(株)インテージが13日発表した『コロナ禍で過ごすクリスマス』の意識と行動調査によると、キーワードは「家族・家庭」、リベンジ(復讐)ではなくリカージョン(回帰)。2021年のクリスマス関連の市場規模は昨年を大きく上回る2兆816億円を予測した。
クリスマスの予定(2019年・2020年・2021年の推移)
すべての項目が前年比を超過、自宅でパーティーの予定がコロナ前を上回る
調査は1~2日。クリスマスシーズンを前に、全国の15歳~79歳の男女2101人を対象に聞いた。それぞれの回答には「昨年よりも楽しみたい」という期待がにじみ出ていた。
クリスマスに何らかの予定がある人は全体の47%。女性は53%で、男性より12ポイント高かった。「プレゼントの購入(自分用を含む)」(30%)、「自宅でのクリスマスパーティ」(25%)が多かった。一方で少数だったが、自宅を離れての「クリスマスイルミネーションを見に行く」(5%)、「レストランなど飲食店で食事をしたりクリスマスパーティ」(4%)もみられた。
19年、20年からの変化をみると、昨年のクリスマスに対してはすべての項目で増加していた。「自宅でのクリスマスパーティ」がコロナ前の19年を上回っている一方で、「クリスマスイルミネーションを見に行く」や「レストランなど飲食店で食事をしたりパーティ」といった外出や移動を伴うイベントについては、昨年よりも増加したものの、19年より大きく減少していたりと、生活者の感染不安を反映して安心・安全を念頭に置いた行動になっているように映った。
「一番高いものは子ども向け」とした人のプレゼントの内訳
子供向けのプレゼントで購入予定1位は「ゲーム」
プレゼントや食事など、クリスマスを機会としたイベントへの支出は、平均金額が2万1331円と、昨年から4700円ほどアップしていた。自宅でのパーティやプレゼントを中心にしたクリスマスを念頭に置きながらも、昨年よりもお財布の紐は緩みそうな気配。プレゼントを贈る相手は「子ども」50%を占め、次いで「夫・妻」が37%。また、ご褒美消費とも呼ばれる「自分用」も11%。「自分用」は10代が目立ち、同時に10~20代は「恋人」も10%いた。
今年のクリスマス関連のイベントで最もお金をかけるものは、「子ども向けのプレゼント」が24%で最も高く、「自宅でのクリスマスパーティ」(21%)が続いた。30~40代は「子どものプレゼント」か「夫・妻」が高く、10~20代は「恋人へのプレゼント」が高くなる傾向があった。
「子ども向けのプレゼントに一番お金をかける」と答えた人の購入予定商品は「ゲーム」(35%)が最も高く、平均金額は「1万2085円」だった。「ゲーム」に次ぐ「その他」の内訳は、ゲーム以外の「おもちゃ」が大半を占めた。
21年のクリスマス関連市場規模は前年比128%増の2兆816億円に
こうした調査結果と15~79歳の推定人口から「クリスマス関連市場規模」を試算したところ、19年は2兆1456億円、20年は1兆6220億円(前年比76%)だったのに対し、21年の見込みは2兆816億円(前年比128%)となった。19年比では97%とわずかに下回ったが、生活者のお財布の予算は19年度並みに戻りつつあるようだ。
過ごし方に関する考えや行動については、「家族や恋人など少人数で会食程度に留めたい」が29%。また、「少人数でも会食などはしない」(10%)」や「繁華街など人の多い場所には近づかない」(21%)」といった感染への警戒心からの行動抑制も浮き彫りになった。
新規感染者数が減少し、明確な再拡大は確認されていないものの、これまでのたびたびの再拡大やブレークスルー感染、さらには調査後のオミクロン株の確認など、21年のクリスマスも手放しで楽しめる状況には戻っていない生活者の心理状況の持続が浮き彫りに。
こうしたことから、「安心できる自宅で、少しだけ贅沢なおいしい食事やお酒を準備して、妻や夫、子どもにプレゼント、という「家族・家庭」をキーワードとしたシーンが浮かんでくる。コロナ不安で抑制していた欲求を解放するのではなく、自分にとって大切にすべきものを再認識してより豊かな時間を過ごしたい――。同社は、リベンジではなくリカージョンといった想いを映したクリスマスになるのでは、と想定している。
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