2022.12.11 コラム
【スシロー・パルコ事例付】OMOとは?メリット・デメリットや施策事例まで詳しく解説!
ECサイトで商品・サービスを購入する消費者が増える中、オンラインとオフラインを連携させ売上向上を目指す「OMO」が注目されています。今回はOMOについてメリットやデメリット、施策事例まで詳しく解説します。
OMOとは?意味・定義について解説
OMOとは「Online Merges with Offline」の略で、オンラインとオフラインでの購買体験を融合させる販売戦略を指します。
これまで、ECを中心としたオンラインでの購買体験と店舗などオフラインでの購買体験はそれぞれ明確に分かれていました。
しかし、スマホなどのモバイル端末が普及し、デジタルサイネージやモバイルオーダーなどの技術が発展したことにより、オンラインとオフラインの垣根がなくなりつつあります。
こうした状況からオンラインとオフラインを区別せず、両者を一体化させて販売戦略を組み、顧客の購買体験向上を目指すOMOが注目されています。
OMOとO2Oとの違い
OMOとO2Oは似た用語でありながら、概念は大きく異なります。
O2Oは「Online to Offline」の略で、オンラインでアプローチしオフラインでの購買を促進する戦略のことです。具体的には、ホームページで割引クーポンを発行し、実店舗で使用できるようにすることなどが挙げられます。
O2Oでは基本的にオンラインからオフラインへと誘導し顧客の購買を促進します。
一方で、OMOではオンラインとオフラインの垣根をなくし、どちらでもモノやサービスを購入できるよう販売戦略を組んでいるのが特徴です。
このようにOMOとO2Oは似た用語でありながら、その内容に大きく違いがあります。
OMOを行うメリット
OMOを行うメリットとして以下の3つが挙げられます。
- ◎顧客体験の価値を向上できる
- ◎LTVの最大化に貢献
- ◎機会損失を防げる
OMOを導入の際には、上記メリットを考慮し自社に合っているか検討しましょう。
◎顧客体験の価値を向上できる
顧客体験の価値を向上できることが、OMOのメリットです。
多くの商品・サービスでコモディティ化が進み、商品・サービスのクオリティだけで差別化をするのが難しくなっています。
さらに、消費者の価値観も多様化する中で、より個別のニーズにあった購買体験を提供することがビジネスの成功に直結します。
OMOを行うことで、オンライン・オフラインの双方から顧客データを蓄積でき、活用することで個別のニーズに沿った購買体験を提供できるでしょう。
このようにOMOを実施することで、顧客のニーズを満たした購買体験を提供でき、顧客体験の価値を向上させられます。
◎LTVの最大化に貢献
LTVの最大化にもOMOは貢献できます。
LTVとは顧客から生涯にわたって得られる利益のことです。
OMOを行うことで、顧客データをもとにした商品・サービスの改善ができ、常に顧客ニーズに沿った購買体験を提供できます。
そうなれば、一度購入した顧客が継続して商品・サービスを利用してくれる確率が高くなり、結果としてLTVの向上につながるでしょう。
OMOは、長期的な顧客の獲得につながります。
◎機会損失を防げる
機会損失を防げるのもOMOのメリットです。
例えば、ECサイトで貯めたポイントが実店舗で使えない場合、顧客は店舗での購買を控えてしまうでしょう。
そうなれば、実店舗での購入機会を減らしてしまい、売上を上げる機会の損失につながってしまいます。
OMOによって、ECサイト上のポイントも実店舗で使えるようにすれば、利便性が向上し機会損失を防げるでしょう。
OMOはオンラインとオフラインを連携させることで、どちらのチャネルでも売り上げ向上が見込めます。
OMOを行うデメリット
OMOを行うデメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- ▲成果創出に時間がかかる
- ▲コストやリソースが必要
OMOを導入する際は、上記デメリットを理解した上で検討しましょう。
▲成果創出に時間がかかる
OMOのデメリットとして、成果創出に時間がかかることが挙げられます。
OMOはオンラインとオフラインをどのように連携させるか検討し、システム連携やデータ収集、新規販売施策など多くの取り組む作業があるため成果が出るまでに時間を要します。
事業規模によって成果創出に要する時間は異なりますが、目に見える成果が出るまで半年〜1年ほどかかるケースも少なくありません。
短期的に売り上げを向上させたい場合は、広告など即効性のある施策を組み合わせるのが良いでしょう。
▲コストやリソースが必要
OMO導入にはコストやリソースがかかるデメリットがあります。
OMOに必要なシステム連携やデータ収集を行うには、新規システム導入費用やOMO実施のための人材などコストやリソースが必要です。
他にも、スマホアプリやデジタルサイネージなどを導入する場合は、顧客向けシステムの開発にコストもかかるでしょう。
このようにOMO実施には大きくコストやリソースがかかるため、事前に必要なリソースやコストを見積もり、実施可能かを検討する必要があります。
OMOを成功させるポイント
OMOを成功させるポイントは、以下の2点です。
