高血圧、高血糖、アトピー性皮膚炎、花粉症…に効くとうたう

　消費者庁と内閣府沖縄総合事務所の調査によると、同社は2019年5月7日や20年2月14日などに配布したダイレクトメールで、健康食品「養力珪素」の効果を標ぼう。合わせて、20年4月5日から昨年4月4日までの期間、商品に同梱したチラシでも同様の表示を行っていた。

　沖縄総合事務局によると、「ダイレクトメールは全国の（特定の）消費者に送付していた。チラシは今回の商品に同梱されていた」（総務部公正取引室）という。

　ダイレクトメールでは、珪素をコップ1杯の水に10滴ほど入れて飲むと、「血液サラサラ」になるとうたって、飲用前後の血液の状態を比較した画像を掲載。肌に直接塗ると、シミ・シワを解消したり、アトピー性皮膚炎を改善したりすると説明していた。

　このほかにも、「高血圧と血糖値が高い方へ」「二日酔、悪酔、朝の目覚めスッキリ」「花粉症、鼻炎にも」「髪の毛心配無用」など、さまざまな効果があるかのように宣伝していた。商品に同梱したチラシでも、事実と異なる効果をうたっていた。


同梱チラシの表示例（消費者庁発表の資料より）

既に日刊新聞で社告を掲載

　消費者庁が表示の裏づけとなる資料の提出を求めたが、同社からは出されなかった。消費者庁では、表示が景表法で禁止する優良誤認表示に該当すると判断。同社に対し、再発防止策の構築、今後同様の表示を行わないことを命じた。同社は既に、日刊新聞2紙に社告を掲載している。

　同社ホームページでも「お詫びとお知らせ」を掲載。ダイレクトメールと同梱チラシの表示が景表法に違反する内容だったと認め、謝罪した。

　取材に対し、同社の関係者は「この商品は2013年ごろから販売しているが、消費者からのクレームもなく、気づくのが遅れた」と説明。表示を裏づける根拠について、「ヒト試験（のデータ）や学術論文は手元になかった」と話している。