2021年から展開している女性のデリケートゾーンケア(インティメイトケア)用品ブランド「laugh.(ラフドット)」が前年比300%以上の伸びを見せている。ただ欧米では当たり前なのに対し、日本でのインティメイトケアのニーズは低く、成長軌道に乗るまでの道のりは決して平坦ではなかったという。そんなlaugh.が業界シェアNo.1を取るまでに至った影には、やはり通販業界のトップコンサルティング企業であるダイレクトマーケティングゼロ(DM0)の存在があった。HRCのプロモーション課の原貴朗主任、鷺あかね氏、CRM課の飯塚直人課長、佐々木莉央氏とDM0の田村雅樹社長に立ち上げ時代の苦労と成長の軌跡を語ってもらった。

写真左からHRCのCRM課・飯塚直人課長、プロモーション課・原貴朗主任、同・鷺あかね氏、DM0の田村雅樹社長、HRCのCRM課・佐々木莉央氏
初期はCPA10万円超、月間獲得は十数件
ーーブランドの立ち上げの経緯について教えてください。
HRC飯塚直人氏(以下、飯塚):もともと2020年ごろに社内で新規事業の立ち上げの話があり、その一つとして立ち上がった形です。2020年の秋ごろからテストマーケティングが始まりました。テストマーケティングの結果が想定よりは良かったため、本格的に動かしていくことになりました。正式ローンチとなったのは2021年の秋です。
ーーDM0のコンサルはいつごろから入ったのでしょうか。
DM0田村雅樹社長(以下、田村):正式ローンチのタイミングごろから入らせていただいています。丁度、新規獲得の広告を回し始めたくらいの時期だったと記憶しています。入り始めの頃の動きで覚えているのは、ラフドットさんは、いわゆる単品商材での本格的定期購入モデルの取り組みが初でしたので、KPIの設計や販売のフレーム作りみたいなところから進めていきましたね。
具体的な取り組みとしては、例えば継続率のシミュレーションやクロスセル設計、訴求開発やボット内CVRの改善提案といった部分のフレームワーク作りに一緒に取り組んでいきました。ただ、最初はやはり新規の獲得に苦労しましたね。
飯塚:はい。おっしゃる通り最初期の頃は獲得にかなり苦戦しました。月間の獲得が十数件、CPAは10万円オーバーというような苦しい状況でしたね。
田村:想定以上にCPAが厳しく、かつ件数もそこまで取れない、というところからのスタートだったんですよね。この状況が結構長く続いた印象があります。
オファー改善など新規まわりのCVR改善にも着手して、2022年のはじめごろまでにはなんとか月間3桁の獲得、CPAも数万円台までは落としましたよね。この頃はLTVもまだ定まってなかったですし、新規獲得件数が少なかったこともあり継続率も見えにくい中だったので、なんとか予測値をたてて動くしかなく大変でしたね。
飯塚:はい、そうでした。冬ごろにCPAが約3万円、獲得が200件以上取れるようになりましたね。
「事業撤退ラインをきちんと決めよう!」
ーーそれでも、計画とは大きく外れていたんですよね?