- ・マルチチャネルを導入する
- ・顧客データの蓄積・管理
OMO導入の際には、上記ポイントを意識してみてください。
◇マルチチャネルを導入する
OMOではマルチチャネルの導入が欠かせません。
OMOはオンラインとオフラインを連携させ、顧客の購買体験を向上させる戦略です。
そのため、オンラインのオフラインの双方で販売チャネルを持つ必要があります。
このように複数のチャネル(マルチチャネル)を持つことで、顧客にアプローチできる回数が増え信頼関係を強固にできるほか、より多くの顧客データを収集可能です。
ただし販売チャネルが増えると、商品やサービスの販売体制に一貫性を持たせるのが難しくなります。
そのため、オンラインとオフラインでの購買体験でクオリティの差が生まれないよう管理することが重要です。
◇顧客データの蓄積・管理
顧客データの管理・蓄積もOMO成功の鍵となります。
OMOでは顧客の購買体験向上が目的であり、顧客のニーズに即した販売体制の構築が欠かせません。
顧客ニーズの把握にはOMOで設けている各販売チャネルから収集した顧客データの活用が不可欠です。
顧客データを販売体制に反映させられるよう、顧客データの管理・蓄積は重要となります。
データ量は膨大となるため、必要な情報をすぐに把握できるようシステム導入によるデータの一元管理やデータを蓄積できるストレージの確保も必要となるでしょう。
顧客データ管理には近年さまざまなITツールがリリースされており、ITツールの活用で効率的な顧客データの管理・蓄積が可能です。
OMO事例を紹介
ここではOMOを実際に取り組んでいる企業の事例を紹介します。
【リテール】パルコ
【外食産業】スシロー
そのほか
「リアルとECの限界」を補完へ…楽天東急プランニング、OMO実証実験を開始 JR東日本のシェアオフィスでOMOの実証実験、アイリス製品を体験&購入 そごう・西武、OMOストア「チューズベースシブヤ」の新アプリを開設 共同印刷がOMOの実証実験、京王百貨店新宿店にPop-upストア出店 DGなど3社、「食べログオーダー」のOMO支援で連携…飲食・小売DXへ OMOで顧客体験向上へ、三陽商会・NRID・プレイドの3社がトライアル開始 サイバー・サツドラ・AWL、OMOプラットフォーム『リテールコネクト』開始 西友がOMOリテーラーに、「楽天ポイント」を軸にOMO戦略新協業体制OMOの施策例を紹介
ここでは、OMOの施策例を以下2つ紹介します。
- ・メール
- ・チャットボット
- ・デジタルサイネージ
OMO導入時の参考にしてみてください。
□メール
OMOは必ずしも難しいものや高度なものだけでなく、EC事業者にとってなじみ深い「メール(メルマガ)」でも施策が可能です。下記記事を是非参照ください。
OMO施策でメール経由EC売上20倍!?Amazon・Netflix同様レコメンドの威力とは
しかし近年では、実店舗にモバイル端末やデジタルサイネージを設置してチャットボットを導入する店舗が増えているのです。
デジタルサイネージでは、広告を表示する看板としての役割だけでなく、顧客が操作したデータを収集・分析できます。
また、先述したチャットボットと組み合わせれば、接客対応も可能です。
この事例もオンラインとオフラインを上手に連携している事例と言えるでしょう。
□チャットボット
OMOの事例としてよく導入されているのが「チャットボット」です。
チャットボットとはチャット機能を用いた自動会話プログラムのことで、ECサイトでの顧客対応として用いられています。
しかし近年では、実店舗にモバイル端末やデジタルサイネージを設置してチャットボットを導入する店舗が増えているのです。
店舗にチャットボットを導入することで、接客対応の効率化や商品の在庫・口コミの確認ができ、実店舗での購買体験の向上に繋げています。
□デジタルサイネージ
デジタルサイネージも近年よく導入されているOMOの事例です。
デジタルサイネージとは、商業施設や駅・店舗などに設置される電子看板のこと。
デジタルサイネージでは、広告を表示する看板としての役割だけでなく、顧客が操作したデータを収集・分析できます。
また、先述したチャットボットと組み合わせれば、接客対応も可能です。
最近では、実店舗のデジタルサイネージから店舗のECサイトにアクセスし、そのまま商品購入して自宅に配送できる体制をとっている店舗もあります。
この事例もオンラインとオフラインを上手に連携している事例と言えるでしょう。
まとめ
OMOはスマホなどのモバイル端末が普及したことにより、注目を集めている販売戦略です。
オンラインとオフラインを連携させ、両方で顧客にアプローチすることで顧客体験の向上に繋げています。
OMOを導入することで長期的な顧客を生み出しやすいメリットがありますが、短期的な成果が期待しにくいなどのデメリットもあるため、自社の販売戦略に適しているか慎重に検討した方が良いでしょう。
OMOを導入し、オンラインとオフラインの双方から売り上げ向上を目指しましょう。
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。
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