毎年恒例の『@cosmeベストコスメアワード』は、@cosmeメンバーから寄せられたクチコミ投稿をベースに、いま生活者が支持している商品を表彰するアワードだ。中でも「上半期新作ベストコスメ」は、この半年間（20年11月～21年4月日）に発売された新商品を対象としており、「@cosmeベストコスメアワード」の上半期における新人賞となっている。

上半期の主な傾向は、やはりコロナ禍の影響。気軽に買いに行けない、テスターを試せないという環境が長期化しており、これを機にECで購入する生活者も増えている。しかし、EC購入で失敗もしたくないという状況で、「必要な情報を届けたい」という生活者同士の「助け合い」的な気持ちがクチコミ投稿の促進につながった。

総合大賞に輝いたキャンメイク『プランプリップケアスクラブ』は、「マスクの着脱による急激な乾燥の悩み増加」「マスクへの色移りを懸念してカラーリップを使用しない人が増加」「色残り重視のティントリップの需要増加に伴う荒れへの懸念」という市場動向を受けた。当初限定品として販売していたが、大きな反響を受けてこの夏に定番化を発表している。

また、総合5位となったマキアージュ『ドラマティック ヌードジェリー BB』は、資生堂初の4か月というスピード発売を実現。また、総合8位の Fujiko『フジコ ニュアンスラップティント』は、マスク生活のために企画開発されたリップだ。発売2日で6万9000個、店頭では品薄が続くなど、「リップ戻りを牽引したアイテム」として店頭バイヤーを驚かせた。

総合受賞商品には、マスクを外した時でも自信が持てるような商品も。総合4位のセザンヌ『ウォータリーティントリップ』などは、ドラッグストアなど生活圏内で手軽に化粧品を購入できることが支持のポイントの一つになった。

さらに、「生活に変化を、美容にエンタメを」という動きも。総合3位のKANEB『カネボウ スクラビング マッド ウォッシュ」は、「崩壊性スクラブ」配合という新しさ。総合6位のエリクシール『エリクシール ルフレ バランシング みずクリーム』は、クチコミで「こし餡」「白あん」と表現され、新しいテクスチャーが面白いと評価されている。総合2位のSUQQU『シグニチャー カラー アイズ』はアイシャドウの色味や組み合わせ、総合10位のディオール『ディオールスキン フォーエヴァー クッション パウダー』はパッケージの可愛さが評価されていた。

 

集計期間中、@cosmeには54万6134件のクチコミ投稿があった。20年上半期時より約23％増となり、過去数年の上半期と比較しても大幅に増加。投稿数大幅増の動きは20年から続いており、背景にはコロナ禍が大きく影響している。

一方、集計期間に発売された商品数は前年同期比－16％と新商品の数は減少。コロナ禍が原因とは言い切れないが、企業側が消極的にならざるを得なかったことがうかがえる。これに呼応するように、生活者のクチコミ投稿数も新商品に限っては同±0％。先行き不安や経済不安から「安心感」を求める心理が高まったともいえそうだ。

そんな中、新たな「マスクニーズ」に対応した商品に支持が集まった。苦境の中で発売された新商品で「マスク」という訴求ワードの出現率は昨年同期比で17倍に激増。単に「マスク」というワードが増えているだけでなく、マスク着用から起こる「こすれ」や「肌のゆらぎ」、ウイルスをブロックしたい気持ちや、長期化するさまざまな行動制限のある生活から受ける疲れを意識して「疲れる」という訴求ワードも増えていた。

『@cosmeベストコスメアワード2021 上半期新作ベストコスメ』には、総合賞のほか、アイテム賞、SHOPPINGベストヒット賞などがあり、台湾でも同時発表された。また、29日14:00～15:30には、「2021年上半期ベスコス受賞アイテムから読み解く、今のユーザーの気持ち」「ベスコス受賞ブランドと語る　商品開発に込めた想いと生活者に寄り添う商品の届け方」をテーマにしたウェビナーの開催を計画している。

■『@cosmeベストコスメアワード2021 上半期新作ベストコスメ』

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