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2022.09.13 通販会社

チャットボットの種類解説!選び方の参考になるカオスマップ付き

チャットボットの種類解説!選び方の参考になるカオスマップ付き


人工知能の進化やAIの自然言語処理能力が向上したことにより、年々注目が高まるチャットボット。導入することで多くの効果を得ることができますが、様々な種類があるのでどれを選んでいいか分からない方も多いのではないでしょうか?


本記事では現在多くの企業が導入をし、マーケティングに欠かせないツールとなっているチャットボットツールの種類について専門家の監修のもと詳しく解説していきます。さらに、52社のチャットボットツールを6分類したカオスマップを無料でダウンロードできますので、選び方の参考にしてください。


「EC・通販業界地図 -チャットボット編- 2021年版」では52のチャットボットサービスを、「問い合わせ対応」「問い合わせ対応(社内向け)」「マーケティング支援」の3種に分類したうえで、「AIあり」「AIなし」で区分した計6分類に整理・マッピングしてあります。チャットボットの導入ニーズに合わせたサービスを簡単に探せますので、チャットボットの導入を検討している方は、ぜひご覧ください。

EC・通販業界地図 -チャットボット編-
EC・通販業界地図 -チャットボット編-
DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されるなか、顧客などからの問い合わせ対応のDXを実現する「チャットボット」への関心も高まっています...

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チャットボットとは

「チャットボット(chatbot)」とは、人工知能を活用した自動会話プログラムです。「対話(chat)」と「ロボット(bot)」を組み合わせた言葉で、主にユーザーと企業をつなぐコミュニケーションツールとして利用されています。


「Slack」や「ChatWork」などのチャットツールは人間同士の会話に使われますが、チャットボットは、コンピュータープログラムが人間と対話をします。


自動会話の仕組みは以前から使われていましたが、パターン化された対応に限られたために「精度が低い」という問題を抱えていました。しかし、近年では人工知能と自然言語処理技術の急速な発達によって実用度が高まったため、さまざまな企業でチャットボットツールが導入されています。また、ECサイトにおいては、中国の多くのECサイトがチャットボットツールを導入したことで急成長した背景もあり、より注目を集めています。


チャットボットの種類と特徴

チャットボットの種類と特徴


チャットボットツールは、AI搭載の有無によって「AI(機械学習型)」と「シナリオ(ルールベース)型」の2種類に大別されます。


「シナリオ型」はAIを搭載していないタイプで、事前に設定したシナリオ通りに受け答えをするチャットボットです。チャットボットはAIが会話処理をするというイメージもありますが、シナリオ型のチャットボットを導入している企業も少なくありません。


一方、「AI型」はデータを基に自ら学習して成長するAIを搭載したチャットボットです。AI型は精度が高対応範囲も広いため、業種・業態を問わず多くの企業で採用されています。


それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

AI型

AI型は、統計的に正解率の高い回答をAIが選択するチャットボットです。会話を繰り返すごとにAIが学習していくため、半自動的に正答率と会話の精度が上がります。


なお、AI型であっても、推測されるユーザーの質問と、それに対する回答パターンのデータを事前にインプットしてから運用します。このデータは「教師データ」と呼ばれ、実運用後に回答精度に難がある場合は、教師データを追加・修正する「チューニング」を行ないます。


AI型チャットボットのメリット

AI型チャットボットの主なメリットは次の3つです。


人件費を削減できる
AI型は広い範囲の問い合わせに対応できるため、オペレーターにかかる人的コストを大幅に削減できます。


機会損失を防げる
24時間365日稼働できるチャットボットは、営業時間外の対応も可能です。そのため、新規顧客の獲得や既存顧客離れといった機会損失を防ぐことができます。


運用の手間が省ける
AIが半自動的に学習するため、運用の手間を省けます。回答精度を高めるには中長期的なチューニングも必要ですが、近年では自然言語処理技術が発達しているため、導入した企業側で対応可能です。


AI型チャットボットのデメリット

AI型のチャットボットは、教師データの質によって回答や学習の精度に差が生じます。たとえば、「水色の服はありますか?」と「水色の服が欲しい」といった微妙な表現の違いは、教師データの質に影響を与えやすくなります。


このような表現の違いを抑える処理をするだけで正答率が上がるケースがあるので、チューニングは欠かせません。


事前に用意すべき教師データの不足も、実運用の精度に悪影響を与えます。データが不足していると質問に対して適切な回答ができず、ユーザーの信頼を失う恐れがあるので注意が必要です。

