(株)アイスタイルが16日発表した2021年6月期(20年7月~21年6月)連結決算は、売上高が前期比1.3%増の309億5000万円、6億400万円の営業損失(前期は23億2500万円の営業損失)、3億7900万円の純利益(前期は50億2000万円の純損失)となった。
大型旗艦店「@cosme TOKYO」や香港店舗の業績不振で全体が赤字に
売上高は、Beauty Service事業のECの業績貢献で前期同水準での着地となった。営業利益は、コロナ禍の影響を大きく受けている大型旗艦店「@cosme TOKYO」、香港店舗の業績不振で連結全体で赤字となったが、Global事業をはじめ各事業の収益性改善により、前期比で赤字額を約17億円縮めた。
コロナ禍、緊急事態宣言下という依然として厳しい状況だったが、第4四半期では営業利益の黒字化を達成。通期の営業利益率でも前期比7.6%減から2.0%減まで改善したことにより、通期の黒字化に近づいた。最終利益は同54億円改善し、黒字で着地した。
「On Platform事業」は減収増益
コスメ・美容の総合サイト「@cosme」を基盤とした各種サービス(BtoB、BtoC)が属している「On Platform事業」の売上高は前期比9.6%減の69億8100万円、営業利益は同10.0%増の 13億1300万円となった。
クライアントの予算の保守化が継続していることを受け、広告・ソリューションサービスが減収となった。マーケティングサービス「ブランドオフィシャル」による分析と、それに基づいた広告・販促プロモーション施策、同社ECでの一貫した販売戦略を実施し、売上高は前期比で増収となった。ブランドオフィシャルの導入数も、大きく増加に転じた。営業利益は、前期に発生した一過性のソフトウエア償却費が今期はないため、増益となった。
「Beauty Service事業」は赤字幅が縮小
化粧品ECサイト「@cosme SHOPPING」の運営、化粧品専門店 「@cosme STORE」や大型旗艦店の運営など、国内の小売業を中心としたサービス「Beauty Service事業」の売上高は、前期比19.3%増の182億6000万円、営業損失は2億7100万円(前期は6億8500万円の営業損失)となった。
ECは、外出自粛による需要増や、スペシャルイベント「@cosme Beauty Day」の寄与、継続的なMD強化やキャンペーン施策などにより、 売上高は前期比38.9%増と引き続き高い成長率を維持している。店舗は、緊急事態宣言の影響で来店客数が減少したこともあり、依然として厳しい状況が続いているが、大型旗艦店の売上寄与により増収となった。
営業利益は、ECの大幅な成長や店舗での経費削減、大型旗艦店のオープン前の先行費用がなくなったことなどで赤字幅が縮小、下半期は黒字に転換した。
「Global事業」も赤字幅を縮小
国外で展開するEC・卸売、店舗、メディアなどのサービスが属している「Global事業」は、売上高が前期比24.5%減の46億6000万円、営業損失は1億5700万円(前期は7億8900万円の営業損失)となった。
EC・卸売は、売上拡大より黒字化を優先する方針に前期から転換したことに加え、マレーシアのEC運営会社を譲渡したことで減収となった。店舗は、香港で客足の戻りが鈍いことや、第3四半期に台湾の4店舗をすべて閉鎖したことにより減収となった。営業利益については、前期から実施している不採算事業の整理・撤退により赤字を大幅に縮小。営業損失1100万円と黒字化目前にまで収益性を改善した。
来期の22年6月期(21年7月~22年6月)の通期業績予想は、売上高が前期比26.7%増の392億円、営業利益が5億円(前期は6億400万円の営業損失)、純利益は同20.9%減の3億円を見込んだ。収益部門のOn Platform事業とBeauty Service事業のECの成長に引き続き注力し、営業利益の黒字化をめざす。
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