田村:新規獲得も徐々によくなっては来ていたんですが、ローンチから半年くらいのタイミングで経営サイドから、一定の条件をある時期までにクリアできなかったら撤退するという事業撤退ラインの話も何度も出てきてしまいましたね。今では笑い話ですけど、本当に最初のころは苦しくていつ撤退するか、みたいな状況でした。何とか乗り越えましたね。

ラインアップ拡充などからCPA改善
ーー撤退ラインを越えて成長したいきさつについて教えてください。
飯塚:もちろんDM0さんとラフドット新規チームによる、媒体ごとの中間KPIの地道な数値改善のアイディア実行のお陰なのですが、加えて2022年の6月ごろに商品のバリエーションを増やしたことも大きかったです。もともとラフドットは無香料品をメイン商材としてやってきたのですが、このタイミングで香り付き商品を投入しました。そうしたら、香料品の反応が想像以上に良く、一気に状況が変わった感じでした。
田村:お客さまからのご要望も多かったですもんね。ただ、僕自身は、林千尋社長のブランドや商品に対するこだわり、例えば、香りでごまかすのではなく、pHバランスで根本的な改善を無香料で目指したいという思いも、ラフドット成功の一因だと思っています。一方で、お客さまインタビュー等も積極的に行い、商品自体の改善も積極的ですよね。KPIの数値改善だけじゃなく商品自体にも手を入れるというのは、DM0が常々クライアントさんに対し言ってきていることなので、素晴らしいと思います。ただ、発売から1年、まだ安定はしてなかったですよね(笑)
HRC原貴朗氏(以下、原氏):おかげさまで好評を博したのですが、想定以上に獲得が良化したので、発売からほどなくして在庫が足りなくなってしまいました。発売から2カ月は十分に対応できる想定で在庫を用意していたのですが、数値が良すぎて3週間でなくなっちゃったんです。結果的にまた無香料品だけを販売せざるを得ない状況になり、DM0さんの知見をお借りしながら何とか無香料品でも香料品とCPAを合わせられるように試行錯誤しながら、次の香料品の納品を待ちました。
田村:でも、幸い、新規数が上がり、テスト検証スピードも上がったので、無香料でも、数字はみるみる改善していきました。とにかく訴求テストを繰り返しながら、バナー、記事遷移、チャットボット導入、チャットボット変更等、中間KPIを一つ一つ丁寧に向上させていき、CVRは200%以上上がって、軌道に乗ってきましたね!
正直、最初の1年はCRMは後回しにして、新規周りのコンサルティングばかりしていましたので、喜びも一入でした!
原:記事やバナー、チャットボットの改善は今でもずっと一緒にやらせていただいてます。DM0さんのアイディアと視点は、毎回、本当に勉強になります。成功事例も豊富で常にアップデートされているため、どんどんどんどん数値が良くなっていくので、終わらないですね。
ユーザー視点の改善でCVRやアップセル率大幅アップ
ーー具体的な改善施策で印象深いものはありますか?
HRC鷺あかね氏(以下、鷺氏):DM0さんの案により、ボット上のちょっとしたクリエイティブ改善だけで数値が劇的に良くなっていくのは魔法のようでした。もともとチャットボット内の商品選択のバナーが単品のみの「シンプルケアプラン」と、セットの「セットケアプラン」がカルーセルで並んでいたんですね。なので、スクロールしないと2つ目に表示されている「セットケアプラン」が見えない仕様でした。そこを最初から並列にすることで2種類あることを一気に見せるという修正をしたところ、セット商品の選択率が10%以上上がりました。それだけじゃなく、CVRまで上がったんです! 自分が新規獲得チームなので、つい、新規獲得効率重視で考えてしまうので、「セット商品は売れないからなくしてもいいんじゃないか」くらいに思っていたんですよね。並列でわかりやすく見せてあげるだけで、CVRもクロス率もアップするというのは目からウロコでした。よく考えればお客さまに対して親切な見せ方ですし、どうして元々やってなかったんだろうと思いましたね。DM0さんはユーザー視点がすごくて、事業者目線では全然気付かなかったポイントとかをすごく丁寧にアドバイスしていただけるので助かっております。
原:おまとめ施策のアップセルも印象的でした。セールス色が強い表現になりがちだったのですが、配送方法を毎月か数か月分まとめたかを選んでいただくという見せ方にしてみたところ数値が改善して目からウロコでしたね。さらに「おまとめ配送」という表現を「一括配送」と言葉を変えただけなんですが選択率が上がって驚きました。現状で6割くらいが一括配送を選択してくださるようになりました。
