2022.11.01 コラム
今話題のライブコマースとは?注目される理由やメリットについて解説
最近ではSNSアカウントなどを通じて気軽にライブ配信ができるようになりました。そのなかでEC業者を中心に普及し始めているのが「ライブコマース」という手法です。本記事ではライブコマースが流行している理由や実施メリットなどについて解説していきます。(2022年5月初出/2022年11月改稿)
ライブコマースとは?
「ライブコマース」とは商品を紹介するライブ動画を配信して購入につなげるマーケティング手法のことです。ライブビデオ・ショッピングやライブストリーム・ショッピングとも呼ばれています。一見、テレビショッピングやラジオショッピングと同じようにも見えますが、ライブ配信を視聴しているユーザーは、直接商品を購入したり、商品に関する質問をやりとりをすることができます。また、ライブ配信は企業スタッフが行う場合もありますが、インフルエンサーなど影響力のある外部の人間が行う場合もあります。
ライブコマースはライブ動画の配信が可能なSNS媒体や動画配信プラットフォームを活用して行うことができます。ライブ配信は企業スタッフが行う場合もありますが、インフルエンサーなど影響力のある外部の人間が行う場合もあります。
近年、動画マーケティングの需要が高まっており、SNSなどを中心に動画から情報収集を行うユーザーが増加しています。動画広告などで自社サイトに誘導するマーケティング方法も効果的ですが、ライブ配信から直接購買につなげる手法であるライブコマースは、さらに効果的な施策として多くのEC運営企業に活用されています。
なお、ライブコマースの配信方法については後ほど詳しくご紹介します。
なお、ライブコマースの配信方法については後ほど詳しくご紹介します。
ライブコマースの市場状況
ライブコマースは日本で流行する以前に、世界各国で市場を拡大しています。特にライブコマースが普及している先進国としてあげられるのが中国です。中国ではライブコマースを通じて商品を購入することが幅広い年代に受け入れられています。
中国の大手マーケティングリサーチ・コンサルティング会社「iResearch」によると、2020年における中国のライブコマース市場は約17兆円44億ドルとなっており、推定される視聴者数は約3.1億人合計4億5600万人となっています。中国国内のインフルエンサーや有名人が積極的にライブコマースに出演しており、信頼性をアピールできているという背景も普及の要因として考えられるでしょう。
日本国内でも徐々にライブコマースの認知度が上がっていますが、まだ中国をはじめとするデジタル先進国のように普及が進んでいるとはいえません。ライブコマースを聞いたことがある、または見たことはあるというユーザーでも実際に購入まで至っているというユーザーはごく一部なのではないでしょうか。
近年は新型ウイルスの影響などでEC市場の伸びが顕著に表れているため、ライブコマースを利用するユーザーが増加するのは時間の問題と考えられます。EC事業を行う企業は早いうちにライブコマースの実績やノウハウを蓄積し、競合他社との差別化を図る必要があるでしょう。
ライブコマースが注目される理由やメリット
ではライブコマースが注目されている理由や、ライブコマースを導入するメリットにはどのようなものがあるでしょうか。それぞれについて解説していきます。
- ・臨場感のある購買体験
- ・新規顧客の獲得を図ることができる
- ・顧客のリアルな声を反映できる
◎臨場感のある購買体験
ライブコマースの強みは、リアルタイムで視聴者と販売企業が接点を持てるという点です。ライブ配信の中で実際にコミュニケーションを取りながら購入するという、臨場感のある購買体験ができることがライブコマースのメリットといえます。
自宅にいながら商品を購入できるというECのメリットを活かしつつ、実際に店頭で販売員とコミュニケーションを取りながら商品を選ぶシーンに近い環境で、購買行動を行うことができるという付加価値もライブコマースの強みと考えられるでしょう。
◎新規顧客の獲得を図ることができる
ライブコマースは企業のスタッフだけでなく、人気のインフルエンサーや芸能人がライブ配信を行うケースも多いため商品を知らないユーザーが好きなインフルエンサーや芸能人の配信を見ることで、商品を認知するきっかけとなることも考えられます。
企業側からするとライブコマースは新規顧客の獲得に効果的と言えます。知名度のあるインフルエンサーや芸能人を起用するコストはかかるかもしれませんが、商品の認知拡大につながる可能性も高くなるでしょう。
◎顧客のリアルな声を反映できる
ライブコマースでは、配信中にユーザーから寄せられたコメントや質問内容などをデータとして残すことができます。商品説明を受ける段階でのユーザーのリアルタイムの感想や意見などを記録しておくことで、次回の配信内容や訴求内容を考えることが可能です。
ユーザーもECサイトにレビューを書き込むよりも気軽にコメントを残すことができるので、さまざまな視点からの意見を収集できるというメリットがあります。
ライブコマースの配信ツール
ライブコマースはライブ動画の配信が可能なSNS媒体や動画配信プラットフォームをなどを活用して行うことができます。
ここでは主要な配信ツールを3点ご紹介します。
1.SNSアプリ型
現在、多くのSNSアプリでライブ動画の配信ができます。なかでもYouTubeとInstagramが多く利用されているという結果が出ています。また、いずれのアプリも利用料無料という点も大きなメリットでしょう。
▽関連記事:ライブコマースで利用するアプリ、1位「YOUTUBE」・2位「Instagram」
▽参考資料:17LIVE Inc. Live Commerce Division
2.SaaS型
自社ECサイトへライブコマースのツールを埋め込む機能を追加し、配信する方法です。導入に時間と費用が必要ですが、他のアプリやサイトを介さず、自社サイト内で完結させることができます。
