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2022.11.01 コラム

BNPLはどんな決済方法?利用メリットやクレジットカードとの違い

 近年、国内外で市場が急成長している「BNPL」という決済サービスをご存じでしょうか。BNPLとは後払い決済サービスの呼称の一つで、クレジットカードとは異なる新しい決済方法です。本記事ではBNPLの仕組みや利用するメリット、国内サービス例などを解説します。(2022年4月初出/2022年11月改稿)

BNPLとは?

 BNPLとは、「Buy Now Pay Later」の略称です。「今買って後で支払う」という後払いの仕組みのことを指し、要は「後払い決済」のことです。近年、急速に普及している決済方法となり、主にECサイトなどで利用することができます。

 欧米企業を中心に広がりつつあり、日本国内でも徐々に導入する企業が増えているようです。従来のクレジットカード決済に代わる方法として今後主流となってくることも想定されますが、BNPLの仕組みや特徴についてしっかり理解しておくことが重要です。

BNPLの仕組み・特徴

 BNPLは従来のクレジットカード決済と同様に、決済手数料を店舗側が負担することで成立する決済の仕組みとなっています。

 実際に利用者がBNPLを決済方法として選択することで、その場での支払いが発生せずに購入完了となります。その際にBNPL事業者が決済金額を立て替え、店舗側に支払う流れとなります。(決済手数料は店舗側が負担することになります。)

 そのため店舗側が決済手数料を負担することがBNPL導入に迷うポイントになりがちです。しかし、今後若い世代を中心に需要が出てくることも予想されるため、早めに導入しておくメリットはあると考えられます。

BNPLと従来の後払い決済との違い

 日本国内ではこれから普及すると見られているBNPLですが、「後払い決済」自体はもともと馴染みのあるものでもあります。商品到着後に請求書をもって代金を支払う後払い決済は普及していました。
 
 そのため言葉の意味としてBNPLと後払い決済に大きな違いはありません。「BNPL」の言葉としては、紙請求書を介さない外資などの後払い決済事業者が、自社のサービスを「従来型のいわゆる後払い決済とは違う」ことを示すために自称する言葉として使い始めました。ただ徐々に従来型の紙請求書払いをメインとする後払い決済事業者も「BNPL」を自称したり、後払いという言葉を使わずBNPLを自称するサービサーも「後払い決済」と標榜するようになりました。

BNPLとクレジットカードの違い

 「後払い決済」という点でBNPLとクレジットカード決済は混同されがちです。後から支払えばよい、という点は同じですが、明確に異なる点もありますので覚えておきましょう。

 BNPLとクレジットカードの違いには、以下のような点があります。
  • 分割払いでも手数料不要のものが多い
  • 店舗側の手数料が高くなる
  • 信用調査がなく簡単にアカウント作成可能

1. 分割払いでも手数料不要のものも

 まずは手数料の違いがあります。クレジットカード決済の場合は、基本的に分割やリボ払いでは手数料が発生します。月々の支払い額を調整できる点はよいのですが、手数料率が高い場合は本来の購入額より大幅に増えてしまうケースもあります。

 対してBNPLでは分割払いでも手数料が発生しないサービスが多い傾向にあります。購入を迷っていた高額商品でもBNPLで決済することで購入のハードルを下げることができます。

2. 店舗側の手数料が高くなる

 前述のようにBNPLはクレジットカード決済と同様に、店舗側(加盟店側)に手数料が発生します。分割払いの回数や購入額によってはクレジットカード決済よりも手数料が高くなってしまう可能性もあり、BNPL導入のネックとなってしまう場合も多いです。

 BNPL導入により新規顧客が増えることも期待できますので、手数料と売上、顧客獲得数を加味して導入を決めるとよいでしょう。

3. 簡単にアカウント作成可能

 クレジットカードを発行する際に、信用情報の審査があります。この審査に通らなければクレジットカードが発行できないため、決済方法として利用することができません。

 BNPLはクレジットカードのような審査では無く、メールアドレスや電話番号を登録するだけで簡単にアカウントの発行ができるものが多いです(決済時など、クレカとは違う時間軸で与信調査が実施されるのが通例です)。

【店舗側】BNPLのメリット・デメリット

 BNPLを導入することによる店舗側のメリット、デメリットを確認しておきましょう。

◎店舗がBNPLを導入するメリット

 店舗においてBNPLを導入するメリットには以下のような点が考えられます。
  • クレジットカードを利用しない層も獲得できる
  • 高額商品を売りやすくなる
  • 登録情報の入力を簡略化して離脱を防げる
 まずはクレジットカードを利用しない層を取り込めるといった点があげられます。特に学生や主婦などクレジットカードを利用できない層が、分割払いでの買い物ができるというメリットを提供することができます。

 クレジットカードの手数料を気にして高額商品の分割払いをしたくない、といった層にもBNPLは役立ちます。そのため高額な商品の購入率を上げることも期待できます。

 また、クレジットカード情報を入力する手間を省くことで、フォーム入力時での離脱を防ぐ効果も考えられます。

▲店舗がBNPLを導入するデメリット

 店舗においてBNPLを導入するデメリットには以下のような点が考えられます。
  • まだ国内の利用者が多くない
  • 手数料が高くなりやすい
 デメリットとしては、現状まだBNPLが国内に浸透しきっていないため、利益の面でのメリットを感じづらいといった点が考えられます。もちろん今後国内に普及されていく可能性が高く、早いうちに導入しておくことでノウハウを取得することができるといったメリットはあります。

