2022.09.13 通販会社
ECサイトの事例付き!チャットボットでできることや活用法を解説
運営しているECサイトに、チャットボットの導入を検討してみませんか?
人工知能の進化やAIの自然言語処理能力が向上したことにより年々注目が高まるチャットボットは、EC事業者だけでなく、多くの企業が導入をしているマーケティングには欠かせないツールとなっています。
チャットボットでできることの解説やECサイトにチャットボットを導入するメリットデメリット、ECサイト事業者の導入事例など、ECサイト運営者にとって最も気になる情報を専門家の監修のもと詳しく解説していきます。
下記資料ではチャットボットの活用事例を紹介しています。是非参考にしてみて下さい。
チャットボットとは
チャットボットとは、入力した内容に対して自動的に回答を行うプログラムのことで、企業とユーザーとのコミュニケーションツールとして注目を集めています。
これまで人が対応していた、お問い合わせや注文受付などの作業を代行してくれるツールとしても期待されています。
近年チャットボットが注目されている背景にあるのは、AIや人工知能、クラウド技術の進歩です。技術の進歩によって、データを大量に収集して分析できるようになり、AIや人工知能がビジネスに活用されるようになりました。ECサイトにおいては、中国の多くのECサイトがチャットボットツールを導入したことで急成長した背景もあり、より注目を集めています。
さらに、コロナ禍の影響で接客などオフラインで行っていたことがデジタル上で行えるようシフトしたことも一因です。
そのため、チャットボットを導入する企業だけでなく、サービスを展開する企業も増加傾向にあります。
チャットボットの種類
AIや人工知能の進歩、コロナ禍の影響で注目されつつあるチャットボットですが、大きく以下の2つの種類に分けられます。
- AI型
- シナリオ型
AI型では機械が学習によりデータを蓄積し最適な回答を、シナリオ型ではあらかじめ設定したシナリオに沿って回答を導き出します。
それぞれ特徴が異なるため、導入前に確認しておきましょう。
AI型
「AI型」は、事前に入力したデータや機械学習により蓄積されたデータをAIが解析し、最適な回答を表示するチャットボットです。学習を重ねるにつれて、ユーザーの求める最適な回答が表示されるよう精度も上がっていきます。
活用される場面としては、ECサイトでの接客や、飲食店での予約対応などが多いです。即時対応が可能なためユーザーにとって利便性が高いだけでなく、嗜好を汲み取った提案ができるので売上アップにも貢献します。
ただし、データ量が少ない運用初期の段階ではユーザーの求める回答を導き出せない場合があります。精度を高めるためにも、運用前にある程度のデータを収集しておき、AIに回答を学習させておくことが必要です。
シナリオ型
「シナリオ型」は、事前に入力したデータに沿って、自動で回答を表示するチャットボットです。予測されるシナリオを設定し、ユーザーの選択肢によってフローチャート形式に回答を表示する仕組みになっています。
そのため、特定の質問や期間が限定されているサービスに対する問い合わせなど、質疑応答が複雑でない場合に有効です。
活用される場面としては、回答があらかじめ用意されている「FAQ」ページに誘導するなどの、カスタマーサポート業務などが多いです。また、商品の修理対応など、頻繁に発生する予測しやすい事案についても活用されています。
シナリオ型ではユーザーの質問を予測して回答を作成しておく必要があり、AI型と違ってデータの蓄積によって回答の精度が上がることはありません。
チャットボットでできること
ECサイトやWebサービスにおいて、チャットボットを導入する企業も増加傾向にあります。
チャットボットの活用することによって、
- 問い合わせの自動対応
- 24時間365日の問い合わせ対応
- データ活用によるサービス向上
などが可能になります。
以下にて詳しく解説します。
問い合わせの自動対応
チャットボット導入によって、ユーザーからの問い合わせに自動で対応できるようになります。
回答が予測できるような簡単な問い合わせに対しては、あらかじめチャットボットにデータを入力しておくことで対応可能です。