AI型のチャットボットの主な活用シーン

AI型のチャットボットは、主に次のようなシーンでの活用が適しています。


カスタマーサポート
ユーザーの問い合わせに適切な回答をします。顧客満足度の向上と人的コスト削減を両立できるのは大きなメリットです。


ECサイト
ユーザーが欲しい商品を入力すると、回答履歴からおすすめ商品を提案します。ユーザーは自分が探している商品をスムーズに見つけられるため、売上の向上が期待できます。


飲食店
ユーザーが選択した飲食店の予約日時を入力するだけで、チャットボットが空席状況を確認して結果を知らせてくれます。


シナリオ型

シナリオ型のチャットボットは、事前に登録したルールやキーワードマッチングに沿って会話をします。状況に応じた柔軟な回答はできませんが、予想される質問の種類が少ないシーンで利用されるケースは少なくありません。

シナリオ型チャットボットのメリット

シナリオ型チャットボットの主なメリットは次の2つです。


導入までのハードルが低い
シナリオに沿ったシンプルな回答であれば、システムの構築に大きな労力を必要としません。チャットボットツールを初めて導入するという企業でも運用は比較的容易です。


有人連携による効率化が可能
回答内容が複雑になる場合は、有人連携で対応することができます。業務の振り分けによる効率化を検討している場合は、運用面における支障も少なめです。

シナリオ型チャットボットのデメリット

シナリオ型のチャットボットには、次のようなデメリットもあります。


シナリオやルールの設定に時間がかかる
自然でスムーズな対応を実現させたい場合は、膨大なシナリオとルールを事前に設定する必要があります。場合によっては、想定以上の人的コストと時間を要します。


回答範囲が限られる
事前に設定したシナリオやルールを外れると機能しません。オペレーターにつなぐ頻度が増えればユーザーにとって二度手間となるため、チャットボット導入前よりも顧客満足度が低下する恐れもあります。

シナリオ型のチャットボットの主な活用シーン

シナリオ型のチャットボットは、主に次のようなシーンでの活用が適しています。


カスタマーサポート
複雑な質問に対する回答はできませんが、定型的でシンプルな質問であれば、カスタマーサポート業務の代行も可能です。


関連商品のおすすめ
関連商品を自動的におすすめする業務の代行です。回答履歴を参考にした複雑な訴求はできませんが、定型化された商品訴求には対応できます。


新規顧客の対応
電話や有人対応による問い合わせに抵抗を感じる新規顧客向けの対応業務です。チャットボットであれば問い合わせのハードルを下げられるため、新規顧客獲得数の増加も期待できます。


用途にあったチャットボットツールを選ぶことが重要

用途にあったチャットボットツールを選ぶことが重要


チャットボットは「AI型」と「シナリオ型」の2種類に大別されますが、AI型・シナリオ型に分けて選ぶだけではなく、用途に合わせてツールを選別することも重要です。


とくに、AI非搭載のチャットボットはベンダーによる技術的な差がほとんどないため、各ツールの特徴を見極めて自社に最適なチャットボットを導入する必要があります。


チャットボットの用途は、主に次の3種類に分けられます。


  • 問い合わせ対応
  • マーケティング支援
  • 社内向け

それぞれの特徴や選び方、費用相場などを詳しく見ていきましょう。

問い合わせ対応

問合せ対応に適しているのは、定型質問の対応に特化した人工知能を搭載していないタイプのチャットボットです。このタイプのチャットボットには「シナリオ型」や「キーワード応答型」などがあります。


複雑な問い合わせには対応できないため、このタイプのチャットボットを導入できるのは「商品数が少ないECサイト」や「問い合わせの内容の種類が多くない企業」などに限られます。

多彩な商品を扱っている企業や、複雑な回答を要する場合は、AIが搭載されているチャットボットを選択した方がいいでしょう。

マーケティング支援

マーケティング支援にチャットボットを活用する場合は、申込みフォームのBot化やFacebook広告との連携によって顧客獲得単価を下げられるタイプが適しています。チャットボットによっては、MA(マーケティングオートメーション)やクラウドサービスとの連携も可能です。


近年では、問い合わせ対応からマーケティング支援に移行するチャットボットツールも増えてきました。業種や業態を問わず導入できますが、価格は月額のもの(数万円〜30万円前後)や、初期費用はかかりませんが1件あたり〇〇円といった成果報酬型などもあります。いずれにしても、機能やサポート体制などを比較検討したうえで、導入するツールを決めるようにしましょう。

社内向け

社内や同一企業グループ内における従業員からの問い合わせ対応が主な用途になります。基本的には定型的な対応となるため、シナリオ型のチャットボットでも問題ありません。ただし、質問の内容によっては有人連携が必要になります。


