(株)アイスタイルが25日発表した『化粧品の情報収集実態調査』の結果によると、信頼できる情報源として、「サンプル・テスター」などリアルな体験が重視されていたが、若年層を中心に購入の決め手となるのは、「クチコミ」がより重視されていることが明らかになった。
情報源のトップ3は「Instagram」「@cosme」「楽天市場」
調査は6月13日と14日。直近1年間に@cosmeを含むインターネット・アプリで化粧品・美容関連(スキンケア・メイク・ボディケア・ヘアケア・サプリメント・美容家電など)の情報を収集し、購入した15歳~59歳の女性1600人を対象とした。
それによると、化粧品・美容関連商品を使用・購入する際に、信頼できる情報源(複数回答)は、「サンプル」(29.0%)が最多で、「友人・知人・家族」(26.8%)、「テスター」(21.9%)、「@cosme」(20.3%)、「Instagram」(20.1%)など。「サンプル・テスター」という実際に試せるものと、リアル・ネットを含めた「クチコミ」が上位を占めていた。
さらに、購入を迷っている時に、最終的な決め手・購入の後押しとなることの多い情報源は、「クチコミ(匿名の一般人、インフルエンサーなど使用者の声/テキスト、画像、動画問わず)」が、「サンプルやテスターでのお試し」を上回って、トップだった。
特に若年層ほど「クチコミ」を重視。同社は、SNSの使用率が高い、リアルな友人関係が多いことはもちろん、化粧品の使用経験が浅く、判断に自信が持てないということも関係しているのでは、と見ており、「サンプル・テスター」がトップにならなかった理由には、すべての商品で試せる環境が用意されていない現状も影響しているのかも知れないとしている。
では、どんなサイトやアプリ?
「Instagram」(38.2%)をはじめ、「@cosme」(34.5%)、「楽天市場」(34.1%)、「メーカー・ブランドのホームページ、公式アプリ」(31.4%)などが並んでいた。20代以下では「YouTube」が「Instagram」に次いで高く、10代では「TikTok」の使用率も50%を超えていた。SNSを利用するのは、「リアルなユーザーの声・評価を知るため」が38.4%と最も高く、「人気な・流行している・話題の商品を知るため」の30.0%を上回っていた。
また、「人気・話題の化粧品は、さまざまなメディア・媒体でとり上げられていることが重要」とする考え方が若年層を中心に高く、10代では約5割に及んでいた。しかし、情報収集にかけられる時間は限られ、例えばSNS以外で「SNSでも人気」と伝えたり、「ベスコス〇冠」といったように複数媒体で人気ぶりを伝えるコミュニケーションは効率的と言えそうだ。
半数が情報源を「2個以上」活用
実際に、1つの化粧品を知ってから購入に至るまで、幾つぐらいのインターネット・アプリの情報を参考にすることが多いのか。約5割が「2個以上」で、全体では平均1.8個、10代で2.1個と、若年層でより多くの情報に接していた。また、1番目・2番目に訪れるメディア・媒体は、全体でみると1番目は「Instagram」、2番目は「@cosme」だった。
順番の違いによる信頼度の違いを調べたところ、信頼度に違いはみられなかったが、一方で全体と比較すると1~2番目に訪れる人は、そのメディア・媒体に対する信頼度が高いことが分かった。さらに、訪れる順番の違いによる各メディア・媒体の利用理由の違いを調べたところ、より明確な理由で訪れていることが分かった。
実際に2番目の「@cosme」の閲覧状況を分析すると、@cosme外で行われている施策が影響することが分かっている。例えば、大手ECサイトでお得に買えるキャンペーンが行われている期間や、You Tubeでメイクアップアーティストが紹介した後などは、連動して閲覧数が増加する傾向がみられている。
心理学でも「カラーバス効果」「選択的注意」と言われるように、ある特定のことを意識すると関連情報が目に飛び込んでくるといった研究がある。より目的意識を持って訪れる人が多い媒体は、詳細な情報や想いが目に入りやすい環境であるといえるかも知れないという。
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