 また、分割払いの回数や商品の価格帯によっては、店舗側が負担する手数料が思ったよりも高くなるケースも考えられます。

【利用者側】BNPLのメリット・デメリット

 次にBNPLを利用するユーザー側のメリット、デメリットについてです。

◎利用者がBNPLを導入するメリット

 ユーザーがBNPLを利用するメリットには以下のような点が考えられます。

  • 分割払いでも手数料が不要のものも
  • クレジットカードよりも利用ハードルが低い
  • 個人情報漏えいのリスクが低い
 BNPLでは前述のように分割払いの手数料がかからないサービスも少なくありません。そのため高額商品をクレジットカードの分割払いで支払う場合などに発生する手数料分の費用を節約することができます。

 また個人情報を基にした審査の必要が無いケースがおおいため、収入や世帯状況にかかわらず登録することができます。信用情報の問題でクレジットカードが発行できないユーザーなどはBNPLであれば後払いで買い物をすることが可能になります。

 個人情報の漏えいリスクを防ぐといった点もBNPLのメリットです。クレジットカード番号の漏えいなどのニュースを目にすることもあるかと思いますが、必要以上の情報を提供しないBNPLでは、そのようなリスクを最低限に防ぐことができるでしょう。

▲利用者がBNPLを導入するデメリット

 ユーザーがBNPLを利用するデメリットには以下のような点が考えられます。
  • サービスによっては分割払いが不可能
  • 支払い能力を超える可能性がある
 手数料なしで分割払いができる点はメリットですが、サービスや業者によっては分割払いができない場合もあるため注意が必要です。利用を検討する場合は、事前に支払い方法を確認しておくとよいでしょう。

 そして、BNPLの最大の注意点は「支払い能力を超える買い物をしやすくなる」という点です。クレジットカード同様に月々の支払い額を調整することが可能なため、一括支払いが難しい商品も購入しやすくなりますが、気軽に購入できる状況に慣れてしまうと「過剰債務」となってしまうリスクがあります。

 自分がいくら買い物をしていて、毎月支払える額の中に収まっているかをしっかり把握しておきましょう。

急成長するBNPL市場

 BNPL市場は欧米を中心に2020年以降急速に市場を拡大しています。2020年には市場規模が10兆円を超え、2025年には72兆円となると予想されています。

 日本国内でも徐々に市場が成長しており、2020年時点では約8,800億円の市場規模となっています。まだBNPLを知らないという人も多く、浸透するまでには時間がかかる可能性もありますが、Paidy(ペイディ)をはじめとした導入企業も増えてきており、今後の成長性が十分にあると考えられるでしょう。

1.クレカを持たない層への需要

 ECサイトを利用する機会が増え、クレジットカードに代わる支払い方法として需要が高まったことが大きく影響していると考えられます。特に18歳以下の学生など若い世代や、年収などによってクレジットカードをもつことが厳しい層などを中心とした、クレジットカードを利用しない層に急速に広まったことにより、市場が一気に拡大したといえるでしょう。

2.クレカを持っているが使用したくない層への需要

 一方でクレジットカードを持っている層にもBNPLの需要はあります。カードは持っているが、昨今の個人情報の流出騒動などセキュリティ面の不安や、使いすぎを避けるために出来る限り使用したくないと考える層です。

日本で提供されているBNPLサービス

 ECサイトでの購買行動が活発化している日本でも、決済方法としてBNPLを選択できるサービスが増えています。主要なサービスとしては以下のサービスがあげられます。

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・Paidy
・Amazonあと払い
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▽株式会社ネットプロテクションズ

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▽株式会社キャッチボール

・後払い.com
・届いてから払い
コンビニ後払いなら後払いドットコム
便利で安心な「コンビニ後払い」を、導入リスクゼロでカンタンにご利用いただけます。未払いリスク100%保証に加え、請求書発行・未払い購入者様への督促、後払い決済に関するお問合せ対応などの請求・回収業務を全てを引き受けます。....
マルチ決済の後払いなら「届いてから払い」
クレジットカード・スマホ決済・キャリア決済が使える唯一の後払いサービスです。 もちろん従来通り、コンビニや郵便局、銀行でのお支払いも可能。 未回収リスクも100%保証するので安心してご導入いただけます。....

▽株式会社SCORE

・スコア後払い
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▽そのほか

・PayPay(ペイペイ)あと払い
・楽天ペイ(楽天の後払い決済)
・ファミペイ翌月払い
・バンドルカード(ポチっとチャージ)
・DSK後払い

 まだBNPLを利用できる範囲は限られていますが、幅広い層が活用できる決済方法として今後も新しいサービスも展開されていくでしょう。スウェーデン発のBNPL「Klarna(クラーナ)」も日本法人が設立され、日本進出もまもなくと噂されています。

BNPLは時代に沿った新しい決済方法

 BNPLはクレジットカード決済と似ていますが、利用ハードルの低さや個人情報を守るといった点で優れている新しい決済方法です。新型ウイルス感染拡大の影響で急速に市場規模を伸ばしているサービスの一つになります。

 利用するメリットは多いですが、その反面で過剰な購買行動を取ってしまいやすいといった注意点やリスクもありますので、しっかりと自己管理することが重要です。

 今後BNPLを利用する機会が増えてくることも予想されますので、特徴や仕組み、注意点について事前に把握しておきましょう。

BNPLに関連する資料

 当サイト「通販通信ECMO」では、決済サービスに関する資料を多数掲載しています。ぜひご確認ください。

BNPLに関連する記事

 まずは情報収集から始めたいという方向けに決済サービスに関する記事をまとめています。以下のリンクからご確認ください。

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