将来的な拡張性や導入範囲の拡大も視野に入れている場合は、社内システムとの連携性が高いチャットボットを選択しましょう。価格はツールによってさまざまですが、システム開発費として捉えるのであれば、多少高額であっても導入する価値はあります。


「EC・通販業界地図 -チャットボット編- 2021年版」では52のチャットボットサービスを、「問い合わせ対応」「問い合わせ対応(社内向け)」「マーケティング支援」の3種に分類したうえで、「AIあり」「AIなし」で区分した計6分類に整理・マッピングしてあります。チャットボットツールの導入ニーズに合わせたサービスを簡単に探せますので、チャットボットツールの導入を検討している方は、ぜひご覧ください。


チャットボットツール導入で気を付けるポイント

チャットボットツール導入で気を付けるポイント


チャットボットツールの導入には「業務効率化」「人件費の削減」「機会損失防止」「顧客満足度の向上」などのメリットがあります。


しかし、期待していた効果が得られなかったというケースも少なくありません。思わぬトラブルを防ぐためにも、チャットボットを導入する際の注意点を確認しておきましょう。

全てを自動化できるわけではない

チャットボットツールを導入したからといって、すべてが自動化するわけではありません。返答が多岐に渡る質問や、複数の要点がある長い文章には的確に答えられないケースもあります。


とくに「シナリオ型」は事前に予想される質問や回答を登録しておく必要があるため、予測から外れた質問に対する的確な回答は困難です。このような場合は、定型的な質問にチャットボットが対応し、難解な質問は有人対応するという迅速な連携が求められます。

複数の質問を同時に対応できない

チャットボットは複数の質問に対して同時に回答することができません。基本的には個別質問への回答となります。そのため、ユーザーは「ひとつの質問が解決したら次の質問」といったように、順を追っていく流れになります。


ECサイトで「商品の色」「サイズ」「返品方法」などについて質問したい場合も、それぞれ個別に質問をしなければいけません。ユーザーによっては、個別質問の流れが煩雑で不便に感じる可能性もあるでしょう。このような場合は、カスタマーサポートによる有人対応のほうが顧客満足度を高めることもあります。

導入まで時間がかかる

チャットボットツールの導入には、初期設定や自社サイトに適したカスタマイズを行なう時間が必要です。


AI型であれば、教師データを事前に登録しなければいけません。シナリオ型の場合は、あらかじめ予想される質問や回答、展開などのトークスクリプトを事前に設計します。


導入準備には、時間や労力、担当するスタッフなどを確保する必要もあります。チャットボットをスムーズに導入するためにも、準備期間やコスト、人員配置などを考えた計画を立案しましょう。

EC・通販業界地図 -チャットボット編-
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まとめ

今回は、チャットボットの種類やメリット・デメリットなどについて詳しく解説しました。業務や用途に応じたチャットボットツールを選ぶためにも、本記事のポイントを改めて確認しておきましょう。


  • チャットボットはユーザーと企業をつなぐコミュニケーションツール
  • チャットボットは「AI型」と「シナリオ型」の2種類に大別される
  • 「AI型」は複雑な内容の回答にも対応可能
  • 「シナリオ型」の回答はシンプルな質問に限られる
  • 用途にあったチャットボットを選ぶことが重要
  • チャットボット導入前の注意点もチェックしておく

チャットボットを導入すれば業務効率化や顧客満足度の向上が実現します。しかし、用途や業務内容に適したツールを選択しなければ、期待していた効果が得られないこともあるので注意しましょう。また、チャットボットの導入によって、すべての対応業務が自動化されるわけではありません。導入までには時間や人的コストもかかるため、中長期的な導入プランを立案することが重要です。



記事監修者 吉田雄亮

監修者:De-STANDARD株式会社 代表取締役CEO 吉田雄亮
滋賀県大津市出身。ファッション雑誌の広告営業主任を経て、Web制作会社で制作ディレクター・営業部長を経験。東証一部上場の大手デジタルマーケティング会社では、アカウントエグゼクティブ課長として、主に健康食品メーカーなどのWebプロモーション・制作・運用・システム案件に携わる。EC業界に特化すべく、売れるネット広告社に入社。コンサルティング部責任者・取締役COOとして、未整備な部分の多いベンチャー組織の体制整備や、並びにクライアントへの提供価値最大化を目指した仕組み作りなど多岐に渡る領域のマネジメントに従事。ECのスペシャリストから通販のジェネラリストを目指すべく、ジェイフロンティアに入社。商品開発やチャネルの開拓など、通販事業主側の戦略を加味した上流の企画立案からクライアントを支援。EC・通販・デジタルの支援実績や組織マネジメントのスキルをもって、De-STANDARD株式会社を設立し、同社代表取締役CEOを務める。


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