トランスコスモス(株)とNTTコミュニケーションズ(株)=NTT Comは1日、メタバースを活用した新たなコミュニケーションのあり方を創出する取り組みとして、メタバース上での「バーチャル空間×接客」と「バーチャルコンタクトセンター」の実証実験を開始したと発表した。両社は、メタバースの活用で、サステナブルな社会の実現に貢献していきたいとしている。
フルボディートラッキングのアバターを活用したバーチャル接客を実施
「バーチャルコミュニケーションサービス」の実証実験では、店舗に代わるバーチャル接客をフルボディートラッキングのアバターを活用し、よりリアルに近い顧客とのコミュニケーションをメタバース上で提供する。NTT Com は、バーチャルコミュニケーションだからこそ実現できる「リアルを超える接客体験」の創出に取り組みたいとしている。
コロナ禍でのライフスタイルの変化により、接客に関してもさまざまな活動がオンライン化。スマホサイトやチャットで顧客の利便性が向上する一方、従来のようなリアルに近い接客を求める顧客も存在している。こうしたオンライン接客ニーズに応えるために「バーチャルコミュニケーションサービス」を構築し、オンライン接客を強化したい考えだ。
リアルに近いオンライン接客の実現には、リアル店舗と同様に身振り手振りなどのジェスチャーや表情、息遣いが感じられるノンバーバルコミュニケーションが重要になる。実証実験では、適切な人同士の距離感を検証することも併せて、メタバース上でフルボディートラッキングのアバターを活用した「バーチャルコミュニケーションサービス」の実験に挑む。
リアル店舗同様のバーチャル店舗でリアルに近い接客を提供
実験では、リアル店舗同様のバーチャル店舗を構築。リアル店舗に近い接客をすることで、顧客の体験価値向上と購入チャネルとしてのデザインと機能を検証。アバターによる接客の顧客満足度や、接客中のテキスト・動画ファイル共有、音声認識技術を用いたAIによる応対支援機能による、オペレーターの使いやすさの評価、検証を予定している。
トランスコスモスは、実証実験の結果を踏まえ、バーチャルコミュニケーションサービスの実現の強化とサポートを展望。さらに、メタバース上での接客ではECと連動し、バーチャル空間内で完結できる環境をつくり、展示会や企業のイベントでの活用も視野に入れたいとしている。
場所にとらわれない働きやすいコンタクトセンター環境を構築
また、メタバース上での「バーチャルコンタクトセンター」活用に向けた実証実験では、分散拠点化されたコンタクトセンターを集約、さらに在宅オペレーターもバーチャルコンタクトセンターに集約することで、場所にとらわれない働きやすいコンタクトセンター環境の構築をめざす。
トランスコスモスはさまざまな手段でコンタクトセンターサービスを提供しているが、首都圏をハブセンターとして、地方や海外センターに拠点分散させる運用では、管理層のダブルコストや拠点制約による優秀人材確保が課題だった。また、在宅オペレーターはコミュニケーションがとれなくなったことによる課題も生じていた。これらの課題を解消し、コンタクトセンターサービスをより進化させていくために「バーチャルコンタクトセンター」の実証実験を開始した。
NTT Com はXR技術使用の新サービスやソリューション開発を積極化
NTT Com は、さまざまなワークスタイル変革サービスやソリューションの提供を通じて、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方の実現に貢献している。さらに近年、XR技術を用いた新たなサービスやソリューションの開発にも積極的に取り組んでいる。
実験では、コンタクトセンターをメタバース上に構築して従業員を集約することで、拠点分散での運用や在宅オペレーションの課題の解消と、標準オペレーション確立に向けた検証を実施。メタバース上でのコミュニケーションにより、リモートでの孤立感を解消し、スムーズな情報共有やエスカレーションの実施で管理者比率の低減などを評価、検証。併せて、オペレーションルールの設計や実用性、利用端末や環境最適解を検証する。
トランスコスモスは、メタバースに関する取り組みを推進し、企業・従業員のコミュニケーションを繋ぐだけでなく、企業と顧客のコミュニケーションに対して「バーチャルコミュニケーションサービス」の提供も進めていきたいとしている。
この続きは、通販通信ECMO会員の方のみお読みいただけます。(登録無料)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。