2023.06.03 コラム
Web3とは?注目される理由やメリットなどをわかりやすく解説!
「Web3」は次世代のインターネット形式として注目を集めています。今回はWeb3が注目される理由やメリット、具体例、課題などを解説します。Web3の概念を理解し、自社の経営戦略に取り入れたい方はぜひ参考にしてください。
Web3とは
Web3(Web3.0)とは、インターネットの進化段階を表す用語です。
簡潔にまとめると「ブロックチェーン技術を駆使した分散型のインターネット」を意味します。
インターネットの発達に伴い、以下の進化段階が用いられています。
・Web1.0
・Web2.0
・Web3.0
Web1.0は静的なウェブページの表示が主流で、Web2.0ではプラットフォームを介してユーザー同士のコミュニケーションや情報共有が可能になりました。
Web3.0は分散型アプリケーションやブロックチェーン技術を基盤として、ユーザー同士がプラットフォームに依存せず個人単位で情報共有できます。
これまでのインターネットは大手企業が運営するプラットフォームに情報が集約しており、情報漏洩やプライバシー保護が問題点となっていました。
Web3.0の発展により人々は情報を自身のコントロール下に置けるようになるため、上記の課題解決が期待されています。
Web3が注目される理由
Web3が注目される理由は、大企業のプラットフォームに依存する必要がなくなり、個人のプライバシーやセキュリティが強化されたインターネットを実現できるためです。
従来のWebでは、インターネット上の情報は大手企業が運営するプラットフォームに集中し管理されていました。しかし、Web3においては、ブロックチェーン技術や分散型データベースを活用することで、プラットフォームを介さずに個人同士情報を共有できます。
さらに、Web3にはスマートコントラクトや仮想通貨などの新技術と密接に関係しています。これらの技術を活用することで、金融や不動産をはじめとした多くの業界に変化をもたらせる点も注目される理由の1つです。
Web3を理解する上で重要な概念
Web3を理解する上で重要な概念は、以下の3点です。
・ブロックチェーン
・暗号通貨(仮想通貨)
・DAO
▽ブロックチェーン
ブロックチェーンとは、すべての取引記録を連続的に記録することで、改ざんを防止する仕組みです。
ブロックチェーンでは、データをブロックという単位に分割し、それぞれのブロックにハッシュ値という識別子を付与して、リンクさせています。このリンクされたブロックの連なりが、ブロックチェーンと呼ばれます。
ブロックチェーンは改ざんしにくい不変性や分散性を備えているため、仮想通貨やスマートコントラクトなど様々な分野で活用されている技術です。
▽暗号通貨(仮想通貨)
暗号通貨とは、インターネット上で構築されたデジタル通貨のことであり、ブロックチェーン上で取引が行われます。
暗号通貨は銀行などの第三者機関を介さず、取引がP2Pで行われるため、低コストで高速かつ安全な取引が可能です。
代表的な暗号通貨として、ビットコインやイーサリアムなどがあります。
▽DAO
DAOとは分散型自立組織(Decentralized Autonomous Organization)の略称であり、ブロックチェーン上で運営される組織のことを指します。
DAOは中央集権的な機関を持たず、参加者が自己の利益を追求しながら平等かつ自由に目的を達成できます。DAOはスマートコントラクトを用いて構築され、意思決定は参加者の投票によって行われます。
DAOは、ブロックチェーンの特徴である透明性や信頼性を備えており、情報改ざんなどの不正を防止できる点もメリットです。
▽スマートコントラクト
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で動作する自動実行型の契約書のことです。
プログラムされた条件に従って自動的に実行される点が特徴で、契約プロセスの自動化により取引期間の短縮や人件費の削減などが期待できます。
スマートコントラクトは、人間の介入がなくとも正確かつ迅速な契約履行を実現できるため、金融や不動産など、様々な分野で活用されています。"
Web3が実現することのメリット
Web3が実現することのメリットは、主に以下の3点です。
・セキュリティの向上
・言論の自由がより確保される
・ユーザーにデータの所有権がある
◎セキュリティの向上
1つ目のメリットは「セキュリティの向上」です。
大企業のプラットフォームに代表される中央集権的なシステムでは攻撃者がシステム全体を狙えますが、Web3ではサーバー攻撃やハッキングの対象を分散でき、攻撃の成功率が低くなるためセキュリティが強化されると考えられます。
