(株)アイスタイルは9日、『@cosmeベストコスメアワード2022 上半期新作ベストコスメ』を発表した。総合大賞に輝いた商品は、ファンケル『マイルドクレンジング オイル』だった。コロナ禍を越え、いよいよ日常生活に向けた、いわば「リハビリ」が始まっている?
「コロナ禍」のワードが13%減、生活者の気持ちが前向きに
『上半期新作ベストコスメ』は、@cosmeメンバーから寄せられた8万6330件に及ぶクチコミ投稿をベースに、いま生活者が支持している商品を表彰するアワードだ。2021年11月1日~22年4月30日までの半年間に発売された新商品3605アイテムを対象とし、『@cosmeベストコスメアワード』の上半期における新人賞という位置づけだ。
集計対象期間の半年間は、コロナ禍をめぐる状況にも大きな変化があった。徐々に街にも賑わいが戻り始め、「@cosme TOKYO」では全体の売り上げが大幅に増加。投稿クチコミを見ると、「コロナ禍」のワードが前年比で13%減となるなど、「マスク」などを含めたワードの出現率が減少に転じており、生活者の気持ちが前向きに変化しつつあると感じられる。
コロナ禍で落ち込んだ口紅などがラインクインも、コロナ禍前とは異なる傾向が
しかし、一方、5月に実施した「化粧品に関するユーザーアンケート」で、この半年間の行動や気持ちの変化を聞いたところ、約半数が「漠然とした不安をより感じるようになった」と回答。「将来への期待を感じる」という回答を大きく上回る結果となった。気持ちが前向きに変化しながらも、コロナ禍がもたらした不安感を払拭するにはもう少し時間がかかりそうだ。
今回の総合1~10位内には、コロナ禍で落ち込んだリキッドファンデーションや口紅、チークがランクインしている。具体的な受賞商品を見てみると、美容液ベースのリキッドファンデーションや色味のないカラーが人気の口紅、手持ちのチークと組み合わせて使用したり、頬のニュアンスを変えることのできるチークなど、コロナ禍前とは異なる傾向がみられている。
これらの傾向から、22年上半期は、これまでと同様に一気にコロナ禍前のようなスキンケア・メイクアップに戻るのではなく、徐々に元の日常生活にシフトしていく、いわば「リハビリ」期であるといえそうだ。
失敗したくない気持ちから『マイルドクレンジング オイル』に厚い支持
総合大賞を受賞したファンケル『マイルドクレンジング オイル』は、1997年の初代発売以来、定期的にリニューアルを行ってきたロングセラー商品だ。クチコミ数は、リニューアル前の商品を含めると約3万件に及ぶ。特にコロナ禍以降、「失敗したくない」という気持ちから定番商品を支持する動きがみられているが、そのマインドが反映された結果と考えられる。
クチコミには「落ちる」「優しい」「うるおう」「こすらない」「なじむ」「すっきり」などリニューアルに関わらず常に高く評価されるポイントが多数。60回分使用可能な「通常サイズ」のほかに、「ハーフサイズ」「つめかえ用」「サンプル(10包)」が販売されている。
クレンジングはメイク機会の減少とともに出番が少なくなった印象があるが、クレンジングアイテムが総合大賞を受賞した背景の一つには、メイクを落とす以外の機能や価値への支持がありそうだ。「メイクや毛穴の汚れ、角栓も」「スキンケアするクレンジング」と、クチコミでも「メイクをしない日」という記述がリニューアル前の商品と比べて5倍も出現していた。
ディオール『ディオールスキン フォーエヴァー フルイド グロウ』が総合2位に
総合2位は、ディオール『ディオールスキン フォーエヴァー フルイド グロウ』。86%美容液ベースのリキッドファンデーションだ。アンケートでも、完全なファンデーション離れは7%に留まっており、「ノーファンデ」というワードが先行しがちだが、実際は「頻度を減らす」「塗る量や塗る部分を調整する」人が多いという実状がうかがえる。
総合大賞のファンケル「マイルドクレンジング オイル」と同様、進化を続けるリニューアル商品でもある。今回のリニューアルから、「マスクへ色移りしにくい」ことを訴求しており、実際に「マスク移りしづらい・しづらくなった」と評価するクチコミがみられることから、リニューアルによる変化がポジティブに捉えている様子がうかがえる。
総合3位は、アディクション『アディクション ザ ブラッシュ ニュアンサー』となった。コロナ禍の渦中の「血色感」から、再び「透明感」が演出できると高く評価されている。ハイライトとしても使用でき、その他のチークの上にトップコートとして重ねてニュアンスをチェンジすることができると謳ったユニークな商品だ。少しずつ戻りつつある日常生活にあわせて「メイクのニュアンスも変化させたい」、といった生活者の気持ちにマッチした商品と言えそうだ。
ウェビナー「@cosme上半期新作ベストコスメレポート2022」開催
『@cosmeベストコスメアワード2022 上半期新作ベストコスメ』は、「総合」とともに「アイテム賞」、新設の「価格別賞」などを発表。さらに、それぞれの販売実績をもとにした「@cosme SHOPPINGベストヒット賞」「@cosme STOREベストヒット賞」を発表した。また、「2022年@cosme ベストコスメアワード上半期新作」の台湾版・香港版を同時発表したほか、韓国ではすでに「2022上半期 GLOWPICK AWARDS」を発表している。
29日には、「@cosme上半期新作ベストコスメレポート2022」と題してウェビナーを開催。17:30~19:00を予定し、「受賞ブランドに聞く 心をつかむ商品企画とコミュニケーション」「2022年上半期クチコミから読み解く生活者の今とこれから」「@cosmeリサーチプランナーへの質問セッション」をテーマに3部構成で催される。
■『@cosmeベストコスメアワード2022 上半期新作ベストコスメ』
https://www.istyle.co.jp/news/press/2022/06/0609-bc.html
■『ウェビナー』
https://business.cosme.net/webinar/bestcosme_first-half_20220629
この続きは、通販通信ECMO会員の方のみお読みいただけます。(登録無料)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。