(株)電通デジタルが21日公開した『EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査』のまとめによると、日常的な購買はオフラインチャネルである店舗の利用傾向が強いが、さまざまなオンラインメディアが、検討経路~購買後のフェーズで活用されており、購買行動をサポートするための重要な役割を担っていることがうかがえた。
生活者が商品を知る場所はオフラインが多い傾向に
調査は9月5日~8日。全国20歳~69歳の3000人に、主要商品11カテゴリの「ファッション」「美容・コスメ」「食品・スイーツ」「ドリンク(お酒以外)」「お酒」「日用雑貨」「ダイエット・健康」「医薬品・コンタクト・介護」「ペット用品」「電化製品・インテリア・ホビー」「キッズ・ベビー・玩具」の30商品をベースに聴取した。
生活者が商品を知る場所は依然、オフラインが多かった。特に日常的に消費する商品カテゴリではオフラインで商品を直接認知するケースが多い一方、比較検討の傾向が強いはずの「電化製品・インテリア・ホビー」「ダイエット・健康」や「ファッション」「美容・コスメ」のカテゴリでは、オンラインでの商品認知の割合が高い結果となった。
購入検討経路はすべてのカテゴリでオンラインの接点が増加
購入検討経路は、すべてのカテゴリでオンライン接点が増加。「ダイエット・健康」カテゴリでは80%を超え、生活者は商品認知後、オンラインを活用していることを示唆している。オフラインチャネルが優勢であるものの、ECモール各社、メーカー直販ECサイトなどのオンライン接点も主要購買場所として選ばれており、購買行動のデジタル化が進んでいる。
化粧品のチャネルジャーニーを見ると、生活者の行動が多様化する現在は、商品の購入を促す体験だけではなく、多角的な体験提供の場が必要であることがうかがえた。
また、生活者が嬉しく感じたフォロー・サポートでは、各カテゴリに共通して、クーポンやキャンペーン情報などの値段に直結する「お得な情報」「発送や到着のお知らせ」が高かった。「お得な情報」の中でも、ポイント活用に関するサポートが他の設問より高く、購買体験向上に必須な要素となっていると捉えることができる。また「電化製品・インテリア・ホビー」では、問い合わせに関するさらなるサポートを求めていることが顕著に現れていた。
積極的に貯めているポイントの種類は「2つ以上」が半数
積極的に貯めているポイントの種類は「2つ以上」が半数近くを占め、1つのポイントを集中的に集めるのではなく、複合的にポイント収集を行っており、ポイント収集が生活者に広く浸透していることを示しています。「嬉しかったサポート」でもあるように、ポイント活用でも購買体験を向上するために欠かせない要素となっていた。
今後市場規模の拡大が予想される次世代コマースに関しては、ライブコマースならではのリアルタイム動画利用による「詳細がわかりやすい」「実際に体験したような気持ちになれる」「実店舗に行かなくてよい」「質問ができるため安心」といった利便性を求めており、インタラクティブ性を含んだリアルタイムな接客を感じる購買形態に、興味関心を寄せていた。
また、XRに関してはライブコマースの2倍以上の回答を得られ、興味関心の高さがうかがえた。販売空間の拡張で得られる体験や利便性にまんべんなく興味を示しており、新たなECプラットフォームとして生活者の視野に入っている。情報提供のみならず、双方向のやりとりを可能にする新たなコミュニティ形成も、さらなるCX向上のカギと捉えることができる。
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