2024.01.10 コラム
【物流アウトソーシングとは?】失敗しない選び方と導入手順を解説
物流アウトソーシングは、業務効率化やコスト削減に繋がるため、多くの企業が活用しています。しかし、その導入にはメリットだけでなく、デメリットや注意点も存在します。そこで、本記事では、物流アウトソーシングの概要からメリット・デメリット、失敗しない選び方、導入手順を分かりやすく解説していきます。
物流アウトソーシングとは
物流アウトソーシングは、企業が自社の物流業務を外部の専門業者に委託することを指します。これにより、企業は物流に関する専門的な知識や技術を持っていなくても、効率的に物流業務を進められます。特に、物流業務が主業務でない企業や、物流に関する専門知識を持つ人材が不足している企業にとって有効です。物流アウトソーシングのメリット4選
物流アウトソーシングを活用すると、以下4点のメリットが得られます。1.コスト削減
2.専門的なスキルや知識の活用
3.業務の効率化
4.リスクの分散順番
に解説していきます。
1.コスト削減
自社で物流業務を行う場合、専用の施設や機材、人員の確保が必要となり、高額な初期投資や維持費が発生します。しかし、アウトソーシングを利用すると、企業はこれらのコストを削減できます。また、削減できたコスト分を新商品の開発やマーケティング業務に回せば、売上の拡大が見込めます。2.専門的なスキルや知識の活用
物流アウトソーシングを利用すると、他者の物流に対する専門的なスキルや知識を借りられます。物流業界は日々進化しており、最新の技術や手法の取り入れが求められます。一般の企業がこれらの知識を常に更新するのは難しいですが、物流の専門業者にはそのような専門的なスキルや知識が基本的に備わっています。物流業者のスキルや専門知識を借りると、荷物の配送時間を短縮できたり、物流のルートを最適化し、輸送コストの削減も可能です。3.業務の効率化
物流アウトソーシングを導入すると、業務の効率化が実現されます。前述したとおり、物流アウトソーシングの業者は、物流に関する専門的な知識や技術を持っています。そのため、最新の技術や手法を用いて業務を進められ、これにより業務のスピードや精度が向上します。例えば、最新の物流管理システムを導入した結果、荷物の追跡や在庫管理がリアルタイムで行えるようになり、業務効率化に成功した事例があります。4.リスクの分散
全ての物流業務を自社のみで行う場合、何らかのトラブルや変動が生じた際の影響が大きくなります。しかし、複数の専門業者と契約すると、そのリスクを分散できます。例えば、物流業者Aが天候や災害の影響で業務を停止した場合、業者BやCに業務を移行することで、サービスの継続性を保てます。物流アウトソーシングのデメリット4選
物流アウトソーシングの利用には、様々なメリットがある一方で、デメリットもあります。具体的なデメリットは、以下の通りです。1.情報漏洩のリスク
2.品質の不一致
3.コミュニケーションの課題
4.契約の複雑さ
こちらも順番に解説していきます。
1.情報漏洩のリスク
物流アウトソーシングを利用する際、情報漏洩のリスクが増加する可能性があります。外部の業者とのやり取りの増加によって、機密情報が第三者に漏れるリスクが高まります。情報漏洩のリスクを最小限に抑えるため、物流アウトソーシング業者を選定する際は、その業者のセキュリティ対策や取り決めを十分に確認しましょう。2.品質の不一致
物流アウトソーシングを利用すると、品質の不一致が生じる可能性があります。自社と外部業者の間で物流管理の品質基準や作業手順が異なる場合、サービスの品質にばらつきが生じる場合があります。また、業者が品質基準を明確にしていない場合、配送の遅延や荷物の紛失が発生する可能性があります。品質の不一致を防ぐため、契約時に品質基準や作業手順を明確にし、定期的な品質チェックを実施しましょう。3.コミュニケーションの課題
物流アウトソーシングを利用する際、コミュニケーションの課題が生じる可能性があります。外部業者とのやり取りの増加により、意思疎通の難しさやミスが発生しやすくなります。反対に、業者とのコミュニケーションが不足すると、配送の遅延や誤配が発生する可能性が増加します。コミュニケーションの課題を解消するため、定期的なミーティングの実施や、明確な報告体制を構築しましょう。4.契約の複雑さ
外部業者との契約には、多くの条項や細かい条件が含まれる場合が多いです。そのため、契約前の確認を怠ると後から予期しないトラブルや追加費用が発生するリスクが高まります。契約前に契約内容を十分に確認し、必要に応じて専門家にアドバイスをもらいましょう。物流アウトソーシングの費用
物流アウトソーシングの費用は、サービスの内容や提供者によって大きく異なります。これは、範囲や、サービスの質、提供者の実績や技術力など、多くの要因が費用に影響を与えるためです。例えば、高度な技術や専門的なスキルを持つ提供者を選択すると、初期投資は高くなるかもしれませんが、長期的には業務の効率化やリスクの低減により、総コストが削減される可能性があります。一方で、低価格を重視して選んでも、期待したサービスの質を提供できない場合、追加のコストが発生するリスクが高まります。物流アウトソーシングの費用を適切に把握するためには、自社のニーズを明確にし、複数の提供者から見積もりを取得すると良いでしょう。また、費用だけでなく、サービスの内容や提供者の評価も考慮に入れると業者選びの精度を高められます。物流アウトソーシングの失敗しない選び方