Web3のスマートコントラクトにより、プログラムによる自動的な契約や取引が行われるため、不正行為やミスによる損失を減らせる点もメリットです。
また、ブロックチェーン上でデータが保管されるため、データ改ざんや偽造を防止できます。
◎言論の自由がより確保される
2つ目のメリットは「言論の自由がより確保される」ことです。
Web3は特定のプラットフォームに依存しないため、企業による言論統制が困難となります。
Web3上の情報はユーザー自身が公開するため、情報の真偽や価値はその情報を閲覧する人たちが判断することになります。
このため、意見の多様性が保たれ、言論の自由がより確保されると考えられます。
◎ユーザーにデータの所有権がある
3つ目のメリットは「ユーザーにデータの所有権がある」ことです。
従来のインターネットでは、Web上のデータを所有しているのはプラットフォームを提供する企業です。そのため、プラットフォーム側でデータを削除してしまうと、データを購入したユーザーであっても利用できなくなります。
例えば、Apple Musicで楽曲をダウンロードした場合、Apple Music側がデータを消してしまうと購入したデータであっても利用できなくなるでしょう。
Web3.0では複数のコンピューターが分散管理するため、ユーザーがデータを所有できデータ改ざんや消失のリスクを抑えられます。
Web3を活用したサービスの具体例
Web3を活用したサービスの具体例として、以下3つが挙げられます。
・インターネットブラウザ「Brave」
・NFTマーケットプレイス「OpenSea」
・分散型ソーシャルグラフ「CyberConnect」
□インターネットブラウザ「Brave」
Braveは、Web3のプライバシー保護と広告ブロックを重視した次世代型の検索ブラウザです。
Braveは、個人情報を活用した広告をブロックでき、ページの読み込み速度改善やプライバシー保護を実現しています。
ブラウザ内で広告表示することも可能であり、その場合は視聴した広告数に応じて閲覧ユーザーに暗号通貨で収益が支払われます。
□NFTマーケットプレイス「OpenSea」
OpenSeaは、Web3の代表的なサービスの一つで、非代替性トークン(NFT)の取引を可能にするマーケットプレイスです。
会員登録をする必要がなく、仮想通貨ウォレットを連携するだけでNFTを購入できます。
決済情報を入力する必要がなく、情報漏洩の心配が少ない点も大きなメリットです。
OpenSeaは、様々なアート、音楽、ゲーム、スポーツ、不動産などのNFTを取り扱っており、オークション形式の販売にも対応しています。
□分散型ソーシャルグラフ「CyberConnect」
CyberConnectは、新しいタイプのSNSで、Web3の特徴を最大限に活用した分散型ソーシャルグラフです。
ソーシャルグラフとはSNSで形成される人間関係のことを指し、分散型ソーシャルグラフでは管理者が存在せず登録時の個人情報を入力せずに利用できます。
ユーザーが自身でフォロワーなどのデータを管理でき、仮想通貨ウォレットを接続するだけでアカウント作成できます。
Web3が抱える今後の課題
Web3はより分散化されたインターネットを実現するための技術であり、データの所有権やセキュリティの向上など多くのメリットがある一方、現在まだ解決すべき課題が残されています。
例えば、現在のブロックチェーンの処理速度における問題、Web3.0に関連したシステムを取り巻く法律や規制の問題などがあります。
また、Web3を活用するためには、技術的な知識やスキルが必要であることも課題の1つです。現在Web3を活用するためのツールやプラットフォームはまだ開発途上であり、その使い勝手や操作性に改善の余地があるという点も指摘されています。
これらの課題を克服するためには、技術的な改善のみならず、法律・規制の整備や普及促進活動などが必要となります。Web3が持つ可能性は大きいものの、今後解決すべき課題が多いというのも現状です。
まとめ
Web3は、ブロックチェーン技術を活用して、より分散化されたインターネットを実現するための技術です。
Web3を活用することで、セキュリティの向上や言論の自由の確保、データの所有権などのメリットが得られる一方、課題も残されています。
Web3に関する今後の動向を注視しつつ、自社の商品・サービスに取り入れられるよう情報収集を継続していきましょう。
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