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2021.09.01 通販会社

LTV重視の時代!北の達人×アドエビスが語る、高利益率を実現する広告評価とは

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 EC/D2C市場が活発化する一方、Web広告を取り巻く環境も目まぐるしく変化をしている。そんな中でEC/D2C事業者は「利益重視」の意識を高め、「LTV」を加味した広告投資評価の必要性に迫られている。EC/D2C事業者が今おさえておくべき「利益重視マーケティング」の考え方とは何か。「売上最小化、利益最大化」を掲げ利益率29%を叩き出した(株)北の達人コーポレーションの木下勝寿社長と、広告効果測定プラットフォーム「アドエビス」や、その新機能であるLTV予測を実現する「LTVForecast」を提供する(株)イルグルムの岩田進社長、アドエビス推進事業本部 企画部の笹井俊宏課長の3人に語り合ってもらった。

 
写真左からイルグルム岩田社長・笹井課長、北の達人コーポレーション木下社長



集客が難化傾向→LTVへの意識が重要に


ーーはじめにD2CやWeb広告を取り巻く環境についてお感じになっていることを伺いたいです。

北の達人コーポレーション 木下勝寿社長(以下、木下):当社では「競争するより新しい市場を創造する」というスタンスで事業を展開しています。既に市場に出回っている商品領域で競合からシェアを奪ってもしょうがない。パイの取り合い合戦をするような仕事には時間を割きたくないと考えています。ですので、既存市場にあるものより良いもの・新しいものを開発して新たな市場を生み出す、ということに重きを置いています。大手が参入するには小さく、中小企業がやるにはハードルが高いというようなニッチな部分で市場を創造していくという戦略を取っています。そんななかでD2Cについては、新規参入が増える中で表面的に他社の真似をした商品が多くなったなという印象があります。

 
北の達人コーポレーション 木下社長


 Web広告を取り巻く環境についていうと、Cookie規制などによってリターゲティング広告(以下、リタゲ)などが苦しくなってきているのは感じます。リタゲは広告クリエイティブが弱くても、ある程度狙い通りの層に露出できるので効率が良いというメリットがありました。逆に言えば、強い広告クリエイティブを用意できる広告主であればリタゲでなくても十分獲得できるはずです。当社も広告クリエイティブには自信があるので、昨今のリタゲ規制は逆に追い風とも捉えられるかなと感じています。

イルグルム 岩田進社長(以下、岩田):全体的にWeb広告による集客が難しくなってきていると感じます。ネット人口に頭打ち感があるのをはじめ、木下社長が言われたように行き過ぎたターゲティングに対する規制などさまざまな変化が起き、集客の難易度がどんどん上がっていると思います。

イルグルム・笹井俊宏課長(以下、笹井):「投資した広告費は一発で回収できる」というような時代は確かにありました。しかし、新規参入も激増し、状況は変わっております。事業者さんはLTVをいかに高めていくか、という部分を重視するようになってきたと感じています。

岩田:企業が目指すところは何か、を考えるとその先にあるのはいかに“利益を重視するか”です。利益を得るために「顧客(ターゲット)は誰なのか」「どんなインサイトがあるのか」「刺さるクリエイティブはどんなものか」「最適なメディアはどこか」といったデータを、正確かつスピーディーに収集し計測、分析して活用することが重要です。我々は広告効果測定プラットフォームである「アドエビス」の提供を通じてこの部分を支援してきました。直近では、LTV予測の可視化など、デジタルマーケティング周辺のカバー領域を広げており、企業の利益向上に貢献するためのサービスを提供しています。

 
イルグルム 岩田社長

利益率29%を支える2つの指標「上限CPO」「時系列LTV」


ーー北の達人コーポレーションでは売上よりも利益を重視し「売上最小化、利益最大化」を推進していると聞きます。

木下:売上がどんなに上がったとしても、利益がなければ今日のご飯も食べられません。売上というのは企業が事業を行う上で、あくまでもプロセスでしかないのです。まず売上があって、最終的に残るものが利益です。この利益が無ければ、どんなに大きな売上を出しても意味がないのです。至極当たり前のことなのですが、売上と利益についてわかってない人は意外と多いなと感じます。