本項目では、物流アウトソーシング業者を選ぶ際のポイントと、失敗を避けるための方法を解説します。サービス提供者の実績と評価
サービス提供者の実績と評価の事前チェックが、失敗を避ける鍵となります。実績が豊富な提供者は、多くのケースに対応した経験があり、予期せぬトラブルへの対応も迅速な場合が多いです。そして評価が高い提供者は、クライアントからの信頼が厚く、サービスの品質が保証されています。サービス提供者の実績と評価チェックには、公式サイトや業界の口コミサイトを活用して調べるのがおすすめです。また、可能であれば、過去の取引先や実際のユーザーからのフィードバックを直接聞くのも有効的です。コストとサービス内容のバランス
サービス提供者を選定する際は、コストとサービス内容のバランスの重視が重要です。低コストだけを追求すると、サービスの品質が低下するリスクがあります。一方、高品質なサービスを求めるあまり、コストが過大になると、経営に悪影響を及ぼす可能性があります。業者を選ぶ際は、コストとサービス内容の両方を詳細に確認し、最適なバランスを見極めましょう。対応可能な物流範囲と技術
対応可能な範囲が広いサービスは、将来的な業務拡大にも柔軟に対応できます。また、技術力が高い提供者は、効率的な物流システムを構築し、トラブルをの迅速な解決も期待できます。業者を選ぶ際は、自社の物流ニーズと将来的な展望を考慮し、対応範囲と技術力を持つ業者を選択しましょう。物流アウトソーシングの導入手順
物流アウトソーシングの導入手順は、以下の通りです。手順1.現状の物流業務の分析
手順2.適切なサービス業者の選定
手順3.契約内容の詳細確認と交渉
手順4.導入の実施と段階的な移行
手順5.導入後の評価
それぞれの手順を順番に解説していきます。
手順1.現状の物流業務の分析
物流アウトソーシングを導入する前に、現状の物流業務を詳細に分析する必要があります。現状の業務の強みや課題の明確化により、アウトソーシングの方向性を決定できます。現状分析を怠り、アウトソーシングを導入すると、方向性が不明確になり、効果を実感できない場合があります。分析ツールや専門家の意見を取り入れ、現状の物流業務を徹底的に分析しましょう。手順2.適切なサービス業者の選定
分析が完了したら、次は業者選びです。サービス提供者の実績や技術力、対応範囲などが、アウトソーシングの品質を左右します。前述したとおり、複数のサービス提供者と面談を重ね、実績や技術力の比較検討によって、最適な業者を選定しましょう。手順3.契約内容の詳細確認と交渉
業者が決定したら、次は契約です。契約を結ぶ前に、内容の詳細確認と必要に応じての交渉が必要になる可能性があることを頭に入れておきましょう。契約内容によっては、後々の業務運営に影響が出る可能性があります。また、契約内容の詳細を確認し、不明確な点や改善点を提供者と共有できると、双方が納得の上で契約を結べます。そして、これがスムーズな取引や連携の強化につながります。手順4.導入の実施と段階的な移行
物流アウトソーシングの導入は、一括導入よりも、段階的に行う方が効果的です。これにより、トラブルを最小限に抑え、スムーズな移行が期待できます。例えば、小規模なプロジェクトからの開始により、アウトソーシングの効果や問題点を確認しながら、大規模なプロジェクトへと展開できます。反対に、一気に大規模なプロジェクトをアウトソーシングすると、未経験の問題に直面する可能性があり、対処できず大きな損失に繋がる危険性があります。そのため、業者と相談しながら、段階的にアウトソーシングの範囲を広げるのが良いでしょう。手順5.導入後の評価
アウトソーシング導入後も、定期的な評価を実施しましょう。評価を通じて、アウトソーシングの効果や問題点を明確にし、改善を繰り返します。評価を怠ると、アウトソーシングの効果が低下する可能性があります。アウトソーシングの効果を最大限に引き出すためにも、定期的な評価と改善に取り組みましょう。物流アウトソーシングの最新トレンド
最後に、物流アウトソーシングのトレンドを3つご紹介します。1.テクノロジーの活用
近年、AIやロボット技術を活用した物流サービスが増加しています。これにより、物流の効率化やコスト削減が促進されます。2.環境への配慮
環境負荷を低減するための取り組みが強化されています。例として、電動トラックの導入や、CO2排出量の削減を目指す取り組みなどが進められています。3.多様なサービスの提供
従来の物流サービスだけでなく、付加価値を持つサービスが増加しています。例えば、在庫管理やデータ分析を組み合わせたサービスなどが提供されています。まとめ
本記事では、物流アウトソーシングについて解説しました。物流アウトソーシングの活用は、コスト削減や業務効率化、リスク分散など得られるメリットが非常に大きいです。自社の物流管理に問題を抱えている企業は、ぜひ一度物流のアウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。
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