また、事前に用意された「FAQ」が記載されているページに誘導するなどの対応は、AI型でもシナリオ型のどちらのチャットボットでも可能です。これまではコールセンターなどでオペレーターが行っていた対応をチャットボットが代行してくれることで、人的リソースやコストの削減も期待できます。
また、社外だけでなく社内の問い合わせ対応においてもチャットボットは活用できます。総務や経理部門などでマニュアル化できる業務については、チャットボットを導入することで業務負担の軽減が見込めるでしょう。
以上のように、社内外かかわらず、予測される問い合わせや既にデータとして蓄積されている質問に対応する際には、チャットボットを活用することで効率化とコスト削減が見込めるでしょう。
24時間365日の問い合わせ対応
チャットボットは営業時間に縛られない点も強みです。AIや人工知能などの機械が対応するため、メンテナンス時以外は基本的に24時間365日の問い合わせ対応が可能です。
電話やメールと異なり、回答を得るまでのタイムラグも発生しません。ユーザーは好きなときに知りたい情報をすぐに得ることができるのです。
とくにインターネット・ユーザー数が増加する土日や夜間、長期休暇中において問い合わせ対応ができないのでは機会損失にもつながりかねません。その点チャットボットはいつでも対応可能で、ECサイトや予約サイトなどでのユーザーのニーズの即対応できます。
そのため回答をすぐに得られることによるユーザーの満足度向上や、売り逃しによる損失の減少も期待できるでしょう。
データ活用によるサービス向上
チャットボットではユーザーとの会話の履歴がデータとしてシステム上に蓄積されていきます。
蓄積されたデータを解析することでユーザーのニーズが判明するので、よりユーザーの意図に近い回答を導き出せるようチャットボットの精度も上がっていきます。
さらに、データはサービス向上に活かすことも可能です。たとえばECサイトで商品購入の際にギフト設定のボタンが分かりにくい、といった問い合わせが多ければ、ボタンを目立たせたり導線を分かりやすくしたりなどの対策が打てます。
また、データを活用すれば新商品の開発やサービスの改良にユーザーの声を反映させられるでしょう。以上のようにチャットボットはただ対応するだけでなく、蓄積されたデータは資産となり、次の施策へ反映することができるのです。
チャットボット導入のメリット
チャットボットは問い合わせに対して24時間365日自動で対応してくれたり、データを活用してサービスを向上したりと、さまざま場面で活用されています。 そのためチャットボット導入を検討している企業が増えています。
一方で「チャットボット導入は自社にとってメリットはあるのか」「コスト増大になってしまわないか」と疑問に思っている方も少なくないでしょう。ここでは、企業にとってチャットボットを導入することで得られるメリットについて詳しく解説します。
業務効率化
チャットボットを導入すると、これまで担当スタッフが対応していた業務をチャットボットが代行してくれることにより、業務効率化が図れます。
自動で問い合わせ対応ができることにより、担当スタッフの負担を軽減できます。さらに対応に割かれていた分のリソースを他の業務や、緊急で対応しなくてはならない業務に充てられるのです。
最終的にチャットボットだけでは解決できなかったとしても、事前にチャットボットが対応した履歴のおかげで、ある程度問い合わせの意図などが読み取れるため、スムーズに引き継ぎが行えます。
結果的に社内の業務効率化につながることが予測され、残業時間の軽減や人的リソースの削減が期待できるでしょう。
顧客満足度の向上
チャットボットは24時間365日対応可能で、ユーザーの問い合わせに対して即回答が可能です。
ユーザーはすぐに回答を得ることができるという点で、顧客満足度の向上が期待できます。
また夜間や休日だけでなく、日中の問い合わせに対してもチャットボットは有効です。コールセンターに問い合わせをした際など、対応するオペレーターが足りず、電話口で待たされたことなど誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
チャットボットが業務を負担することで、回答がなかなか返ってこないといったユーザーの不満が解消されるため、顧客満足度が向上します。
