためにも、有効活用する必要があります。では、チャットボットツールを有効に活用するためには、何を行なえばよいのでしょうか?
具体的に見ていくことにしましょう。
様々な回答パターンを設定する
チャットボットは事前に、様々な質問と回答パターンを登録しておくことが有効活用のカギとなります。
例えば、カスタマーサポートには、これまでユーザーからどのような質問や要望が寄せられ、それぞれどのように答えて対応していたかを洗い出してみましょう。
また、メールなどのテキストツールなども同様に、これまでの質問に対する答えをまとめ、パターン分類することが重要になります。
さらに、家族や知人、友人などに、自社のECサイトやwebサービスに実際に触れてもらい、具体的に何が不透明で、何に不安を感じるかなどをヒアリングしてまとめるのも有効な手段といえます。
チャットボットは様々な質問や回答パターンがあった方が学習するため、データをできるだけ多く登録し準備しておきましょう。
必要に応じて有人対応も検討する
前述の通り、チャットボットはすべての質問に対し、自動化して対応できるわけではありません。複雑な質問や複数の質問を同時には答えられないのです。
順を追って対応せざるを得ないチャットボットに、かえって不満を感じてしまうユーザーも現れるかもしれません。
これでは「顧客満足度の向上」や「売上アップ」にはつながらないため、途中で対人による担当スタッフの対応が必要になります。
基本となる質問やよくある質問にはチャットボットで対応し、予測から外れた質問や多岐に渡る要望などは、担当スタッフが丁寧に親身になって対応した方が、ユーザーからの信頼度もアップします。
チャットボットツールを比較検討している方へ
チャットボットツールは様々な会社から、機能や価格が異なるものが多数リリースされています。
もちろん、コストを考え安く抑えることは重要ですが、自社のニーズに適さないものを導入しても意味がありません。
また、価格が高い方が安心できると、単に機能の多いチャットボットを導入しても、有効活用することが難しくなります。
チャットボットを比較検討する場合はまず、自社の導入目的を明確化しましょう。
参考記事:なぜチャットボット導入に失敗するのか?事例からみる傾向と対策【カオスマップ付き】
下記資料ではチャットボットでCVRをアップした成功事例を紹介しています。是非参考にしてみて下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。チャットボットは「チャット」と「ボット」を掛け合わせた言葉で、テキストや音声によって自動的に会話を行なうプログラムのことです。
チャットボットは大きく分けて2種類が存在し、AI解析によって最適な回答をユーザーに返す「AI型」、選択肢を挙げて答えてもらう「シナリオ型」があります。
チャットボット導入で得られる効果は主に下記の通りです。
- 業務効率化ができる
- 24時間365日の問い合わせ対応が可能になる
- データ活用によるサービスの質向上
- 問い合わせ対応の効率化
- 人的コストの削減
- 顧客満足度の向上
- サイトの離脱率を下げられる
- 売上アップにつながる
一方で、チャットボット導入時に知っておくべきこともあります。
- 全てを自動化できるわけではない
- 複数の質問を同時に対応できない
- 導入まで時間がかかる
こうした注意点を意識し、有効活用するためには、下記のような作業が必要です。
- 様々な回答パターンを設定する
- 必要に応じて有人対応も検討する
チャットボットツールには様々な種類があります。導入後に「思ったよりも効果が出ていない」といったことが起こらないためにも、検討の際はまず自社の導入目的を明確化することから始めてみましょう。
監修者:De-STANDARD株式会社 代表取締役CEO 吉田雄亮
滋賀県大津市出身。ファッション雑誌の広告営業主任を経て、Web制作会社で制作ディレクター・営業部長を経験。東証一部上場の大手デジタルマーケティング会社では、アカウントエグゼクティブ課長として、主に健康食品メーカーなどのWebプロモーション・制作・運用・システム案件に携わる。EC業界に特化すべく、売れるネット広告社に入社。コンサルティング部責任者・取締役COOとして、未整備な部分の多いベンチャー組織の体制整備や、並びにクライアントへの提供価値最大化を目指した仕組み作りなど多岐に渡る領域のマネジメントに従事。ECのスペシャリストから通販のジェネラリストを目指すべく、ジェイフロンティアに入社。商品開発やチャネルの開拓など、通販事業主側の戦略を加味した上流の企画立案からクライアントを支援。EC・通販・デジタルの支援実績や組織マネジメントのスキルをもって、De-STANDARD株式会社を設立し、同社代表取締役CEOを務める。
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。
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