(株)メルカリが運営するメルカリ総合研究所が17日発表した『Z世代の行動特性や価値観とクレジットカード利用に関する調査』の結果によると、利用ニーズがバブル世代は「お得」重視だった一方、Z世代は「安心」。さらに「想定外」を好まないサプライズアレルギーの傾向など、随所にZ世代らしい特徴がにじむ結果となった。
Z世代はタイパ重視・サプライズアレルギーの傾向に
調査は3月10日~12日。18歳~57歳の男女600人に聞いた。Z世代の定義は18歳~26歳とした。まず、「時間や透明性に関する考え方」を聞いたところ、「効率的でないことにストレスを感じる」「時間を圧縮するための手段・行動を考えることが多い」が、ともに63.3%。「想定外のこと/サプライズなことはできるだけ避けたい」が61.4%となっていた。
また、半数以上が「結論だけ先に知りたい」(57.3%)、「デリバリーは配達状況を見て、いつ到着するか確認する」(51.3%)、「プレゼントは先に相手に欲しい物を聞いて」(51.3%)」など、タイパ重視やサプライズアレルギーの傾向が見受けられた。
では、「想定外のことが起こるのは、失敗と捉えるのか経験と捉えるのか――。Z世代は30.0%が「失敗」と捉えるのに対し、バブル世代は21.3%で、Z世代が1.5倍になっていた。
現金50万円をもらったらどうする? どの世代も「貯金」が最多だったが、中でもZ世代は77.3%と最も高かった。「緊急時の備えができる/将来の不安に備える」と、想定外に備えるZ世代の傾向が明らかに。一方で、月々の支出額を把握しているのは72.0%で、バブル世代の86.6%と比べても、その低さが際立っていた。
クレカに求めるのは「ポイント還元率」「年会費」「お得さ」が上位に
クレジットカードに求めるニーズについて。利用しているカードの選択理由は、全世代では「ポイントの還元率」(43.2%)、「年会費が安い/かからない」(41.7%)と、「お得さ」が上位だった。一方、Z世代は、バブル世代と比較すると「家族や友人に勧められた」「専門家やインフルエンサーが勧めていた」などが比較的高く、「安心」を選択する傾向が目立っていた。
クレジットカードの懸念点は、バブル世代は「失くしたときの対処に手間」(29.1%)、「セキュリティに不安」(26.0%)」などだったが、Z世代は「つい使い過ぎてしまう」(32.3%)、「決済後に利用明細の反映に時間がかかる」(27.3%)」が上位に。利用と管理ができないことへの懸念が挙がっていた。併せて、「利用明細がリアルタイムに把握できないことについて、不安を感じる」が、Z世代では51.5%に上り、バブル世代(41.0%)と比べても高い傾向にあった。
堅実で効率的な価値観が金融サービスにも
利用したいクレジットカードは、「よく使うアプリで使える・管理できる」(Z世代72.0%、バブル世代54.7%)、「支払い方の柔軟性が高い」(Z世代74.0%、バブル世代56.0%)など、Z世代のほうが管理・把握したいというニーズがあることがうかがえる結果になった。
調査結果を受けて、世代・トレンド評論家の牛窪恵さんは、Z世代は「想定外(サプライズ)=良くないこと」と捉えやすい一方で、不測の事態は「いつ起こるか分からない」から、いざというときに備えて防御したい、と賢く考えている。半数以上が「想定外」を好まず、結論を先に知りたがっていたなど、調査でもその傾向が見てとれた。
Z世代はデジタルネイティブなうえ、SNS&動画世代。日常生活の多くをスマホのアプリで効率よく管理するのが特徴で、コスパとともに、タイパを強く意識する傾向がある。驚きだったのは、堅実で効率的な価値観が金融サービスにも現れ始めていること。クレジットカード」の利用ニーズで、Z世代は「安心感」を重視。今後に向けても、自身で利用を管理・把握し、不測の事態に備えたいとする、Z世代らしい賢いニーズが浮き彫りになったと、している。
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