さらに、顧客満足度が向上することで企業自体のイメージ向上にも期待できるでしょう。
売上アップにつながる
チャットボットを導入することにより、24時間365日の対応やサービスの質が向上し、ユーザーのサイトからの離脱率を削減する効果が期待できます。
とくに24時間365日の対応は、ECサイトのゴールデンタイムと呼ばれる深夜帯にも稼働できるため、売上アップに直結すると言えます。ユーザーはチャットボットによって疑問がすぐに解消されるため、これまで発生していた売り逃しによる機会損失を軽減できるからです。
また、チャットボットは電話やメールよりも手軽で簡単なので、ユーザーもストレスなく利用できます。
以上のようにユーザーが求める情報をチャットボットがすぐに、いつでも提供できることは、結果的に顧客満足度の向上と売上アップにつながると期待できるでしょう。
チャットボット導入のデメリット
チャットボット導入によって、これまで解説してきたように「業務効率化」「顧客満足度の向上」「売上アップにつながる」などのメリットがある一方で、デメリットもあります。
導入する際に予測していた効果が出ないなどの失敗を防ぐために、事前にチェックしておきたいデメリットを具体的に解説します。
全てを自動化できるわけではない
チャットボットによって簡単な問い合わせ対応などは可能ですが、全てを自動化できるわけではありません。
複雑で何パターンも回答が考えられるような質問や、クレームやトラブルへの対応は難しいケースがあります。
とくに既述のシナリオ型チャットボットについては、事前に入力しておいたデータから最適な回答を選ぶため、予測できていない質問が寄せられた場合は自動で回答できなくなるのです。
そこで、チャットボットのみでは対応しきれない場合は有人対応が必要になってきます。即座に判断しないといけないトラブル時や、心を込めて対応しなければならないクレーム時などはなおさらです。
そのため、チャットボットで対応できる部分と、有人で対応した方が良い部分との使い分けをしながら利用していくことが重要でしょう。
複数の質問を同時に対応できない
チャットボットはあらかじめ用意された一つの質問に対して答えることは可能ですが、複数の質問に同時に対応することは難しいといった特性があります。これはAIや人工知能がもつ性質の問題です。
そのため、ユーザーは一つずつ質問を選びながら、一つの質問が解決したら次の質問といったように、順を追っていかなければなりません。たとえユーザーが複数の質問をしたい場合でも、同時に質問することができないため、一つ一つ順番に質問をすることが億劫に感じてしまうかもしれません。
そういった場合には、ユーザーの顧客満足度を下げてしまわないためにも、オペレーターに切り替えるなど、状況に合わせて有人で対応していきましょう。
導入まで時間がかかる
チャットボットは事前に設定の登録やカスタマイズなどの準備が必要で、導入するまでにはある程度の時間がかかります。
具体的な準備としては、よくある質問と回答の登録や、やり取りのシナリオ設計、自社サイトに合わせたカスタマイズなどの設定が求められます。
また、これらの準備に関しては担当するスタッフの確保が必要です。そのため、チャットボットをスムーズに導入するためには、コスト面や準備に要する時間、人的リソースの確保などを、利用を開始したい時期から逆算しながら計画的に進めていくことが重要です。
準備期間や人的リソースが十分に確保できなさそうな場合は、サポート体制の整ったチャットボットを選ぶことも検討しましょう。
ECサイトのチャットボット導入事例
引用:株式会社フロムココロ
ECサイトでチャットボットを導入した事例として、サプリメントやオーラルケア、医薬部外品など複数のEC商品を展開している株式会社フロムココロの事例をご紹介します。
同社ではCVRの改善が難しくなってきたことを機に、チャットボットの導入を検討していました。それまでLPの構成やキャッチコピー変更などできる限りの施策をとってきましたが、頭打ちとなり限界を感じていたところでした。
チャットボットを導入してからは、導入前の数値と比べるとCVRが150%改善されています。