田村:ありがとうございます。個人的にはクーポンの表現のブラッシュアップ過程が印象的でしたね。LPでクーポン発行のポップアップを表示して、クリックしてもらうとチャットボットが立ち上がるというものです。チャットボットを立ち上げてもらい、さらにボット内でもアクションを起こしてもらうとクーポンが発行されるという誘導をしています。そのクーポンの見せ方が進化していて。HRCさんはボクのアイディアを咀嚼して、どんどん自分たちでチューニングしていってくれるんですよね。
「コンサルを値踏みする」みたいな姿勢じゃなくて、「事業成長のパートナーとして信頼してくれている」っていうのが伝わるから、安心して無茶苦茶なことも言える。これはすごくでかいって思います。

「DM0は事例に底がなく、結果が半端ないのに、フランクなので相談しやすい」
ーー取り組みを重ねていく中で感じるDM0の印象などはどうですか。
原:DM0さんはやっぱり圧倒的にNo.1で他社事例や知見を豊富にお持ちなので結果がものすごく出やすく、全幅の信頼を置いています。また、実際の数値をもとに分析プロセスを共有しながら、お客様視点でのソリューション案を出してくれるので、お付合いしていくうちに、メンバーが自然とユーザー視点で物事を考えられるようになったのもすごく大きいです。どうしても施策などに企業側のエゴが出てしまいがちなんですが、そういった際に客観的に見たらどうか、というところに立ち返れるようになりましたね。また、お人柄が非常にフランクなので、相談がしやすいのも大きいですね。
HRC佐々木氏(以下、佐々木):こちらから聞いたことだけでなくプラスでご回答がいただけるので、それによって気付けた課題というのも多くて助かっていますね。
鷺:課題点や数値が落ちている、というのが発覚したときはポイントだけを見がちです。単発でどう解消できるか、というふうに考えがちだったんですが、前後の流れや他の要素との関連性の見方をアドバイスいただけるのが視野の広さを感じますね。私自身も全体感や前後も合わせてしっかり見ることができるようになったなと思いますね。
「インティメイトケア」が当たり前の世の中へ
ーー今後、改善着手していきたい部分などはどうですか。
田村:最近になってようやく、アップセルとクロスセルが十分にできない状態から、少しずつチューニングしていって両方満足にできるようになったと思います。やっと一つの”型”が出来上がったといいますか。一方で、お客さまに継続していただくための期待醸成といった部分はまた全然手を入れられていないのですよね。これからはお客さまととことん向き合った本質的な継続施策に着手していきたいですね。
原:”型”ができあがったことで、おかげさまで獲得は絶好調に進んでいますしね。
佐々木:私も継続率アップのところをより強化していきたいですね。継続率のところに関しても要因分析のプロセスを手取り足取り教えていただきながら進めています。お客様に長く使用していただいたり満足していただくための施策やサービス強化をDM0さんと一緒に早くローンチできたらなと思います。
田村:めちゃくちゃ売れてるインティメイトケア商品を出した会社としては初なのではないかと思います。ある種、インティメイトケア市場を確立させた先駆者的な存在なんじゃないかと思っていて、すごくカッコいい存在だなと。だからこそそのカッコよさを追求したブランドをもっと確立させていくお手伝いができていることが最高に嬉しいですね。
原:ありがとうございます。ブランドの思いとしてインティメイトケアというのが日常的に当たり前になる世の中を作っていきたいというのがあります。やっと基盤ができた状態で新しいフェーズに入ってくるのかなと思います。認知の部分ももっと広げつつ、継続していただいているお客様が他の方にも紹介していただけるような商品に育てていきたいですね。
田村:ラフドットは容器のリニューアルとか、デザインリニューアルとかも結構してますよね。そういった「商品やサービスを上げていきたい」「ブランドを上げていきたい」という意思は感じているので、ぜひ一緒に取り組み、これからもしっかりとサポートしていきたいですね。
HRC一同:よろしくお願いします!

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