2023.03.11 コラム
PBとは?メリット・デメリットや成功事例をわかりやすく解説!
スーパーなどでよく見かけるPB商品は、今やECサイトや通販事業においても欠かせないものになっています。一方でNBやSBとの違いなど具体的な内容が分からない方も多いのではないしょうか。今回はPBの概要とメリット・デメリット、成功事例を解説します。
PB(プライベートブランド)とは?
PBはPrivate Brandの略語で、通常は商品を生産しない小売店や卸売業者などの事業者が、オリジナルで企画・開発した商品のことを指します。具体的には、大手スーパーやコンビニチェーンなどが企画した商品を外部のメーカーに委託して生産し、オリジナルのブランド名を付けて販売しているものです。
近年は日用品や衣類、インテリアなど、さまざまなカテゴリで展開されていますが、これまで国内の消費者は知名度のあるメーカーやブランドの志向が高く、PBはそれほど注目されていませんでした。しかし、各企業が消費者のニーズをとらえた商品を開発し、売り出したことで以前よりもPBの販売力は高まってきています。
SB・NBとの違いは?
PBとよく似た言葉として、SBとNBが挙げられます。それぞれの言葉の意味と違いを詳しく見ていきましょう。
▽SB(ストアブランド)
SBはStore Brandの頭文字をとった言葉で、小売店や卸売業者などの事業者が、もとの商品の品質や価格を改善したうえで販売する自社ブランドです。広い意味でとらえると同様の意味をもちますが、PBが開発から関わる一方、SBでは改善から関わるといった点で異なります。
さらに、場合によってはPBに対抗する商品として扱われることもあり、PBにはないカテゴリの商品を開発する際に用いられています。
▽NB(ナショナルブランド)
NBはNational Brandの頭文字をとった言葉で、各商品について製造メーカーがつけたブランド名を指します。たとえばカルビーの「ポテトチップス」や、日清食品の「チキンラーメン」などがNBに該当します。特徴としては個々の商品の認知度が高く、販路が広い点が挙げられます。
また、PBが自社の店舗やECサイトでのみ独占的に販売する商品であるのに対し、NBは小売店で広く販売されています。
PBのメリット
PBを開発することによってメリットを得られるのは小売店だけではありません。メーカーや消費者にとってもメリットがあります。ここからはメリットについて、それぞれの視点から解説していきます。
◎小売店にとってのメリット
まず小売店にとってのメリットとして、独自の強みをもった商品を自社が運営する店舗・ECサイトのみで占有して販売できる点が挙げられます。消費者が商品を気に入った場合、PBイメージのアップがそのまま小売店にとってのイメージアップにつながります。
さらに、開発にかかるコストが低く利益率が高いといった点もメリットです。これまでメーカーの希望価格で販売していた商品が、自社で開発から携わることで自由に価格を設定できるためです。また、代理店や商社を介さずに直接メーカーから仕入れられるため中間流通にかかるコストも削減できます。
◎メーカーにとってのメリット
メーカーにとっては、小売店から注文を受けた数量分のみを生産すればよいため、見通しが立てやすく効率的に生産できる点がメリットとして挙げられます。メーカー独自のNB商品などは、売れ行きの予想から生産数を決定していきます。しかし予想以上に売れ行きが好調で生産が追いつかなかったり、予想よりも売れ行きが悪く在庫として余ってしまったりといった問題が発生することがあります。
一方、PB商品は生産数があらかじめ決まっているため売上や収益の見通しが立てやすく、安定して生産している点がメリットです。
◎消費者にとってのメリット
PBの商品は、NBと同等のクオリティでも安価なものが比較的多く、消費者はコストパフォーマンスの良い商品を購入できる点にメリットがあります。直接消費者と接する機会のある小売店がニーズをとらえて開発した商品だからこそ、より多くの消費者に響く商品が届けられるのです。これまでNBの商品では満足できなかった消費者のニーズを満たすことで、PB商品も売上を伸ばせるようになります
PBのデメリット
一方、PBにはデメリットもいくつか存在します。ここからはメリットと同様に、小売店・メーカー・消費者それぞれの視点からデメリットを見ていきます。
▲小売店にとってのデメリット
PBは小売店が独自に企画して開発した商品のため、基本的に小売店が在庫を抱えます。そのため売れ行きが悪ければ在庫過多となり、消費期限がある商品については破棄しなければならない可能性がある点がデメリットです。
また、NBではメーカー側が対応していたクレームなどの、消費者に対する責任が増える点も挙げられます。商品に関してトラブルが発生した場合、責任をすべて負わなくてはならないリスクがあります。
▲メーカーにとってのデメリット
メーカーにとっては、NBの販売量が減る可能性がある点がデメリットです。小売店からPBの注文を受けて生産することは良いのですが、注力しすぎてしまうとNBの生産や売れ行きに影響していきます。
さらにNBよりもPBの商品の方が安価であることが多く、価格で負けてしまう場合もあります。そのため、メーカーは自社商品での利益を確保しつつ、小売店との関係性を調整しながら生産を続けることが重要です。
▲消費者にとってのデメリット
消費者にとっては、お目当ての商品があり小売店に買いにいったとしても、似たようなPB商品しか置いてないといった状況にあう可能性があります。小売店は利益率の高いPB商品を販売したいため、似たような商品であればNBよりもPBの商品を棚に陳列する傾向にあります。
一方で、求める商品がなかったとしても似たような商品がPBで用意されているのであれば、そちらを購入することも可能なため、消費者にとってのデメリットは少ないといえるでしょう。
PB商品の成功事例
ここまでPBの概要、メリット・デメリットをそれぞれ解説してきましたが、さいごに成功事例をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
◇matsukiyo
「matsukiyo」は、大手ドラッグチェーンのマツモトキヨシで展開されてるPBです。消費者の声を直接ひろえる小売店ならでは視点で、既存商品ではカバーしきれない消費者のニーズをとらえた商品を開発し、成功を納めています。
また、医薬品や化粧品から食品まで幅広いカテゴリの商品をそろえており、高品質でありながら価格をおさえた商品ラインナップでブランドイメージを確立しています。
◇セブンプレミアム
「セブンプレミアム」は、セブン&アイ・ホールディングスが展開するPBで、ブランド名にプレミアムとつくように、高品質の商品開発を目指しています。これまで安価というイメージの強かったPB市場において、新たな価値を生み出したといえます。現在は食品から日用品まで幅広く取り揃えられており、コンビニでも手軽に高品質な商品を購入したいという消費者のニーズをとらえているといえるでしょう。
まとめ
今回はPBの概要とメリット・デメリットについて解説しました。以下にて簡単にポイントをまとめておきます。
・PBとは?
小売店が独自に企画と開発をし、外部のメーカーに委託して生産する商品です。特徴として、自社の店舗でのみ独占的に販売する点が挙げられます。
・PBのメリット
小売店にとってのメリットは、占有して販売できる点と商品の価格をおさえたうえで利益率を高く設定できる点があります。
メーカーにとってのメリットは、生産数が把握できるため、売上の見通しが立てやすい点があります。
消費者にとってのメリットは、低価格でNBと同等の商品が手に入る点があります。
・PBのデメリット
小売店にとってのデメリットは、在庫を抱えなければならない点と、商品に対する責任全般を負わなければならない点があります。
メーカーにとってのデメリットは、NB商品の注文が減ってしまうと売上に影響がでる点があります。
消費者にとってのデメリットは、求めているNB商品がPB商品があることによって購入できない場合が挙げられますが、デメリットは少ないといえます。
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