2023.04.09 コラム
収納代行とは？活用のメリット・デメリットやサービス選定のポイント
ECサイトで購入された商品の代金の集金を代行してくれるサービスが収納代行です。収納代行を活用して売上アップにつなげたいと考える担当者も多いのではないでしょうか。今回は収納代行の仕組みと活用のメリット・デメリット、サービス選定のポイントを解説します。
収納代行とは？
収納代行とは、ECサイトなどで購入された商品の代金を全国のコンビニ等店舗で集金し、管理までを代行するサービスです。クレジットカードやキャッシュレスによる決済が普及した昨今においても、現金で支払いたいという消費者が一定多数存在するため、それらのニーズに応えるために提供されています。
また消費者だけでなく、ECサイトにとっても決済方法の選択肢を増やし、購入を促す手段として候補に上がるなどのメリットがあります。
収納代行の仕組み
ここからは、どのような仕組みで収納代行会社が購入者から集金しているかについて簡単にご説明します。
1. まず、提携するECサイトで購入者が収納代行支払いを選択した場合、契約している代行会社へ注文者の情報が提供されます。
2. 代行会社から払込票や支払い番号が発行されます。
3. 購入者が払込票や支払い番号をもとにコンビニで代金を支払います。
4. 収納代行会社からECサイトの事業者宛に代金が振り込まれます。
購入者が支払いを済ませてからECサイト側に代金が振り込まれるまでに、一般的に50〜60日ほどかかるといわれています。このような仕組みで、収納代行会社がECサイトの代わりに集金をしているのです。
収納代行を活用するメリット
消費者の支払い方法の選択肢が増えるメリットがある一方で、収納代行を活用することでECサイト事業者にとっても以下のようなメリットが得られます。
・入金管理の工数を削減できる
・購買用を増やせる
◎入金管理の工数を削減できる
ECサイト事業者にとってはコンビニ各店舗と個々に契約するよりも、収納代行会社を介することで複数のコンビニと同時に契約できる点もメリットです。コンビニと個々に契約することも可能ですが、複数のコンビニで対応したいといった場合には手間がかかってしまいます。
また、コンビニによって、支払われてから入金される時期が異なるため、入金の管理にも手間がかかってきます。その点、代行会社を通すことで複数のコンビニと一括で契約でき、入金管理もしてくれるため、ECサイト側の工数を削減できるといったメリットにつながるのです。
◎購買層を増やせる
ECサイトで収納代行が選べることによって、現金で支払いたい消費者の購入を促せるといったメリットがあります。クレジットカード決済や電子決済が普及しているとはいえ、個人情報保護などの観点から利用に抵抗を感じている人も少なからずいるためです。
また、クレジットカードが利用できない未成年にとっては、現金で支払えることで購入に至るきっかけにもなります。購買層を増やせることで結果としてECサイト全体の売上アップにもつながるため、メリットは大きいといえます。
収納代行を活用するデメリット
メリットがある一方、以下のようなデメリットも存在します。
・代金が回収できない可能性がある
・利用料金がかかる
詳しく解説していきます。
▲代金が回収できない可能性がある
支払い方法の選択肢として後払い方式を採用した場合、代金が回収できないリスクがあります。後払い方式とは購入者が商品を受け取った後にコンビニなどで入金する方式ですが、最悪の場合、未払いのまま代金が回収できない可能性があります。
一部の代行会社によっては未払いに陥った際の保証制度を用意しているところもありますが、いざという時に保証制度を受けるためには保険と同様に掛け金が必要です。そのため、ここでもECサイトの支払い方法において本当に必要かどうか検討することが重要になるでしょう。
▲利用料金がかかる
初期費用や月額料金、決済手数料などの利用料金が必要になってきます。導入することによって購入者が増え、結果的に売上をアップさせることが目的ですが、そもそも売上が少ない場合には行会社の利用料金が売上を上回ってしまうことも考えられます。
そういったリスクも踏まえて、自社のECサイトの規模や、ユーザーが代行サービスを利用するような客層であるかどうかなど、多方面から導入が本当に必要かどうか事前にしっかり検討しましょう。"
収納代行と決済代行の違いは？
