(株)ユナイテッドアローズが5日発表した2021年3月期第1四半期(20年3~6月)連結決算は、売上高が前年同期比40.8%減の221億9800万円、営業損失が50億1900万円(前年同期は31億4300万円の営業利益)、純損失が35億8200万円(前年同期は19億1400万円の純利益)となった。
小売+通販の売り上げは37.0%減
新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う減収減益。ユナイテッドアローズの小売+ネット通販の既存店売上高は前年同期比37.0%減となった。実店舗売上高の大幅な低下が影響し、小売が同63.7%減となった。一方、ネット通販は在庫の集約やプロモーションの強化により、同39.6%増と大幅な伸びをみせた。
売上総利益は前年同期比53.1%減の96億3700万円となり、 売上総利益率は同11.3ポイント低下の43.4%。春夏商品の消化促進を目的に値引販売を拡大したことなどによる。販売費・一般管理費は同15.7%減の146億5600万円となり、販売費・一般管理費率は同19.7ポイント増の66.0%となった。売上の低下に伴う変動費の減や固定費の抑制などがあったものの、主にネット通販売上に向けた広告宣伝費の増などがあったことによる。
出退店では、6店舗の出店と1店舗の退店、アウトレット1店舗の出店を実施した結果、今期末の小売店舗数は219店舗、アウトレットを含む総店舗数は247店舗となった。連結子会社の状況については、上海の1店を除き、すべての子会社で減収減益となった。
「第5の大型事業の開発」準備
同社は通期のグループ経営方針として、「持続可能な収益体質の確立と次なる成長に向けた新たな価値の創出」を掲げている。既存事業については、実店舗とネット通販双方の成長をめざしながら収益力を上げていく方針。新規事業はユナイテッドアローズ、ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ、ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング、コーエンに続く、第5の大型事業の開発に向けて準備を進めている。
自社ECは72.2%増
重点施策として進めているネット通販の取組は、単体ネット通販売上が前年同期比40.2%増と伸長。中でも自社ECは72.2%増となり、通販売上に占める構成比でも同6.2ポイント増の33.2%となった。コロナ禍の3~6月に実店舗を利用できなかったハウスカード会員が自社ECを利用。利用会員は同70%増となった。うち、60%が初めての利用、新会員、休眠会員で、この実績は今後のOMO施策に有効に機能すると考えている。
併せて、SNSを活用した新たな取組も進めている。実店舗の休業により店頭以外での
顧客接点の維持と自社ECの利便性向上が狙いだが、店舗営業再開後も新たな接客の場をめざして継続している。4月には自社ECの商品ページから問い合わせができる「LINE接客」を開始したほか、インスタグラムでのライブ配信など、「オンライン接客」を加速させている。
通期業績予想は最大315億円の減少
また、未定としていた通期(20年4月~21年3月)の業績予想を公表した。売上高は1259億1500万円~1310億8300万円(前期は1574億1200万円)と、最大315億円の減少を見込んだ。営業損益は50億円~70億円(同87億5800円の営業利益)と予想した。なお、経常利益と純利益については引き続き、未定としている。
6月から全店舗での営業を再開し、業績は段階的に回復しつつあるが、コロナ禍の拡大懸念は今後も続くものと考えられ、売上高と営業損益は幅を持った予想とした。経常利益および純利益は合理的に見積もることが困難とした。
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