(株)ZOZOがこのほど発表した2021年3月期第3四半期(20年4~12月)連結決算は、売上高が前年同期比18.1%増の1084億8000万円、営業利益が同74.3%増の337億8500万円、純利益が同94.9%増の237億2500万円となった。
デジタルシフトのプラス影響がコロナ禍の消費活動減速を跳ね返す
商品取扱高は、前年同期比19.8%増の3042億4000万円。新型コロナウイルス感染拡大を契機としたデジタルシフトによるプラス影響が継続し、期初計画を上回って好調に推移。前年同期の暖冬と消費税増税によるマイナス影響の反動もあってデジタルシフトによるプラス影響が加速傾向にあり、 コロナ禍での消費活動の減速によるマイナス影響を大幅に跳ね返して着地した。商品取扱高、営業利益ともに四半期では過去最高実績となった。
売上高については、主に受託ショップで商品取扱高の成長率が前年同期比で上回ったが、ZOZOUSEDやPB事業の規模縮小などがマイナスに影響し、全体では前年同期比で商品取扱高成長率を下回る伸び率となった。利益面では、営業利益率(対商品取扱高)が11.2%と、同3.6ポイント上昇。要因として「ZOZOARIGATO」などの値引きコストの減少に伴う粗利率の改善、プロモーション関連費用やPB関連などスポット費用の減少が挙げられる。
ZOZOTOWN事業は増収増益
受託ショップ、買取ショップ、ZOZOUSEDの3つの事業形態で構成するZOZOTOWN事業の商品取扱高は前年同期比9.2%増の2668億4500万円で、構成比は87.7%。売上高は同10.4%増の844億6900万円だった。新規出店ショップ数は47ショップ(前四半期比純増29ショップ)となり、アクティブ会員数が前年同期比、前四半期比ともに増加したことにより、年間購入者数も増加した。
受託ショップの商品取扱高は2580億6700万円(前年同期比11.0%増)、売上高は757億2400(同16.2%増)。20年12月末現在、1427ショップ(20年9月末1399ショップ)を運営している。また、買取ショップは、商品取扱高が2億2800万円(同37.1%増)、売上高は228百万円(前年同期比40.5%増)。20年12月末現在、6ショップ(20年9月末5ショップ)を運営している。ZOZOUSEDの商品取扱高は85億4900万円(同27.6%減)、売上高は85億1700万円(同23.9%減)だった。
「PayPayモール」取扱高は161億円
ヤフー(株)が運営するオンラインショッピングモール「PayPayモール」での商品取扱高は161億2900万円、商品取扱高に占める割合は5.3%(同0.2%)となり、売上高は47億1700万円となった。ユーザーの体型に合わせた自社企画アパレル商品を販売するPB事業は、商品取扱高が1億8600万円(同79.8%減)、売上高は1億8600万円(同79.6%減)だった。
ユーザーが身長・体重情報を入力することで、推奨サイズの商品を提供するMSP事業は、
商品取扱高が9億8300万円(同121.9%増)、売上高は9億8300万円(同122.9%増)となった。 ブランドの自社ECサイトの構築及び運営を受託しているBtoB事業は、商品取扱高が166億2900万円(同117.9%増)、売上高(受託販売手数料)が31億7200万円(同105.3%増)となった。20年12月末現在の受託サイト数は55サイト(20年9月末54サイト)。
業績予想を上方修正
こうした業績動向などを踏まえ、20年7月に公表した21年3月期の通期予想を上方修正した。商品取扱高は当初計画 3873億万円を上回る4090億円(前期比18.5%増)に。売上高は1437億円から1450億円(同15.5%増)、営業利益は395億円から415億円(同48.8%増)、純利益は276億円から285億円(同51.6%増)をそれぞれ見込んだ。
コロナ禍に伴う消費者のデジタルシフトによる新規獲得会員の増加に加え、商品供給元であるブランド各社の同社サイトでの販促積極化による影響が、外出自粛に伴うファッション・アパレル商材の需要低下の影響を上回り、業績は順調に推移している。第4四半期は来期以降の持続的成長に向けた投資も視野に入れている。
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