また、チャットボットに蓄積されたデータから、どの設問でどれくらいのユーザーが離脱してしまっているかがすぐに分かるようになり、LPの設問の順番を変えるなどのPDCAを回していきました。
結果、注文完了後のアップセル率もチャットボット経由の方が通常と比べて5%アップという効果も出ました。
以上のように、CVR改善はもちろん、購入単価やLTVの面でもチャットボット導入の効果があったことが分かります。
導入事例詳細|株式会社フロムココロ(外部サイトにリンクします)
その他のチャットボット導入事例は下記資料を参考にしてください。CVR改善を狙う方やチャットボット導入を検討している方にもおすすめです。
チャットボットツールの比較検討をしている方へ
チャットボットツールは近年注目が集まっていることもあり、さまざまな企業がサービスを展開しています。
また、それぞれのチャットボットによって機能や価格も異なります。
できる限りコストを抑えることも重要ですが、自社の目的やユーザーに合った最適なチャットボットを導入しなければ効果が出ません。そのため、まずは自社にとってチャットボットがなぜ必要なのか、どのような機能が最適なのかについて、入念に打ち合わせしておきましょう。
以下の記事もあわせてお読みください。
まとめ
今回は、チャットボットについて以下のポイントでまとめました。
チャットボットとは、入力した内容に対して自動的に回答を行うプログラムのことで、近年、企業とユーザーとのコミュニケーションツールとして注目を集めています。
チャットボットには大きく以下の2種類があります。
- AI型:機械が学習によりデータを蓄積し最適な回答を導き出します。
- シナリオ型:あらかじめ設定したシナリオに沿って回答します。
また、チャットボットでできることは
- 問い合わせの自動対応
- 24時間365日の問い合わせ対応
- データ活用によるサービス向上
などがあります。
チャットボット導入のメリットは
- ・業務効率化
- ・顧客満足度の向上
- ・売上アップにつながる
などが挙げられます。
一方チャットボット導入のデメリットとしては、
- 全てを自動化できるわけではない
- 複数の質問を同時に対応できない
- 導入までに時間がかかる
などが挙げられます。
最後にECサイトでのチャットボット導入事例を紹介しました。この機会に、チャットボット導入をぜひ検討してみてください。
監修者:De-STANDARD株式会社 代表取締役CEO 吉田雄亮
滋賀県大津市出身。ファッション雑誌の広告営業主任を経て、Web制作会社で制作ディレクター・営業部長を経験。東証一部上場の大手デジタルマーケティング会社では、アカウントエグゼクティブ課長として、主に健康食品メーカーなどのWebプロモーション・制作・運用・システム案件に携わる。EC業界に特化すべく、売れるネット広告社に入社。コンサルティング部責任者・取締役COOとして、未整備な部分の多いベンチャー組織の体制整備や、並びにクライアントへの提供価値最大化を目指した仕組み作りなど多岐に渡る領域のマネジメントに従事。ECのスペシャリストから通販のジェネラリストを目指すべく、ジェイフロンティアに入社。商品開発やチャネルの開拓など、通販事業主側の戦略を加味した上流の企画立案からクライアントを支援。EC・通販・デジタルの支援実績や組織マネジメントのスキルをもって、De-STANDARD株式会社を設立し、同社代表取締役CEOを務める。
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。
資料DLランキング
-
1
【EC事業者様向け】ECを最短で軌道に乗せる最新のソリューションとは?
-
2
2024年プライムデー速報
-
3
越境ECウェブインバウンド白書2024
-
4
EC売り上げを最大化するマルチチャネル商品戦略
-
5
ECでの商品購入に直結するデジタル広告の実態調査
ニュースランキング
-
1
年末年始、4割が帰省・旅行を中止に…電子マネーでお年玉送金も
-
2
アマゾン、2020年~23年に静岡県へ総額55億円超を投資
-
3
カネトシ、ポン酢しょうゆの原材料で不適切な表示…農水省が是正指示
-
4
【11月23日9時更新:物流配送状況】日本郵便/ヤマト運輸/佐川急便/西濃運輸/福山通運
-
5
指定薬物の3物質を「麻薬」に指定、12月20日施行