クレジットカードの不正利用対策へ向けたソリューションを提供する(株)アクルが14日発表した『2023年度9月版 EMV3Dセキュア(2.0)導入義務化に関するEC担当者の意識調査』の結果によると、義務化を「知っている」と答えたEC事業者は86%に上っていた一方、導入コストや不正対策への効果に不安を抱いているEC事業者も見受けられた。
EMV3Dセキュア(2.0)の導入が義務化されることを知っていますか?
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導入に踏み切ったEC事業者は半数以上に
アクルが提供する不正検知・認証システム「ASUKA」を利用するEC事業者を対象に、9月に入って調査した。それによると、EMV3Dセキュア(2.0)の義務化について、2月時点では「知っている」としたEC事業者が76.0%だったのに対し、9月時点では86.0%と、EMV3Dセキュア(2.0)導入の義務化に関する認知度が高まりつつあることが確認された。
同時に「導入済み」が41.9%、「半年以内に導入予定がある」が14.0%と、半数以上がEMV3Dセキュア(2.0)の導入に踏み切っていることが判明。また、23.3%が「義務化までには導入したい」と回答していた一方、義務化が発表されている9月時点でも「導入していない」が16.3%、「予定はない」が4.7%と、導入に消極的な回答も得られた。
導入理由については、「不正利用を減らすため」(50.0%)、「チャージバックを減らすため」(40.0%)、「カード会社や決済代行会社/PSPからの要請」(6.7%)などだった。
また、EMV3Dセキュア(2.0)と不正検知ツール「ASUKA」を併用している48.8%が、「EMV3Dセキュア(2.0)だけだと不正対策が不十分と感じているため」。その他にも、「クレジットマスターと呼ばれる大量アタックへの対策目的」(16.3%)や、「不正対策への運用工数の削減目的」(16.3%)に併用しているEC事業者もいた。
EMV3Dセキュア(2.0)を導入していない理由としては、「カゴ落ちを懸念しているため」が39.3%と最も高く、次に「ASUKAで不正利用を抑えられているため」が28.6%、「EMV3Dセキュア(2.0)を導入するために開発費用がかかるため」が17.9%だった。開発コストも導入の課題となっていると考えられる。
EMV3Dセキュア(2.0)は導入していますか?
「義務化するべき」は25.4%
義務化については、25.4%が「義務化するべき」と回答。「どちらでもない」「カゴ落ちの実態が見えないので不安」が、ともに15.3%だった。その他、「導入したいECサイトのみが導入すればよい」(13.6%)、「導入にかかるECサイト側の負担を考えているのか不安」(11.9%)、「導入による不正利用減少の効果が見えないので不安」(10.2%)といった回答が得られた。
不正検知システムなどを用いて不正対策が十分な場合でも、3Dセキュアの導入が必須となるが、そうした状況下でどのような3Dセキュアの導入が望ましいと考えるか。「部分的な3Dセキュアが望ましい」と回答したEC事業者は68.4%、「全クレジットカード取引に3Dセキュアを通すべき」は31.6%だった。
EMV3Dセキュア(2.0)に期待していることは、「チャージバック負担がなくなること」「不正利用などの犯罪行為による被害者や被害企業の削減」「カゴ落ちしない仕組みの構築」。また、不満に感じていることは、「導入側の管理やコスト面」「顧客からの反応」「お店の状況に応じて不正検知が設定されるのかが疑問」「決済完了までのスピード」などが挙がっていた。
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