 まずこの感覚があった上で、EC/D2Cでどうやって利益を確保していくか、最大化するのかという所で「CPO」や「LTV」をどう考えるかが重要になってきます。このLTVについても、計算せずに広告を投下している事業者は多い印象がありますね。

 



ーー北の達人コーポレーションではCPOやLTVについてどのように算出や管理をされているのでしょうか。

木下:当社では利益最大化にむけて「上限CPO」そして、「時系列LTV」という管理指標を用いています。

 例えば、当社のお客さまの場合、新規として獲得してから大体継続4カ月で投資を回収できるだけの売上が発生します。要は継続5カ月目以降から利益になるということです。まず前提として、投資回収期間をこのスピード感で実現できるようにするため、指標として上限CPOを設けています。例えば獲得の上限CPOを1万円とすると「お客さま1人を獲得するのに1万1円以上かかるのであればやらない方がいい」と考えます。「1万1円以上かけても、5カ月目以降でも最終的には儲かるかもしれない」という考え方もありますが、当社はそうしたかたちで広告を続ける曖昧なジャッジはせず、ストップをかけるときはすぐ判断します。上限CPOを決めておくとこの判断がすぐできるようになります。

 次にLTVです。年間の売上を年間の顧客数で割る、というのが一番単純なLTV算出の仕方ですが、会社によって定義が違うので一言では説明が難しいところです。当社では、「時系列LTV」という考え方で算出しています。これは、顧客・商品ごとのLTVを時系列別で出すものです。時系列とは月ごとにLTVを算出するということで、例えば「初回購入」、「初回購入から1か月間」といったように期間ごとのLTVを算出していきます。この方法で管理することによって、時系列別の利益状況が把握できます。そうすると上限CPOの設定ができますし、広告投資の最適な判断が可能になるということです。

 「上限CPO」「時系列LTV」と、細かく設計・管理をすると広告運用メンバーの認識を共通化できます。この考え方を用いることで当社は利益率29%を実現できました。
 

LTV予測によって最適な広告投資判断を


ーー利益最大化に向け、実際にCPOやLTVの管理を徹底できているEC/D2C事業者はどれほどいるのでしょうか。

木下:商品ごとにLTVを算出して広告投資判断をしているEC/D2C事業者は多いと思います。ただ、例えば広告媒体別のLTV把握などまでできているところは少ないのではないでしょうか。当社のように時系列別などで細かくLTVを設計できている企業というのは、実際聞いたことがないですね。細かくLTVを算出・設計していくというのは、業務フロー上の課題がネックになっていて、やりたくてもできないという事業者もいるのではないかなとも思います。

笹井:広告を取り巻く環境も変化していく中で、EC/D2C事業者はとにかく広告費をかけていき勝負するという事態から抜け出していかなければいけません。そこで当社ではLTV予測を通じて、どこに投資すべきなのかを可視化する「LTVForecast」という新機能を今年6月から「アドエビス」内で提供を開始しました。

 
イルグルム 笹井課長


 これは独自ロジックにより、最短1カ月でLTVの予測を算出して見える化するというものです。従来であればLTVは実測ベースから算出するしかなく、そのため予測するにも元データを取得するのに1~3年という時間がかかっていました。「LTVForecast」を活用いただければ、「データが蓄積できるまで待つ」必要もありませんので「LTVを基準とした広告運用・投資判断を行いたい」「広告別にLTVを算出したい」というEC/D2C事業者にはぜひ活用していただきたいと考えています。

 LTV予測から広告投資判断が行えるので、目標の投資回収期間に対してどれくらいで着地するかを確認できます。スピーディーな広告予算の再配分や意思決定をサポートしますので、北の達人コーポレーションさんが実践しているような利益最大化の仕組みづくりを支援できます。

