(株)JTB総合研究所が21日発表した『SDGsに対する生活者の意識と旅行についての調査~国内編~(2022)』の結果によると、SDGsに対する生活者の認知度(詳しく知っている+17のゴールは知っている)は30.8%。重要性の認識は(とても重要+まあまあ重要)は61.7%だった。一方で、旅行経験者はそれぞれ10.0pt、7.3pt上回っていたことが分かった。
旅行経験者は生活者全体よりSDGsの認知度・重要性の認識が高い傾向に
調査は10月19日~24日と11月15日~16日。全国18歳~79歳の男女9995人に事前調査を行い、本調査で、過去3年間に1泊以上の国内旅行をした2000人を対象とした。調査は2回目。国内編として21年調査と比較してまとめた。それによると、過去3年間の旅行経験者は、生活者全体と比べて認知度(40..8%)も重要性の認識(69.0%)も高いことが分かった。
まず、旅行者の意識と行動について。SDGsの 17 のゴールのうち、旅行者が旅行・観光に重要と考える項目は、「海の豊かさを守ろう」(38.1%、前年比+3.1P)」、「安全な水とトイレを世界中に」(35.7%、+1.5P)」、「陸の豊かさも守ろう」(31.3%、+1.6P)」の順だった。
前年より増加率が高かったゴールは、「働きがいも成長も」(18.4%、+5.3P)、「平和と公平をすべての人に」(21.3%、+4.4P)」、「すべての人に健康と福祉を」(28.4%、+3.2P)」と、人の生活の豊かさに関わるものが増加していた。
旅行中の各行動への意識はすべての項目で改善傾向に
旅行中の各行動への意識は、日常で実践している行動が大幅に低くなっていたが、前年よりすべての項目で改善傾向にあった。差が最も大きかったのは「テレビ・照明のこまめな消灯」(63.3%、36.1pt差)、「エアコンやヒーターの温度調節や利用制限」(53.5%、34.1pt差)、「レジ袋・ 包装紙などの辞退」(同 72.9%→同 40.4%、32.5 pt差)」などだった。
できない理由は「旅行中くらいは考えたくない・面倒」が多くの項目で最多。今後、実践したいことに関しては、「被災地など応援したい地域を旅先として選択」(16.4%)、「レンタカーはEVやハイブリッドを指定」(14.2%)などとなっていた。
SDGsを重視した旅行商品やツアーで購入したのは「訪問地の産品の使用」
SDGsへの取り組みを重視した旅行商品やツアーで、価格が高くても購入したい場合とは、「訪問地の産品の使用」(32.1%)、「食品ロスの削減、再生可能素材の利用などによるゴミの削減活動」(29.6%)、「環境に配慮している施設の利用」(28.3%)。ただし、「10%程度」が大半で、「10%程度高くても購入」は22.6%、「20%程度」は4.7%、「30%程度」は4.8%だった。
SDGs を意識した観光を実践するために、「観光業者」に期待し、推進すべきことは――。「飲食業界では「提供する料理や食品から発生する食品ロスの削減」(24.6%)や、「ゴミの削減やリサイクルの活用」(21.3%)。航空業界では「エネルギーの節約や環境負荷が少ないエネルギーの利用」(19.4%)、「ゴミの削減やリサイクルの活用」(15.2%)が挙がっていた。
宿泊業界では「ゴミの削減やリサイクルの活用」が1位
鉄道業界では「エネルギーの節約や環境負荷が少ないエネルギーの利用」(19.0%)」。宿泊業界では「ゴミの削減やリサイクルの活用」(17.0%)、「提供する料理や食品から発生する食品ロスの削減」(16.1%)など。
旅行会社については、旅行中に旅行者に対して実際にサービスを提供する機会が少ない現状もあり、全体的に選択率が低い結果となった。しかし、今後さらに積極的に取り組むべきものとして、「SDGs の取り組みに関する情報発信」(13.3%)や、「労務管理や適正な給与形態、人材育成など労働環境の整備」(10.5%)は、他の業界よりも高い結果となっていた。
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