ここで、よく似た言葉として取り上げられる、決済代行について見ていきましょう。決済代行は、ECサイト事業者の各決済機関との契約手続きや審査、入金管理など決済に関する一連の業務を代行します。
双方の大きな違いは、決済方法の種類です。決済代行はクレジットカードや電子マネー、ATM、インターネットバンキングなどの決済方法に対応しています。
また、手数料の取り扱いも異なる点です。収納蛇行ではECサイト側もしくは購入者側のどちらが手数料を負担するのか、導入する際にECサイトの運営者が選択をします。一方、決済代行は基本的にECサイト側がサービス利用の手数料を負担する方式です。
どちらの決済方法がいいかは、ECサイトのユーザーや扱う商品などから検討しましょう。
代行サービス選定のポイント
最後に、代行サービスを選定する際のポイントについて解説していきます。ポイントは主に以下の3点です。
・利用料金
・セキュリティ体制
・取扱店舗数
ポイントをチェックして、代行会社を選定する際の参考にしてください。
◇利用料金
デメリットでも触れましたが、代行サービスの利用には料金が発生します。初期費用や月額料金、手数料など、さまざまなパターンが用意されているため、まずは自社の予算に合うか検討しましょう。
また、収納代行は継続して利用していくことを前提としているため、費用をあらかじめ試算しておくことも大事です。そして活用することで増加すると見込まれる売上の予測もしておくことをおすすめします。
◇セキュリティ体制
代行会社はECサイト事業者の売上や購入者に関する情報などを取り扱うため、セキュリティ体制が重要です。セキュリティ体制が万全でないと、ECサイトの事業者に被害が及ぶ恐れがあるためです。
どの代行会社もある程度のセキュリティ対策をとっていますが、やはり実績が豊富な会社を選ぶと安心でしょう。実績数や提携している企業の規模、提供年数などをふまえて、セキュリティ体制が安心できるものかどうか検討してください。
◇取扱店舗数
代行会社によって、提携しているコンビニチェーンの種類や店舗数が異なるため、取扱店舗数もチェックしておきたいポイントです。とくに、自社で提携したい店舗がある程度決まっている場合には、代行会社に取り扱いがあるか事前に確認しておきましょう。
また、提携したい店舗が決まっていない場合にも、全国のコンビニで決済対応できるよう、大手コンビニチェーンを取り扱う代行会社を選んでおくと安心です。
Q＆Aで確認！収納代行のポイント
今回は収納代行の仕組みや活用するメリット・デメリット、決済代行との違い、サービス選定のポイントを解説しました。以下にて要点をおさらいしましょう。
──収納代行とは？
ECサイトなどで購入された商品の代金を全国のコンビニで集金し、管理までを代行してくれるサービスです。消費者にとって、支払い方法の選択肢が増えるメリットがあります。
──ECサイト事業者にとってのメリットは？
入金管理の工数を削減できる：コンビニとの契約や入金管理なども代行してもらえるため、ECサイト側の手間が減ります。
購買用を増やせる：現金で支払いたい消費者の購入を促せるといったメリットがあり、購買層を増やせることで結果としてECサイト全体の売上アップにつながります。
──ECサイト事業者にとってのデメリットは？
代金が回収できない可能性がある：購入者が後払いを選択した場合に未払いとなってしまうリスクがあります。保証制度を導入している代行会社もありますが、利用には料金がかかる場合が多いため検討が必要です。
利用料金がかかる：利用するには初期費用や月額料金、手数料などがかかります。そのため、導入が本当に必要かどうか事前にしっかり検討しておく必要があります。
──決済代行との違いは？
決済方法の種類と手数料の取り扱いが異なる点です。どちらがいいかはECサイトのユーザーや扱う商品などから検討しましょう。
──サービス選定で注意すべきポイントは？
利用料金、セキュリティ体制、取扱店舗数をチェックして検討しましょう。
ECサイトで快適に買い物してもらえるためには、複数の決済方法を用意しておくことも重要です。収納代行を導入することで、現金で支払いたい消費者のニーズに応えることができ、売上アップにつながる可能性もあります。ただし導入にはコストと手間がかかるため、事前にあらゆる面から検討したうえで導入を進めましょう。
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