NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(株)の「NTTコム リサーチ」が28日発表した「ライブコマース」に関する調査結果から、ライブコマースを視聴したことがある人は3.9%と少ないが、そのうち実際に商品を購入したことがある人は54.8%に上ることがわかった。
「ライブコマース」を認知している人は全体の31.9%
調査は昨年12月7日~今年1月17日、「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象にインターネットアンケートによって実施(有効回答者数:スクリーニング調査2万644人、本調査566人)。
「ライブコマース」を認知している人は、全体の31.9%を占めた。「知っており視聴したことがある」と回答した人は3.9%にとどまった。
視聴経験がある人のうち、実際に商品を購入したことがある人は54.8%。年代別で見ると、20代が66.2%、30代が59.6%と若年層ほど購入率が高い傾向が見られた。利用経験がない人のうち、利用する意向がある人は19.1%を占めた。
視聴時に使用するデバイスについては、スマートフォン、PCの順となった。50代以上ではPCがスマートフォンを上回った。
視聴したプラットフォームは「YouTube」「Twitter」「Instagram」の順に
視聴したプラットフォームは、「YouTube」が68.7%でトップ。次いで「Twitter」「Instagram」が続いた。購入者は非購入者を比べて、「企業の運営するECサイトなどのWEB」よりもTwitter、Instagram、LINE LIVEといった配信プラットフォームサービスの利用率が高かった。
視聴したことのあるカテゴリを見ると、「アパレル企業」が最多(47.4%)。次いで「化粧品ブランド企業」(30.5%)、「家電量販店」(30.2%)、「デパート、ショッピングモール、総合小売(オンライン含)運営企業」(28.0%)が続いた。全体では、「BEAMS」「ビックカメラ」「エディオン」「GU」「ユニクロ」「ABC-MART」「ヤマダ電機」が上位に入った。
また、化粧品企業では「@COSME」「資生堂」「ANNA SUI(アルビオン)」がトップ3を占めた。電気量販店では「ビックカメラ」「エディオン」「ヤマダ電機」の順。総合小売は「Yahoo!ショッピング LIVE」「イオン」「楽天ライブショッピング」「auコマース&ライフ(auCL) ライブTV」「セブン&アイHD」の順に多かった。
企業・媒体のアプローチが視聴のきっかけに
視聴したきっかけを聞いたところ、「登録している媒体からメールで送られるニュース」(49.6%)がトップ。次いで、「利用しているSNSで見たニュース(広告)」(36.4%)、「企業のウェブサイトでのお知らせ、バナー」(34.6%)が続いた。企業や媒体からのアプローチが上位を占め、口コミやレコメンドなどを上回った。
視聴の決定要因についても、「紹介される商品」(39.8%)、「動画を配信している企業」(39.0%)、「紹介されるブランド」(35.9%)が上位に並んだ。
視聴の目的は、「購入を決めていないが、購入する可能性のある商品について確認するため」(39.4%)、「購入を決めている商品について確認、購入するため」(20.7%)の順となり、購入を検討している商品の確認が中心となっている様子が浮かび上がった。
商品を購入する場合にアドバイスや評価をどの程度参考にするのかを質問した結果、ライブコマースを視聴して商品を購入した人では「販売する企業のスタッフや店員の口頭による直接的なアドバイス」がトップ(93.3%)だった。このほか、「販売する企業のスタッフや店員の記事などによる一般的なアドバイスや評価」(91.8%)、「口コミなどの一般使用者が評価している評価」(87.2%)が続いた。
視聴経験者のうち、商品を購入したことがない人では、「口コミなどの一般使用者が評価している評価」、「販売する企業のスタッフや店員の記事などによる一般的なアドバイスや評価」、「販売する企業のスタッフや店員の口頭による直接的なアドバイス」の順となった。
購入の決め手は「安心感」
購入の決め手は、「商品に詳しいコマーサーの説明内容による安心感」と「商品に詳しいコマーサーの出演による安心感」の順に多かった。ライブコマースに対し、プロの解説による安心感を求めている様子がうかがえた。
購入経験者では、ライブコマースに対して「分かりやすく商品について紹介される点」、「安心感が持てる点」、「便利な点」、「臨場感がある点」などを評価していた。また、購入経験者の約8割が、ライブコマースを他者へ推奨した経験があることもわかった。
利用意向層(非視聴経験)のライブコマースに対する興味は、「分かりやすく商品について紹介される点(静止画や文字でなく動画であるなど)」が66.4%と最多。次いで「安心感が持てる点(視聴者の質問にその場で回答され、疑問がすぐに解決されるなど)」(32.5%)、「商品の信頼感が増す点(商品に詳しい人が説明するなど)」(29.8%)が挙がった。
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