2022.10.28 コラム
ODMとは?OEMとの違いやメリットをわかりやすく解説!
近年数々の企業で受託生産が活用されており、その1つに「ODM」があります。ODMについて聞いたことはあるものの、どのような生産方式か詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?今回はODMについて、OEMとの違いやメリットをわかりやすく解説します。
ODMとは?
ODMとは、「Original Design Manufacturing」の略語で、商品の開発・製造を企画段階から委託することを指します。
受託生産にはいくつか方式がありますが、ODMでは製品案のみを提示し発注できるため、製品製造に関する知識やノウハウがなくても事業を開始できるのが特徴です。
近年ではパソコンやスマートフォンを中心にさまざまな分野でODMが活用されており、販売時のマーケティングまで行うODM企業も存在します。
◇OEMとの違い
ODMとOEMの違いは、受託する業務範囲に違いがあります。
ODMは商品の企画・開発・製造を受託するのに対し、OEMは製造のみを受託する方式です。
OEMでは委託者が商品の企画や設計、開発まで行い、受託者に対して技術指導を行う場合もあります。
設計や企画の自由度が高い反面、委託者は製品開発の知識やノウハウが求められるので注意が必要です。
◇EMSとの違い
ODMとEMSにも、同じく受託する業務内容に違いがあります。
EMSとは「Electronics Manufacturing Service」の略で、電子機器の製造を受託するサービスやメーカーのことです。
製品の製造だけでなく、企画・設計も請け負う生産方式のためODMと似た生産方式になります。しかし、ODMで委託者と受託者が各工程を話し合いながら進めていくのに対し、EMSでは全工程を一貫して請け負っており設計から生産に関する意思決定まで全て請け負っているという違いがあります。
ODMを活用するメリット
ODMを活用するメリットは以下の3つです。
・技術やノウハウがなくても新規事業ができる
・人的リソースなどのコストカットが可能
・短期間でブランド構築できる
ODMのメリットが自社の事業にマッチしているか事前に確認しておきましょう。
◎技術やノウハウがなくても新規事業ができる
ODMを活用するメリットは、技術やノウハウがなくても新規事業を開始できる点です。
ODMでは生産だけでなく製品の企画・設計まで委託でき、自社に製品の開発ノウハウや人的リソースがなくても新製品を販売できます。
ODMを活用することで生産に関わる大部分を委託できるため、マーケティングや営業といった売上に関わる業務にリソースを投下できるのもメリットです。
◎人的リソースなどのコストカットが可能
ODMを活用することで人的リソースなどのコストカットが可能です。
通常製品を生産するには、自社の工場をもち生産に必要な人員を確保するなど多額のコストを要します。
ODMでは他社に生産を委託できるため、自社で生産設備や必要となる人員を確保する必要がなく、生産に関わるコストを大幅に削減できます。
製品を販売したいけれども、コストをなるべくかけたくない事業者にとってODMは有効な選択肢と言えるでしょう。
◎短期間でブランド構築できる
短期間でブランド構築できる点もODMの魅力です。
ODMを活用することで生産に関わるコストやリソースの大部分を削減でき、その分自社製品のマーケティングやブランディングなどに力を入れられます。
ブランディングは成果を出すのにある程度の期間が必要ですが、社内リソースを集中投下することで早期にブランド構築ができるでしょう。
また、商品ラインナップを幅広く展開する企業では、自社の得意な製品のみリソースを集中させ、その他の製品はODM活用して効率よく販売する活用方法もあります。
ODMを活用するデメリット
ODMを活用するデメリットとして、以下2点が挙げられるでしょう。
・自社のノウハウが蓄積しない
・品質管理が難しい
ODMを活用する場合、上記デメリットへの対策を事前に講じましょう。
▲自社のノウハウが蓄積しない
ODMのデメリットとして、自社にノウハウが蓄積しない点が挙げられます。
ODMでは商品案を出す以外の企画・設計・開発・製造を全て委託してしまうため、社内にマーケティングや販売以外のノウハウが蓄積しにくいのがデメリットです。
特に製品の開発業務は自社独自のノウハウを蓄積し次の新製品開発に活かせるケースが多いですが、ノウハウが蓄積しないため企業として商品開発力がなかなか向上しません。
ODMで製品開発・販売する場合、委託者は受託者と密接にコミュニケーションをとり、自らノウハウを学ぶ工夫を行なった方が良いでしょう。
▲品質管理が難しい
品質管理が難しい点もODMのデメリットとして挙げられます。
ODMは製品生産の大部分を委託してしまうため、製品の品質も受託企業に依存してしまい品質のコントロールがしにくいでしょう。
品質向上のために受託企業と話し合いをしても、委託者側に知識やノウハウがない場合が多く具体的な指示ができないケースも多くあります。
また、製品企画も委託することから自社独特の製品を生み出しにくくブランドイメージが定着しにくい可能性もあるでしょう。
ODMは自社にノウハウがなくても新製品販売できる点がメリットですが、品質管理のためにも製品に関する最低限の知識やノウハウを持っておく必要があります。
ODMの事例
ODMがよく活用される事例として、以下2つを紹介します。
・スマートフォン
・アパレル
上記以外にも数多くの業界でODMが活用されており、自社に近い事例があるか調べておきましょう。
☆スマートフォン
ODMが活用される事例としてスマートフォンが挙げられます。
例えばドコモやauなどで販売されるスマートフォンは、SHARPやSONYなど国内のスマートフォンメーカーに製品生産を委託し、販売はドコモやauが行っています。
スマートフォンにおけるODMの特徴は、複数者に受託生産を依頼し企画・設計段階から競わせることで、高い品質の製品を生み出せている点です。
また、消費者はドコモやauの携帯としてサポートや保証を受けられるため、安心感も高いと言えます。
ドコモやauは通信会社であり、スマートフォン製造のノウハウは持ち合わせていませんが、ODMを活用することで幅広い商品を消費者に提供できています。
☆アパレル
アパレルもODMが活用される業界と言えるでしょう。
アパレルはODMやOEMなど受託生産が一般化している業界です。
アパレルはトレンドの移り変わりが激しく、幅広い商品ラインナップを揃える必要があることから、受託生産が適したビジネスと言えるでしょう。
また、社内にデザインに関する知識がなくても商品を製造できます。
アパレルのデザインは専門的な知識・ノウハウを要し、人材育成などに多くの時間やコストがかかるのがネックです。
しかし、ODMで企画段階から受託してしまえば、社内にデザインチームを持つ必要がなくなり、大幅なコスト削減につながります。
ODMは依頼費用が高額になりがちなものの、アパレルは1商品当たりの生産数も大きい傾向がありコスト削減しやすい点も魅力。
アパレルのように大量生産し、販売に注力したい会社にとってはおすすめの生産方式と言えます。
まとめ
ODMはスマートフォンやアパレルを中心に、数多くの業界で活用される生産方式です。
製品製造に関する知識やノウハウがなくとも、新製品を販売できるため、マーケティングや販売など売上に直結する業務にリソースを集中できる点が魅力的と言えます。
OEMやESMとの違いも理解しつつ、自社に適した生産方式を選びましょう。
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