楽天(株)と(株)ビックカメラは11日、ECモール「楽天市場」内に家電通販サイト「楽天ビック」をオープンし、ビックカメラ店舗の在庫を確認できる機能や店舗での購入で楽天スーパーポイントを付与するなど、オフラインとオンラインを連携させた新たな取り組みを開始した。
家電ECの弱点を克服
今回の連携で楽天は、家電ECの欠点となっている「実際に商品を見てから購入できないこと」や、「設置・配送面の不安」を解消し、楽天ユーザーの家電EC購入の利便性を向上させる。ビックカメラは、楽天のECのノウハウや9500万人の会員基盤を活用し、ビックカメラが弱い若年層女性の集客を図る。
「楽天ビック」では、ビックカメラの45店舗の商品の在庫を確認できるほか、楽天の共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」を貯めることができる。基本のポイントバックは5%となる。また、店舗利用者は商品を購入する際、「楽天スーパーポイント」か「ビックポイント」のどちらかを選ぶことができ、6月中旬頃からは楽天スーパーポイントでの支払いにも対応する。また、ネットで注文した商品を取り置きし、店舗で受け取るサービスも今後開始する予定。
配送と商品の設置でも連携し、家電購入時に専門事業者による設置の申込み・日付指定ができる。配送では、23区を対象に、15時までに注文があった商品を当日中に配送するサービスを夏頃から開始する。
楽天の調査では、家電のEC購入を断念した経験がある人は約80%で、その理由の1位は「価格が高かった」(61.7%)、2位が「実際に見て購入したかった」(42.9%)、3位が「配送設置に不安があった」(19.6%)となった。家電ECの購入で重視することでは、「価格」「配送」「安全姓」「商品数」「ユーザービリティ」「アフター対応」など、ニーズが多岐にわたっていた。こうした結果などから、家電ECの多様なニーズに対応すべく、楽天はオフラインでの強みを持つビックカメラと連携した。
「楽天ビック」の独自商品を先行販売
楽天の三木谷会長兼社長は会見で「2社による新しいコラボレーションは、画期的なこと。従来型から一歩踏み込んで、新しい取り組みを実施する。一人の消費者としても、この取り組みを楽しみにしている」と語り、今回の取り組みに大きな期待感を示した。
商品は11日現在で60万点。人気商品を低価格で販売する。また、独自商品も展開し、VRヘッドギア『ビックカメラグループ専売モデルVRヘッドマウントディスプレイ』を楽天ビックで先行販売する。また、楽天経済圏の会員9500万人とビックポイントカード3000万人のビッグデータを活用し、独自商品を開発する。
同社では、サイトオープンを記念し、3つのキャンペーンを開始。「楽天ビック グランドオープン祭」(14日まで)では、人気商品を特別価格で販売するほか、楽天スーパーポイントを最大10%付与する。また、楽天ビックで事前エントリーし、ビックカメラ店舗で受け取ると最大10%のポイント付与するキャンペーン(20日まで)や、事前エントリーし、ビックカメラ店舗で楽天ポイントカードかアプリを提示して商品を購入した人を対象に、100人のうち一人に全額キャッシュバックするキャンペーンも開始する。
■「楽天ビック」
(山本 剛資)
この続きは、通販通信ECMO会員の方のみお読みいただけます。(登録無料)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。