 
「LTVForecast」の管理画面イメージ


岩田:「LTVForecast」の開発には、北の達人コーポレーション様の田岡敬社外取締役にも携わっていただいています。田岡さんは「アドエビス」のヘビーユーザーということもあり、「アドエビス」をさらに進化させるため、今回の機能開発に協力していただきました。「LTVForecast」はJIMOSやETVOSといった数々の名だたるD2C企業のマーケティングを牽引してきた田岡さんのノウハウと、アドエビスの技術を融合することで、これまで困難だった利益ベースのLTV予測を実現しています。





木下:LTVがわかると、上限CPOが算出できます。そうなると新卒社員でも広告運用のコントロールがしやすくなりますよね。1円でも超えてはいけないラインがわかれば、ノウハウがない社員でも仕事をする難易度が下がります。上限CPO超える広告は全てストップすればいいですからね。

 上限CPOを見ていれば「実は利益につながらない広告」が一目瞭然です。ここをコントロールできれば、事業主側も無駄な広告費を抑えられます。無駄な広告が市場全体から減ってくると広告費の相場も下がるはずです。さらに、ユーザーにとっても無駄な広告がなくなれば、ターゲティング精度の高い広告が表示されやすくなり、興味のある広告の割合が高くなるはずです。現状は、多くの企業がこぞって利益の出せない無駄な広告を出しあっていて、広告媒体以外は誰も儲からない悪循環にあるように感じます。

 「LTVForecast」を多くの企業が活用して最適な広告投資ができるようになると、各企業の利益が上がり、ユーザーも無駄な広告に接触しなくて済むという素晴らしい循環をもたらせるのではないかと感じます。

岩田・笹井:ありがとうございます。

岩田:当社としても「LTVForecast」は各EC/D2C企業のオペレーションの次元を引き上げるソリューションとなればと思います。

笹井:「LTVForecast」はテクノロジーファーストではなく、理想の運用ができることを重要視して設計しました。EC/D2Cの事業会社さんにとって理想のオペレーションをご支援できると考えています。
アバウトなLTV管理から今すぐ脱却→利益重視の広告評価へ

ーー「LTVForecast」の導入も含め、こうしたLTVを徹底管理していくといった考え方はどのタイミングで取り入れるのがベストでしょうか。

木下:どこのフェーズにいたとしても、LTV管理をしっかりとできていないのであれば今すぐやったほうがいいと思います。ほかの事業主の話などを聞いていると、大手企業であってもLTV管理はかなりアバウトというような話も耳にします。売上は増えているが「利益が把握できていない」「イマイチ自分たちの仕事が生み出している利益がわからない」というところは少なくないのだと思います。こうした場合、すぐに取り組むべきです。

 また「LTVForecast」を入れてLTV予測ができれば、誰でも最適な広告コントロールができるという点で組織形成にも非常に役立つと思います。


ーー「LTVForecast」は業務効率化にも役立てると伺いました。

笹井:はい。LTV予測のためのデータ取り込みとして(1)受注データのアップロード(2)広告費や商品原価など変動費の登録(3)環境設定の3つのSTEPで、LTV分析に必要なデータの統合・集計・可視化をします。

 

 広告側のデータと受注データをかけあわせた算出といった複雑な部分まで「LTVForecast」が行うので、俗人化や人的ミスの排除もでき、工数削減にも貢献できると思います。

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▽イルグルムの提供するアドエビスの新機能「LTVForecast」の詳細はコチラ▽
 

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北の達人コーポレーション、売上高1000億円/利益300億円へ


ーー最後にそれぞれ今後の展望についてお聞かせください。

木下:これまでは売上高100億円を目標に、競合がいないようなニッチな商品で売上高10億円のポテンシャルがある商品を10個作ろう、というスタンスで業務を推進してきました。今後は1事業で売上高100億円を目指しつつ、売上高1000億円・利益300億円に到達できるようになりたいと考えています。

岩田:広告効果測定プラットフォーム「アドエビス」を通じたマーケティング支援の強化はもちろん、今回お話しさせていただいた「LTVForecast」のように、デジタルマーケティングにおける周辺領域のサポートをさらに拡充していきたいと思っています。これまで以上に幅広いマーケティング支援を企業様に提供できればと考えています。

ーー本日はありがとうございました。












 




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