(株)セールスフォース・ジャパンが11日発表した、三者共同による『デジタル社会における意識調査』の結果によると、デジタル化に積極的なのは38%、「置き去り層」は13%。年齢や生活への満足度が意識の形成に影響を与えていることが分かった。
30代~50代は「積極層」が減少・「消極層」が増加の傾向に
調査は、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターと、(株)サイバーエージェントとともに実施。デジタル技術でどのような生活の価値観をサポートしてほしいかというニーズの把握などを目的に6月24日~27日、全国15歳~80代の4128人に聴取した。
意識別クラスターとして、デジタル化の進展に対する姿勢を「デジタル積極層」「中立層」「置き去り層」「反デジタル層」の4つの層に分類し、ニーズや価値観を深掘りした。それによると、傾向として、30代~50代にかけて「積極層」が少なくなり、「消極層」が増加。女性は40代~60代にかけて「消極層」の割合が「積極層」を上回っていたことが分かった。
デジタル肯定派で進展をキャッチアップしている人は38%に
全体では、デジタル化に肯定的な意見を持ち、進展についていけている人は38%=デジタル積極層。肯定的だが、ついていけていないとした人が13%=置き去り層。デジタル化に否定的な意見を持っている人は15%=反デジタル層。いずれにも属さない層が34%=中立層。このようにさまざまな層がいることから、デジタル活用のアプローチは一律ではなく、各層の特徴を捉えた推進が求められているとしている。
デジタル化への意識分類に影響を与える項目は年齢・認知度・職業・年収など
デジタル化への意識分類に影響を与える項目は、「年齢」「行政のオンラインサービス利用意向」「同じく、認知度」「居住地域」「生活への満足度」「職業」「世帯年収」「1日(平日)に最も時間を割いている活動」などの項目が上位となった。年代による影響があるほか、利用者の属性に関連した項目も影響を与えていることが分かった。
同時に、「行政オンラインサービスの利用意向・認知度」も上位に入っており、社会全体のデジタル化で行政分野が重要な役割の一つを担っていることがうかがえた。充実点や改善点について、デジタル積極層で高かったのは「デザイン・操作性」。UI・UX改善の継続的な実施で、まずはデジタル積極層にファンになってもらうことが重要と考えられる。
置き去り層で最も高かった改善点は「サポート体制」
一方、置き去り層で最も高かった改善点は「サポート体制」だった。このことから、サービスの拡充を進める際には、いかにオンライン上で「気軽に聞ける環境」や「サポート体制が万全であるという安心感」を醸成できるかが大切になってくると考えられる。
「使うとしたらどんな理由か」という問いに、デジタル積極層の最多は「新しいサービスを使うのが好きだから」。置き去り層は「困った時に丁寧にサポートしてくれるなら」。「聞きたいときに気軽に聞けない」ことが、置き去り層にとって「ついていけない」と考える理由の一つと考えられ、気軽に聞ける環境をどう整えていくか、またデジタル積極層との関わり合いを日常の中でどのように構築していくかが重要と考えられるとした。
反デジタル層は「ほとんど使わない層」が約65%に
反デジタル層では、「デジタルサービスはほとんど使わない」が約65%を占めた。その中でも、利用しているデジタルサービスは、「ニュース」「地図サイト」「メッセージサービス」「オンラインショッピング」が挙がっていた。
それぞれが抱く「理想の暮らし」はどんなものなのか。デジタル積極層は「祭りやイベントに日々触れる暮らしやワークライフバランスのとれた暮らし」、置き去り層は「地域の人とのつながりや、医療・介護サービスへのアクセス」。反デジタル層は「家族みんなの幸せ」を重視。層の違いで重視する生活の価値観は異なっており、多様な価値観を大切にしながら、社会のデジタル活用を進めていくことが必要と考えられるとしている。
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