(株)ニトリホールディングスがこのほど発表した2023年3月期第1四半期(22年2月21日~5月20日)連結決算は、売上高が前年同期比0.6%増の2166億4800万円、営業利益が同13.7%減の369億1700万円、純利益は同14.3%減の249億4200万円となった。
円安や原油高で輸入コストが上昇し、営業利益は前年割れに
売上高は全店で微増となったが、既存店は前年同期比2.3%減。買上客数は全店で同2.3%増、客単価は同1.7%減となった。生活応援値下げや家電無料配送など、各キャンペーン実施期間中の販売は好調に推移した。物流の効率化による発送配達費の削減などで経費の抑制に努めたが、急激な円安の進行や原油高に起因する輸入コストの上昇などにより売上原価が増大した結果、営業利益は前年に対し下回る結果となった。
ニトリ事業のEC売上高(海外を含む)は、前年同期比9.8%増の215億円。新たな販売チャネルの拡大施策として、ライブコマース「ニトリLIVE」を、ECサイト「ニトリネット」内に公開。毎週木曜日21時~の開催で、視聴者がリアルタイムで画面から商品を購入できるようにした。アプリ会員の増加に伴い、店舗とECを併用して利用する顧客が増加。会員数は5月末実績で1386万人。期首比較覚では72万人増となり、今期末で1600万人をめざす。
マレーシア大手EC「Shopee」に出店
島忠事業の全店舗とECサイト「シマホネット」で、6月15日からニトリポイントの付与・利用が可能になった。ホームセンター商品のポイント付与率が2倍の100円につき1ptとした。また海外では、中国でECと店舗の連動セールを実施したほか、マレーシアでは自社ECサイトだけでなく、マレーシア大手EC事業運営会社「Shopee」のWEBサイトへ出店した。
ニトリ事業の売上高は前年同期比5.3%増の1873億4800万円、営業利益は同12.7%減の359億4200万円となった。汚れを洗い流す氷解洗浄機能を搭載し、専用スマホアプリで操作できる「Wi-Fiエアコン」など季節家電商品の開発を強化。売上も順調に推移した。
4月には都内最大級の売り場面積を誇る新たな旗艦店として「目黒通り店」を出店。さまざまな暮らしを想定した家具の配置やインテリア用品との組み合わせ、部屋の使い方など新しいアイデアを提案している。デコホーム事業としてオリジナル商品化率も増加している。
台湾でテレビCM放映、グローバル共通商品「Nコレクション」を強化
海外事業では、台湾でテレビCM放映や従業員への販売教育などを行い、グローバル共通商品の「Nコレクション」の販売を強化。アメリカは、アジア中心の商品調達から中南米、欧州宇へと家具新規ベンダーの開拓を図った。中国は今期68店舗(22店舗増)をめざす。マレーシア、シンガポールも売上は計画に倒して順調。今後5年間で、マレーシアは20店舗、シンガポールは10店舗の出店を計画している。
島忠事業は売上高が前年同期比17.5%減の311億3900万円、営業利益が同38.8%減の9億8300万円となった。ニトリグループの商品開発力でホームセンター商品をPB化し、利益率の改善を図っており、順調な進捗をみせている。
第1四半期間内の4月27日に、(株)エディオンと資本業務提携契約を締結し、同社の発行株式総数の8.60%を取得した。両社の経営資源を活用し、企業価値向上を図り、顧客のより豊かな暮らしに貢献したいとしている。
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