(株)メルカリが、(株)アイスタイルと共同で実施した『化粧品/コスメの二次流通市場に関する調査』の結果によると、2020年の二次流通市場規模は推計1555億円。使ったことがない化粧品を試すための「トライアル消費」を、二次流通市場利用者の40%が経験し、その額は275億円に上ることが明らかになった。
直近6カ月で二次流通市場の購入歴がある人は10%
両社の包括連携協定の一環として、化粧品/コスメの二次流通市場がもたらす一次流通市場への影響を分析した。調査時期は9月。15~69歳の男女を対象にした事前調査は2万人。直近6か月に二次流通市場で化粧品/コスメの購入経験がある1500人と、購入経験はないが新品での購入経験のある500人を本調査の対象とした。
2万人のうち、直近6か月で化粧品/コスメの商品をフリマアプリやオークションサイトなどの二次流通市場で購入したことがある人は10.0%。ここから市場規模を推計したところ、年間1555億円となった。また、二次流通購入者1500人のうち、お試しを主目的とするトライアル消費は40.1%に達していた。トライアル消費の総額を推計したところ、年間275億円に上った。
トライアル消費の理由1位は「 新品で買って失敗したくなかった」
トライアル消費の理由は、1位が「店頭や通販サイトなどで新品で買って失敗したくなかった」(43.5%)、2位が「通販で買うことが多く、購入前に試したかった」(35.9%)、3位は「コロナ禍で化粧品・コスメを通販で買うようになり、店頭で試せなくなったため」(35.2%)だった。
二次流通市場での購入金額や出品金額などの要素を加味した独自の分析モデルで、二次流通市場の利用による一次流通市場への消費喚起効果を推計したところ、二次流通市場の「購入」利用による消費喚起効果は年間52億円、「出品」利用による消費喚起効果は年間153億円となり、合わせて年間205億円の消費喚起効果が生まれることが分かった。
二次流通購入者と非購入者に「消費意識」を調査したところ、両者の意識差TOP3は、1位が「新しい商品はできるだけ試す」(28.3pt差)、2位が「普段から化粧品/コスメの情報を収集する」(25.9pt差)、3位が「高価な化粧品/コスメをよく買う」(24.2pt差)だった。
「トライアル消費実施者」の一次流通市場での平均購入金額は2万4206円
直近6か月で、化粧品/コスメの平均購入金額を調査したところ、「トライアル消費実施者」の一次流通市場での平均購入金額は2万4206円、二次流通市場での平均購入金額は1万2906円となり、合計3万7112円だった。
二次流通購入者では、一次流通市場での平均購入金額が1万8882円、二次流通での平均購入金額が9497円となり、合計2万8379円。二次流通非購入者は一次流通市場での平均購入金額が9207円。一次流通市場だけでの平均購入金額を比較すると、トライアル消費者が最も高く、二次流通非購入者の約2.6倍になっていた。
調査を監修した国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授によると、「興味深いのは、20年の調査では「購入」行動はマイナスの影響を与えていたが、それプラスに転じたこと。これまで代替関係にあったものが、二次流通市場が成長する中で、むしろ一次流通市場を拡大するようになったといえる。二次流通市場自体が今後拡大することで、トライアル消費も増え、新品市場にもよりポジティブな影響があるだろう」と分析している。
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