楽天グループ(株)が13日発表した2021年12月期第1四半期(21年1~3月)連結決算は、売上収益が前年同期比18.1%増の3915億
1300万円、営業損失が373億4000万円(前年同期は240億5400万円の営業損失)、純損失が251億4300万円(前年同期は353億1900万円の営業損失)となった。
国内EC流通総額は22%増の1兆1000億円
売上収益は第1四半期としては過去最高。インターネット・ショッピングモール「楽天市場」の送料無料ラインの統一施策の奏功や、コロナ禍に伴う巣ごもり消費などを背景に、楽天市場などで増加した顧客の定着が進み、国内EC取扱高が大幅な伸びを続けている。一方で、モバイルの自社基地局設置などの先行投資が継続中のため、減益となった。
インターネットサービスセグメントの売上収益は2121億1700万円(前年同期比17.6%増)、セグメント利益は412億800万円(同3億3400万円の利益)。主力サービスの国内ECサービスの流通総額は同22.4%増の1兆1000億円、ショッピングECは同33.9%増となり、売上収益は同27.4%増の1582億6300万円。営業利益は同19.8%増の126億5000万円で、マーケットプレイスビジネスは堅調に利益を拡大し、物流関連投資の赤字幅は縮小している。
各ECサービスの利用者が順調に増加、Rakuten SEIYUネットスーパーは55%増
楽天市場は、前期に引き続き好調。ユーザーあたりの購入額は前年同期比15.5%増、同じく購入頻度は同15.9%増と順調に拡大している。好調さは各ECサービスのユーザー数にも。今期1回以上購入した利用者は、楽天市場が同16.4%増、Rakutenブックスが同22,6%増、Rakuten Fashionが同47.9%増、Rakuten SEIYUネットスーパーが同55.6%増となった。
物流面では、楽天スーパーロジスティクスの利用店舗数、出荷数とも引き続き拡大。3月の利用店舗数は前年同月比72.5%増、出荷量は同134.2%。利用店舗は高い売上成長率を実現しており、70%以上の商品を出荷する店舗の月次平均で、全店舗より24.1ポイント高くなっている。また、ネットスーパーの流通総額は前年同期比29.9%増と拡大。対応するため、専用の物流センターを横浜市で1月に稼働、22年には大阪府茨木市でも本格稼働させる。
物流事業は、日本郵便(株)との合弁会社に承継させることを予定しており、承継会社のJP楽天ロジスティクス(合)は、第3四半期から同社の持分法適用関連会社となる。
フィンテックの売上は8.2%増・利益は23%増
フィンテックの売上収益は1515億7200万円(前年同期比8.2%増)、セグメント利益は245億5000万円(同23.8%増)。各サービスで顧客基盤の拡大が続き、売上収益、カードショッピング取扱高などが伸長。ECとの親和性の高さに加え、独自のマーケティング施策が奏功し、楽天市場の流通総額に対する楽天カードの決済比率は66.8%と高成長に寄与している。
モバイルは、売上収益が686億3100万円(前年同期比38.6%増)となったが、自社基地局設置等の先行投資が継続中のため、セグメント損失は972億4500万円(前年同期は 365億9300万円の損失)を計上。自社回線エリアの拡大や、1月に発表した新料金プラン『Rakuten UN-LIMIT VI』へのアップグレードの好評などで契約申し込みが加速し、累計契約申込数は400万件を突破。5月11日時点で410万件となっている。
楽天モバイル契約者の18%が新規楽天ユーザー、クロスユースが拡大
契約申込者のうち、18%が新規の楽天ユーザーで、モバイルがきっかけのクロスユース拡大にもつながっている。契約前に利用経験がなかったユーザーのうち、楽天市場は3人に1人、楽天ペイは6人に1人、楽天カードは7人に1人が契約後に利用を開始。フィンテックサービスとのシナジーも顕著で、楽天カードは65%、楽天ペイは34%に利用実績があった。
今期末時点での4G人口カバー率は80%を達成。4月に「第5世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画に係る認定」を受けたことによる、東名阪を除くエリアで の通信基地局の開設については、主に22年度以降を見込んでいる。
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