楽天(株)は17日、鳥取県とデジタル技術を活用した包括連携協定を締結した。楽天はこれまでにも、大分県や宮崎・都城市、宮城・釜石市などとも連携協定を締結している。
写真左が平井伸治鳥取県知事 、右が楽天の武田和徳 副社長執行役員 コマースカンパニー プレジデント
県内事業者のEC参入も支援、現地のキャッシュレス化の推進も
包括連携協定の主な内容は次の5項目。
- デジタルマーケティングを活用した県内への誘客、ファンづくりに関すること
- デジタル化促進による県内事業者の生産性向上に関すること
- デジタル化による県民生活の利便性向上に関すること
- 県内の次世代人材の育成に関すること
- その他、地域の活性化・県民サービスの向上に関すること
同協定を通じて楽天と鳥取県は、楽天グループが持つAI/Eコマース/デジタルサイネージ(電子看板)などに関わるテクノロジーを活用し、鳥取県の活性化を図る。
具体的には、
- 楽天会員数1億以上の顧客基盤を活用した鳥取県の観光プロモーションの立案と実施
- 県内事業者のEコマース市場への参入支援
- 中山間地域などの買い物困難者対策を目的としたIoT活用の実証実験
- 県内のキャッシュレス化推進
- 英語学習ツールの導入・共同開発
- 県内高校生に向けた地域課題解決プログラムの実施
などに取り組んでいく。
県内のIT利活用をより一層推進し、県外からの誘客を加速させるとともに、県内の事業者の生産性ならびに生活者の利便性の向上を目指す。
連携協定締結の背景としては、鳥取県は都道府県の中では人口最小県という課題を抱えている点にあるという。楽天は、最先端のデジタル技術を活用して生産性や利便性の向上を図りながら県の持続的な成長を支援していく。
楽天技研のVR・IoT技術を用い、中山間地域の買い物難民の支援も
また、中山間地域(※)などの買い物困難者対策を目的としたIoT活用の実証実験も実施していく。楽天技術研究所を通じて、VR技術を用いて遠隔地から3Dアバターを操作しながら、デジタルサイネージ越しの音声対話による接客システムの実証実験も行う。接客元の店舗や商材の選定は、現地と調整をしながら今後決定するとしている。
※=平野の外縁部から山間地にかかる地域のこと
楽天ではこれまでにも、同社が運営する旅行予約サービス「楽天トラベル」を通じて、11年から鳥取県庁や鳥取県旅館ホテル生活衛生同業組合とともに、鳥取県への観光客誘致に向けたウェブプロモーションを行ってきた。鳥取県には全国に知られた観光名所や特産品があるほか、人気アニメなどを通じた地域振興などにも積極的に取り組んでいることから、国内外からの注目が高まっている。
18年には「楽天トラベル」で、「訪日旅行(インバウンド)人気上昇都道府県ランキング」第1位、「秋の国内旅行人気上昇都道府県ランキング」第2位を獲得している。
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