3.ECモール型
多くの大手ECモールもライブコマース機能を導入しています。
楽天、Amazon、Yahoo!ショッピング、ヤフオク!など、さまざまなECモールにて配信することができます。
ライブコマースを成功させるためのポイント
ライブコマースでより良い成果を残すためのポイントについて解説していきます。効率よくライブコマース配信を実施することで、商品の売り上げを伸ばすことが期待できるため、ぜひ確認しておきましょう。
- ・配信のクオリティを重視
- ・ライブコマースに向いた商品を選定
- ・配信データを細かく分析
◇配信のクオリティを重視
ライブコマースの視聴者の多くは、商品購入のためではなく配信視聴自体を目的としています。商品を購入してもらう以前に、視聴者が楽しめるコンテンツを提供することが、結果的にユーザーの購買行動につながります。
そのため配信者に配信内容を任せきりにするのではなく、企業のライブコマースチームが配信の構成をある程度考えるなどの施策が重要です。あらかじめ配信のタイムテーブルや台本を用意したり、配信者だけではなく司会を用意したりするなどの工夫が必要です。
◇ライブコマースに向いた商品を選定
ライブコマースは購買行動を促進するために有効な手段の一つですが、ライブコマースに向いている商品を取り上げることが成功のポイントとなります。ライブコマースに向いていない商品を宣伝しても、中々成果が出ないといった結果に終わってしまう場合があります。
ライブコマースに向いている商品については後述しますので、ぜひご確認ください。
◇配信データを細かく分析
ライブコマースを効果的に行うためには、配信結果のデータを細かく分析することも大切です。具体的には配信中に視聴者が残したコメントや商品購入データなどを分析します。
分析を行うことで、次回の施策考案や新しい商品の開発などに活かすことができます。
ライブコマースに最適な商品
ライブコマースを行う上で、ライブコマースに向いている商品と向いていない商品を把握しておく必要があります。ライブコマースの特性を理解し、自社の商品の中でもライブコマース向きの商品を絞り込んでおくとよいでしょう。
ライブコマースに向いている商品の例として…
- ・化粧品
- ・日用品
- ・アパレル商品
- ・食料品
…などがあげられます。必要となる頻度が高く、かつ比較的購入しやすい価格帯の商品がライブコマースに向いているといえます。
▽参考記事:ライブコマースで買いたい1位は「食品・飲料・お酒」
反対にライブコマースに向いていない商品の例としては、中高年層に需要の高い「健康食品」「健康グッズ」などがあげられます。現状ライブコマースは若年層の視聴率が高いため、中高年層がターゲットとされる商品は動画映えがしにくく、購入につながりづらいといったデメリットがあります。
また高価格帯の商品などもコンテンツとしては工夫次第で面白くなる可能性はありますが、購買行動に結びつけるハードルが高く、ライブコマース向きとは言えません。
ライブコマースの注意点
最後にライブコマースを行う上での注意点について解説していきます。
- ・配信トラブルに注意する
- ・適した配信者を選定する
- ・配信時間帯やターゲット層を考慮する
▲配信トラブルに注意する
ライブコマースは基本的に生配信となるため、機材トラブルや不適切な発言などには特に注意が必要です。例えば、配信側の電波が悪く、配信が途中で途切れてしまうといったトラブルなどがよく起こります。このようなトラブルが起こるとユーザーの視聴離脱につながりやすくなるため注意しましょう。
また、不適切な発言やスムーズでない進行などはユーザー間で拡散されてしまう恐れがあり、商品や企業のイメージダウンにつながりかねません。事前の打ち合わせやスケジュール組みを入念に行うことで、上記のようなトラブルを防ぐことができます。
▲適した配信者を選定する
ライブコマースでは、商品や企業のイメージに合った配信者を選定するようにしましょう。例えば、フォロワーが多いというだけでインフルエンサーを起用したとしても、商品のイメージに合わなかったり不適切な言動があったりした場合、良い影響が得られないでしょう。
また、ライブコマース配信に慣れている配信者を起用するなど、信頼できる配信者を選定することもライブコマースを成功させるポイントです。
"インフルエンサー"の資料一覧
"キャスティングサービス"の資料一覧
▲配信時間帯やターゲット層を考慮する
ライブコマースを配信する時間帯やターゲット層を事前に明確にしておきましょう。
例えば学生をターゲットにする場合、日中の時間帯は学校に行っている可能性が高く、多くの視聴は見込めません。学生をターゲットとする場合は、家でスマホを開く可能性の高い夜間や土日に配信を行うなど、狙うターゲット層に合わせた配信時間を考えることが重要です。
ライブコマースを効率的に活用しよう
ライブコマースは、次世代のマーケティング手法としてECサイトを運営する企業におすすめです。日本ではまだ普及途中ですが、早いうちからノウハウを蓄積しておくことで競合他社との差別化を図ることもできるでしょう。
ライブコマースを成功させるためのポイントや注意点などをしっかり理解しておくことで、効率的な運営ができます。まだライブコマースを試したことがないという企業は、ぜひ記事の内容を把握し、自社の売上アップに活かしてください。
ライブコマースに関連する資料
当サイト「通販通信ECMO」では、ライブコマースに関する資料を多数掲載しています。ぜひご確認ください。
ライブコマースに関連する記事
まずは情報収集から始めたいという方向けにライブコマースに関する記事をまとめています。以下のリンクからご確認ください。
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